2018年9月28日

浪江出身・原田功二さん3

福島県・浪江町を離れ、今年の春に茨城県つくば市で生活再建を始めた、原田功二さんのインタビュー、お伝えしてきました。


震災から7年。浪江町で営んでいたメガネ店をようやく再開した原田さん。実は、取材を受けていただくまでに、少し、時間がかかりました。
というのも最初、原田さんと奥様の葉子さんはメディアの取材に対して、ある不安を感じていたから、なんだそうです。その「不安」について、奥様の葉子さんはこう打ち明けてくれました。

◆ 知られたくなかった「福島から」
やっぱり当初の、放射能に対する周りの目とか、そういうのでどうしても嫌な思いをしたこともあって、どう思われるかなということを気にしちゃったり、まだ子どもが小さいときに、被災した方、避難している方の集まりに一緒にいったときに、(福島出身だと)言ったことで「避難した人なんだ、福島なんだと」と対応が変わった、よそよそしくなったりというのを聞いてしまって。「全然知らないところで生活するんだったら、周りには言わないでいたほうがいいんじゃないか」という言葉がひっかかって、戸惑って伏せてしまった。そのあとに、お店を始めるのをきっかけに、幼稚園のお友達がお祝いに来てくださって、そのときに父もお店に手伝いできてくれて、実はこういうわけで福島から避難してお店をつくばでやるとお話したら、「そうだったんだ」「応援するから」と。一気に自分の中で、自分が思っていたよりもすごくみんな暖かく応援する気持ちで見てくれるんだというのがすごく嬉しくて、仲良くしている幼稚園のママたち、家族でみんなで来てくれて、子どもと上で遊んだりしています。


今年9月現在、福島県から県外へ避難している人の数はおよそ3万3000人。その中には、やはり「身元を明かすことができない」ままの方もいるはずです。夫の功二さんも、 福島から避難している方に対して「偏見を持たずに接してほしい」と話しています。

2018年9月27日

浪江出身・原田功二さん2

引き続き、福島県・浪江町を離れ、今年の春に茨城県つくば市で生活再建を始めたばかりの、一人の男性に焦点を当てます。



原田功二さん(42)。
震災前は浪江町で、奥さんのご実家であるメガネ店に勤めていましたが、東京での避難生活などを経て、この春、茨城県つくば市に、新たなお店をオープンしました。お店の名前は「グラングラス」。つくば市はいま、大規模な再開発で新しい町ができて、ファミリー層も多いのですが、この、できたばかりのきれいな街で、原田さんは、ようやく新たな一歩を踏み出したばかりです。

◆葛藤の末、選んだ新天地
もともとは「株式会社原田時計店」という名前です。創業1925年。今の社長が三代目。浪江町では昔から地域に密着したお店でした。1925年で100年になるという話は震災前からしていて、なんとか100年やりたいという思いは残っていましたし、それで震災になったので、仕事のことも考えて働きやすいように都内のほうが良いのかなと、都内の都営住宅に4年ほど。そういった生活をしながらも自分の店をなんとかどこかで再開させないとな、という話は社長としていたんです。眼鏡が好きになのでこれ以外に職業はないかなと。ですので何かしら、引き継げたのかなとは思います。社長は県内を希望。もともとおお客さん、アフターケアも回れる場所で候補はあった。社長の代は良いが、私の代まで同じお客さんではいけない。県外でもありかなと考えて探したのが、新しい町になってきているつくば市。今開発中だという話を聞いて見に来たつくば市に一目惚れして社長に打診して話しました。本当にいろいろ葛藤はあったが、父もかなり快く受け入れてくれたというか。先々を見据えてそういう選択もありなのかなということで前向きに考えてもらえたのでそこは感謝している。


創業1925年「原田時計店」。もともとは時計のお店だったそうです。時代の流れの中で、時計だけでなくメガネなども扱うようになり、浪江町でずっと地域に根づいたご商売をされてきたといいます。

一方、メガネ店を新規で出店するためには、その土地に元々あるお店との兼ね合いも考えなければならず、なかなか、地元・福島県では手頃な物件は見つからなかったそう。そうした葛藤もあり、お店の再開には、結局7年の時間を費やすことになったと原田さんは話します。

