2019年10月31日
宮城県大郷町?「届かなかった住民の訴え」
今朝も、台風19号で大きな被害を受けた地域のひとつ、宮城県大郷町からのレポートです。
台風19号が通過した翌日の朝。13日の午前7時すぎ。大郷町・中粕川地区のすぐそばを通る吉田川の堤防が100mにわたり決壊。川から溢れ出した水が、町を襲いました。被害は甚大で、ブロック塀も倒され、アスファルトがめくれ上がった場所や、建物がなく土台だけになったお家までありました。浸水の深さは、深いところだと4mを越えていたといいます。
実はこの吉田川、住民の方のあいだで、氾濫を懸念する声は以前からあったのだそうです。なのになぜ、被害が出てしまったのか。中粕川地区・区長の赤間正(あかま・ただし)さんに伺いました。
◆「想定外」で片付けるな
ちょっとそちらご覧になっていただきたいんですけど、重機のところにコンクリ壁がありますね。あそこが(堤防が)切れたあっちの端まで300メートルくらい。他のところより1メートルくらい(堤防が)低いんですよ。一番危ない場所じゃないかということでかさ上げするとか何かして欲しいという事はかなり強く、町を通じて要望していたんですけれども、なかなか全然、要望に応えてくれなくて、今回決壊した。だからやっぱり「あそこが切れたな」と皆さん思っているんですよ。要は普通、越流堤みたいな感じは集落のところには作らないで、万が一に越流しても、(住居を守るために)田んぼや畑や農地とかを越すような仕組みというのが越流堤なんです。ただ現実的にはそういう(住居が浸水する)状況になっていたんですよ。そこをなんとかしてほしいという要望をしていたにも関わらず全然手を打ってくれなくて今回の形になったんですね。ですからよく想定外と一言で片付けられますけれど、それは想定内という言葉にはならないと思うんです。国交省でも年に一度「この堤防のここは要注意のあれだよ」という事だけは確認していながら全然対処してこなかった形なんですよ。私もこの校舎の後ろに家があるんですけれども、震災後に建てたんですけどね、ですから想定外という話をされるとすごい憤りを感じるというか、やることをやらないで想定外と一言で片付けられることじゃ無いんではないかと言うね。
「越流堤」というのは、堤防の一部を低くして水をあえて越流させて「調整池」という場所に水を “逃がす”ことで住宅街に水がいかないようにする仕組みなのですが、管轄する国土交通省・北上川下流河川事務所によれば「これは越流堤ではありません」とのこと。また「なぜ堤防の一部が低くなっていたかは今後、調査検証していく段階だが、低い部分も“計画通りの高さ”は保っていた」との回答でした。
※左奥のブルーシートがかかっている部分が、決壊した堤防
ただ、以前から町や住民は、国交省にその危険性を訴えていました。しかし対策は取られず今回の災害が起きてしまったことに、赤間区長、ときおり声を震わせ、
悔しさをにじませていました。
明日も大郷町からのレポートです。
台風19号が通過した翌日の朝。13日の午前7時すぎ。大郷町・中粕川地区のすぐそばを通る吉田川の堤防が100mにわたり決壊。川から溢れ出した水が、町を襲いました。被害は甚大で、ブロック塀も倒され、アスファルトがめくれ上がった場所や、建物がなく土台だけになったお家までありました。浸水の深さは、深いところだと4mを越えていたといいます。
実はこの吉田川、住民の方のあいだで、氾濫を懸念する声は以前からあったのだそうです。なのになぜ、被害が出てしまったのか。中粕川地区・区長の赤間正(あかま・ただし)さんに伺いました。
◆「想定外」で片付けるな
ちょっとそちらご覧になっていただきたいんですけど、重機のところにコンクリ壁がありますね。あそこが(堤防が)切れたあっちの端まで300メートルくらい。他のところより1メートルくらい(堤防が)低いんですよ。一番危ない場所じゃないかということでかさ上げするとか何かして欲しいという事はかなり強く、町を通じて要望していたんですけれども、なかなか全然、要望に応えてくれなくて、今回決壊した。だからやっぱり「あそこが切れたな」と皆さん思っているんですよ。要は普通、越流堤みたいな感じは集落のところには作らないで、万が一に越流しても、(住居を守るために)田んぼや畑や農地とかを越すような仕組みというのが越流堤なんです。ただ現実的にはそういう(住居が浸水する)状況になっていたんですよ。そこをなんとかしてほしいという要望をしていたにも関わらず全然手を打ってくれなくて今回の形になったんですね。ですからよく想定外と一言で片付けられますけれど、それは想定内という言葉にはならないと思うんです。国交省でも年に一度「この堤防のここは要注意のあれだよ」という事だけは確認していながら全然対処してこなかった形なんですよ。私もこの校舎の後ろに家があるんですけれども、震災後に建てたんですけどね、ですから想定外という話をされるとすごい憤りを感じるというか、やることをやらないで想定外と一言で片付けられることじゃ無いんではないかと言うね。
「越流堤」というのは、堤防の一部を低くして水をあえて越流させて「調整池」という場所に水を “逃がす”ことで住宅街に水がいかないようにする仕組みなのですが、管轄する国土交通省・北上川下流河川事務所によれば「これは越流堤ではありません」とのこと。また「なぜ堤防の一部が低くなっていたかは今後、調査検証していく段階だが、低い部分も“計画通りの高さ”は保っていた」との回答でした。
※左奥のブルーシートがかかっている部分が、決壊した堤防
ただ、以前から町や住民は、国交省にその危険性を訴えていました。しかし対策は取られず今回の災害が起きてしまったことに、赤間区長、ときおり声を震わせ、
悔しさをにじませていました。
明日も大郷町からのレポートです。