つくば市にオープンした原田さんのお店「グラングラス」にはあと数年で創業100年を迎える「原田時計店」のエンブレムも飾られています。時計のお店だと勘違いするお客さんもいる、と原田さんは笑いながら話してくれました。
 
あしたは原田さんはじめ、福島から避難した人たちが抱える「悩み」です。

2018年9月26日

浪江出身・原田功二さん1

今朝は、福島県・浪江町を離れ、今年の春、茨城県つくば市で生活再建を始めたばかりの、一人の男性に焦点を当てます。


原田功二さん(42)。ご出身は千葉県ですが、東日本大震災当時は福島県・浪江町の住人として、地域に溶け込み、ごくあたりまえの日常を送っていました。千葉県の大学に通っていた原田さんは、「就職難でどうしようかなと思った時に、妻の実家に行くのも悪くないな思ったんです。腕を磨いて、手に職をつけてと考えてメガネの専門学校を経て妻の実家のほうにお世話になった感じです。」と話します。そして原田さんは25歳で浪江に移住。奥さんのご実家である浪江の眼鏡店で働いていました。

そして、浪江といえば、番組でも紹介したご当地グルメ「なみえ焼きそば」の町。最初は奥さん以外に知っている人もいない土地でしたが、原田さんもいつしか町に馴染み、なみえ焼きそばの町おこし団体で地域活性に関わるようになっていたそうです。

そんな中で起きたのが、東日本大震災、そしてあの原発事故でした。
原田さんを始め、なみえ焼きそばのメンバーは、全国に避難した浪江の人たちのために、活動をスタート。各地の復興イベントやグルメイベントに、手弁当で参加し続けました。

◆なみえ焼きそばがつないだ絆
もともと商工会青年部の人たち、浪江焼麺太国(※なみえ焼きそばの町おこし団体)メンバーがみんな自営業だったりしたので、すぐさまお店を再開できる方がほとんどいなかったんですね。でも町おこしをやっていた仲間なので何かしら町に何かしたいと言う気持ちはもちろん強かったのでそこからですね。僕らがなみえ焼きそばのことを仲間と話す中で、町の人たちを勇気づけられないかと、自然と私が事務局のような役割をし始めて。各地に避難している方がいたのを知っていたので、なみえ焼きそばと言う言葉が世に広まって、避難している方たちの元気につながればと活動の輪を広げていった。できることをやっただけですね。でも、町民の方に元気を与えるというか逆に、その活動が仲間と会う大切な時間でもあって、そこでこれからのことを話すことができて、それが精神的な安定にもつながっていたのかなと思います。


こうした活動が、多くの人に伝わった結果、なみえ焼きそばは、2013年にB1グランプリで優勝を果たしました。
「なみえ」という名前が、明るい話題とともに全国に広まったこのニュース、覚えている方も多いハズ。

ただ、その一方で、原田さんご自身の「生活再建」はなかなか進まなかったと言います。この続きは明日のこの時間にお伝えします。

2018年9月25日

南三陸 里山×里海サイクリング『みなチャリ!』について?

今日は引き続き、宮城県南三陸町の新しいアクティビティ、自転車で町内を巡るガイドツアー、「南三陸 里山×里海サイクリング『みなチャリ!』」について。今年の5月にスタートしたこの「みなチャリ」、南三陸町のきれいな景色や、町の復興の様子を自転車で巡りながら見学、道中、地域に暮らす方の家に立ち寄って休憩・・・お茶っこを楽しむ、というものです。

今は2つのコースを設けているということなんですが、その内容について、「みなチャリ」を手掛ける南三陸町観光協会の佐藤慶治さんに伺いました。


◆南三陸町観光協会「みなチャリ」担当 佐藤慶治さん

中西)じっさいに二つコースあるということなんですけど、
佐藤)いま来てる志津川コース、海の方のコースは、メインは海岸沿いを走るんですけど、町なかの新しく復興した商店街ですとか、住民の方々が新しく移転した集団移転の場所とか回りますので、海岸沿いの景色を見つつ、震災からの復興の足跡というものも感じられるコースになっています。
中西)もう一つは?
佐藤)もう一つは志津川地区よりももっと山側の入谷・里山地区を走るんですけど、そちらはもうガラッと変わって、のどかな田園風景、これから10月末にかけては刈られる直前まで黄金色の田んぼの中を走りながら、その中で脈々と受け継がれている何百年と続く伝統ですとか、里山のほっこりした空気を味わえるコースになっています。
中西)今後はどうですか?将来的に考えていることはありますか?
佐藤)なんとなく考えていたのは、道沿いとかにいろんな水産加工の会社とか有りますので、工場見学とかも出来ればいいなと思いながら・・・
中西)いいですね。ほんとに美しい風景ですし、心も体も洗われるような感覚になりますから、是非とも来て頂きたいですね。
佐藤)はい是非多くの方にこの魅力を知って欲しいと思います。




里山、田園風景が広がる入谷地区を巡る、「The Satoyama Slow Life」と、かさ上げした土地で営業を再開した「さんさん商店街」や、再オープンした海水浴場など、志津川地区の「復興」を象徴するようなコース、「The Sprit of Resilience」、2つのコースが、10月末まで楽しめます。(冬季は休みで来年4月に再開予定)
       
じっさいに参加される方の中には、「ツールド東北」でこの地を走ったことがある方も多く、今年6回目を迎えた「ツールド東北」で芽生えた自転車文化が南三陸町でも根付きつつあると、佐藤さんも感じているのだそうです。

「みなチャリ」は要予約。空き状況の確認や予約は「予約サイトみなたび」にて受付中。南三陸観光協会の「みなチャリ」のサイトとともにリンクを貼っています。自転車もヘルメットもレンタルしていますので、手ぶらでOK。これから秋は最高のシーズンですので、ぜひ参加してみてください。


南三陸町観光協会「みなチャリ」のページ

「みなチャリ」申し込みページ「みなたび」

2018年9月24日

南三陸 里山×里海サイクリング『みなチャリ!』について?

宮城県南三陸町では、新しいアクティビティ、自転車で町内を巡るガイドツアーの「南三陸 里山×里海サイクリング『みなチャリ!』」が、今年の5月にスタートしました。南三陸町のきれいな景色や、町の復興の様子を自転車で巡りながら見学、道中、地域に暮らす一般の方の家に立ち寄って休憩、“お茶っこ”を楽しむ、という内容のガイドツアーです。

南三陸町観光協会の、佐藤慶治さんに、まずは「みなチャリ」立ち上げの経緯などを伺いました。


◆南三陸町観光協会「みなチャリ」担当 佐藤慶治さん

佐藤)これ自体は、震災から時間が経ちまして町の中の方でも観光拠点ですとか出来たんですけど、結局レンタカーや自家用車、高速バスとかの公共交通機関で来る方が多くを占めていまして、車を持ってる方ですと目的地まで一直線に行ってしまう、バスとかで来る方だと駅周辺でしか動けない。もう少しその方々に足を提供できないかというところから始まりまして、ただレンタルサイクルはもうやってる、それ以外で、じゃガイド付けて町なかを案内するプランはどうだ?っていうところで、この「みなチャリ」は動き出しまして、でもただ単に沿岸部をガイドさせるとか、一緒に海鮮丼食べに行く、だと、ほかの近隣市町村とかぶってしまう、それを回避するために、そうじゃない場所に連れて行こうというところで、今回の「みなチャリ」は、休憩所として、コース沿いの民家にお邪魔するというのを立てました。

中西)(笑)ものすごく斬新だと思うんですけど、逆に住民の皆さん大丈夫なんですか?

佐藤)もうほんと皆さんウキウキとして“いつ来るの?”みたいな・・・(笑)・・・僕らも最初、懸念してたというか、なんかそのずかずか入り込んでいっていいのかな・・・って思ったときに、何回かやったあとに話を聞いたら、いろんな所から人が来てくれる、面白いし、あと来た方が道中の景色とか、自分の生業とか、それをすごく肯定してくれる。“自分たちがここで生きている意味というか、喜びというものに繋がってるかもしれないよ”って言われて、すごく安心したというか、じゃあもっともっと人を連れてきたいなっていうふうにはなりましたね。




市街地の整備が少しずつ進み、新しい商店街も、今年、来場者が100万人を越えるなど、観光などの交流人口がかなり増えてきた南三陸町。今回、佐藤さんにお話を伺った海水浴場、「サンオーレ袖浜」も、夏にはかなりの人出でにぎわったといいます。そんな中、今年から立ち上がった「みなチャリ」。自転車を使ったガイドツアーはほかの地域でもありますが、“一般の民家にお邪魔してお茶っこする”のは聞いたことがありません。佐藤さんによると、民家にお邪魔して、牡蠣とかムール貝とかの手料理や、自家製のお漬物なんかを頂きながら“お茶っこする”んだそうです。旅人もふだん味わえない体験になるし、受け入れる方もそれが楽しみになっているというか、生きがいにさえなっているのかもしれません。

『LOVE & HOPE』、明日も「みなチャリ」のお話し。明日は2つあるコースの内容などについて、お届けします。


南三陸町観光協会「みなチャリ」のページ

「みなチャリ」申し込みページ「みなたび」

2018年9月21日

危機管理のプロ・自衛隊のノウハウを詰め込んだ「自衛隊防災BOOK」について?


危機管理のプロ・自衛隊のノウハウを詰め込んだ本「自衛隊防災BOOK」。人命救助はもちろん、水や食料の確保、緊急措置など、災害時に役立つテクニックやアイデアが収められています。備えておくと便利なものの一例を、防衛省 陸上幕僚幹部 募集広報係長の林田賢明さんに伺いました。。


◆林田賢明さん/備えておくと便利なものについて
「たとえば今回の北海道の地震においても、夜中に起きました、且つ停電もしていたということで、灯りをとるということがひじょうに大事だと。なのでとある食品を使ってローソク代わりにする方法や、もしくはふつうのライトってなかなか周りを明るくは出来ないと思うんですけど、これ懐中電灯にビニール袋をかぶせることによって光が乱反射をしてランタンのように周りを照らすというのも紹介したりしています。でこれから季節も秋冬とだんだん寒くなってきます。我々もやっている防寒術ですとか、本当に簡単なものを使って寒さをしのぐ方法も紹介しています。たとえばコンビニとかで売っているビニールカッパ。あれを服の中に着こんで上から服を着る。するとサウナスーツのような効果でひじょうに暖かい。ずっと待ってなきゃいけないですとかそういう時にひじょうに便利な知恵になると思います。」



コンビニのカッパがサウナスーツに。動くときは逆に暑くなるので、避難所とかで寒さをしのぐときに活用して欲しいということでした。そして北海道の地震では停電が多くの人を苦しめました。灯りをとる方法として、ツナ缶などの缶詰をローソクにする方法や、懐中電灯にコンビニの白いビニール袋をかぶせてランタンにする方法が紹介されています。

豪雨の被害に、台風、地震と、立て続けに災害が起こる昨今、あらためてこころがけておくことについて、林田さんからのメッセージです。


◆林田賢明さん
「やはり災害というものはいつ起こるかわからないというものもありますので、やはり皆さんが一人一人、“こういう場合にどうしたらいいか”というものを備えて頂くというのが非常に大切かと思います。でもし仮にそういう災害が起きた場合は、我々自衛隊もしっかりと災害派遣活動を実施いたします。その中でやはり、自らを守るという気持ちも大事だと思いますので、日ごろからの備えというものをやって頂ければと思います。その備えのために、たとえば「自衛隊ライフハックチャンネル」であったり、この「自衛隊防災BOOK」が備えの助けになればというふうに思っております。」



「自衛隊ライフハックチャンネル」、そして「自衛隊防災BOOK」、災害に対する心構えとして、ぜひチェックをしてみてください。

「自衛隊ライフハックチャンネル」



2018年9月20日

危機管理のプロ・自衛隊のノウハウを詰め込んだ「自衛隊防災BOOK」について?


危機管理のプロ・自衛隊のノウハウを詰め込んだ本「自衛隊防災BOOK」。人命救助はもちろん、水や食料の確保、緊急措置など、災害時に役立つテクニックやアイデアが収められています。防衛省 陸上幕僚幹部 募集広報係長で3等陸佐の林田賢明さんに、発災時と被災時のために知っておきたいことを伺いました。


◆林田賢明さん/発災時と被災時について
「発災時なんですけどまずはやっぱり落ち着いて行動することがいちばん大事かと思っています。でさらにたとえばいろんな場面ですね、電車に乗っていたり、車を運転中だったり、あと料理をしている段階ですとか、いろんな場面が想定されますので、そこでどういうふうに行動するか。電車は何か起きた場合、必ず急停車をします。その際にたとえばカバンを置く位置ですね。どこに置けば、人がバーッと倒れてきたときにクッション代わりになるですとか、どういう場所に立っていれば座っていれば、進行方向に対して自分の身を守ることが出来るのか。あと車の場合はまず停車するというのがいちばん。たとえば道路がいきなり陥没ということも考えられるのですが、まずはハザードを点けて路側帯に寄せてっていうのがいちばん重要になってくるかと思います。で被災時なんですけどいろんな状況があると思います。たとえば自分がケガをしてしまったときですとか、倒れている人をどうやって運べばいいか、とか。自分がケガをしたときの処置に関しては、われわれ自衛官の中でも多くの人が手拭いをたくさん持ってます。いま私も持ってますけど、なぜかというと、ケガをしたときの処置にも使えますし、ヒモに使えたりいろんな用途があるので、ハンカチよりも手拭い持ってる方の方が多いですというのを紹介したりしてます。」



落ち着いて行動することは難しいことではありますが、林田さんは、“対処法などいろんな知識を身につけていれば、それが落ち着いて行動することに結びつく”、とも言います。

そのほか「自衛隊防災BOOK」では、発災時に子供や高齢者と避難する方法や、水害の時にシャツを浮き輪代わりにする方法、一人で自分よりも体重の思いケガ人を運ぶ方法などが具体的に紹介されています。(ちなみに自衛隊のアイデアとして、いまの時期、被害が急増する、ススメバチの対処法なども掲載されています。)

『LOVE & HOPE』、明日も「自衛隊防災BOOK」についてお届けします。

「自衛隊ライフハックチャンネル」

2018年9月19日

危機管理のプロ・自衛隊のノウハウを詰め込んだ「自衛隊防災BOOK」について

危機管理のプロ・自衛隊のノウハウを詰め込んだ本「自衛隊防災BOOK」。人命救助はもちろん、水や食料の確保、緊急措置など、災害時に役立つテクニックやアイデアが収められています。防衛省 陸上幕僚幹部 募集広報係長で3等陸佐の林田賢明さんに、発刊の経緯について伺いました。


◆林田賢明さん/発刊の経緯について
「もともと自衛官募集動画の一環として「自衛隊ライフハックチャンネル」というものを立ち上げております。自衛隊に伝わるいろいろなノウハウを皆様の生活に役立てるということで1分くらいの動画で分かり易く紹介しているんですけど、そこでこれはもっと皆さんに知ってもらいたいというところから、この「自衛隊防災BOOK」が生まれたというかたちになります。実際に救助活動で使っているようなノウハウももちろんありますし、「備え」ですね。起きる前の「備え」に関するノウハウというものも含まれてると。でさらに実際に起きてしまったときにどういうふうに対処するかということについても入ってる内容ですね。」



日頃こころがけておくべき「備え」から、災害時に役立つテクニックやアイデアの【発災時編】と【被災時編】、役に立つ防災アイテムについて、などがテーマ別に書かれている「自衛隊防災BOOK」。そのうち、“日ごろ心がけておくべき「備え」”とは、どんなことなんでしょうか?


◆林田賢明さん/日頃備えておくもの
「日頃の備えについてなんですけど、まずやっぱり“いつ起こるかわからない”、“自分にも起きる”という意識を持つのがひじょうに大切だというふうに思っています。そのうえでこの本でも紹介しているようなモノであったり行動であったり、備えておくっていうのが大事だと感じております。たとえば北海道の地震について、深夜に起きたということで、まわりも暗い。なのでライトですとか灯りがとれるものであったり、身動きが取れなくなってしまった場合に自分の位置を知らせるために音の出るもの、たとえば笛ですとか、あとは瓦礫とかが危ないのでスリッパですとか上靴ですね。外に出れるものを準備しておくっていうのも大切です。あとは非常食に甘いスイーツの缶詰があるんですけど、そういうのを準備しておくとちょっと気持ち的に楽になるというかですね、気持ちが安定する効果もあると思いますし、糖分がたくさんあるのでエネルギーにかわるというのがあるので、準備しておくといいかなと思いますね。」


「自衛隊ライフハックチャンネル」

いつ起こるかわからない、自分にも起こる、という意識。これは北海道の地震や西日本豪雨でも思い知らされたことです。停電した時のためのライトや、自分の位置を知らせるための笛、あとスリッパなどの上靴は、出来れば枕元や手の届く場所に置いておくことも重要ということでした。非常食の中に甘い缶詰をという提案。これはいざという時には心が休まるかもしれません。

『LOVE & HOPE』、明日も「自衛隊防災BOOK」についてお届けします。


2018年9月18日

3649人が被災地を駆ける!「ツール・ド・東北2018」?

2013年に始まり、今回で6回目を数える「ツール・ド・東北」。風光明媚な宮城県沿岸部を自転車で巡りながら、被災地の「いま」を感じ、なおかつ東北の美味しいものも味わえるサイクルイベントです。毎年、中西さんは「東北応援大使」としてこのイベントに参加をさせて頂いていますが、今年は新たに新設されたコースの一つ、距離50キロの「南三陸ワンウェイフォンド」に参加しました。



このイベントの大きな魅力の一つは、ご当地の美味しいものを地元の皆さんが振る舞ってくださること。今回の中西さんが参加したフォンドには、南三陸町の「神割崎」と、石巻市の「白浜海水浴場」、2カ所のエイドステーションがあり、南三陸町では名物の「タコ」を使った「タコカレー」(ホヤのトッピング付き)、そして北上では「ウニめかぶごはん」が振る舞われました




年々コースも増えて、今や全国、海外からも多くの人が参加するほど、メジャーなサイクルイベントに成長しましたが、主催団体の一つ、河北新報社の鈴木紳一さんに、「ツールド東北」が地元に与えている影響などについて、お話しを伺いました。


◆河北新報社の鈴木紳一さん

鈴木)まず一つは「ツールド東北」きっかけにライダーの方がひじょうに増えているのは間違いない。
   で、今回、仙台発のグループライドで言えば、じつは震災後から、伊達政宗が造った貞山川沿いに、
   自転車専用の整備が始まってまして、この一部区間を今回初めて走ったということで、
   ひじょうに快適な空間が出来ましたので、
   そういう意味でも自転車文化は広がっているんだなというふうに思ってます。
な)ふだん大会が無くても自転車、沿岸部をいろんな風光明媚なところを走っていこうという方も増えているのでは?
す)じつは7月30日に仙台駅から女川までJRさんのほうで車両にそのまま自転車を積み込んでやる
  サイクルトレインっていうのを東北で初めて実施しまして、加速度的に広がりが出てるなと思います。
な)今後、考えていらっしゃることは?
す)「3県拡大」という目標をじつは当初から掲げておりまして、3県というのは宮城県と北の岩手県、南の福島県。
  今回6回目ですけど、4年のうちには岩手から石巻を目指す、福島から石巻を目指すというコースもですね、
  そういう意味で言いますと今回仙台まで延ばしましたのでさらに南へ、あと気仙沼からさらに北へという部分は
  ちょっと検討したいと思ってます。


被災3県に拡大した「ツールド東北」の実現、これは待ち遠しい目標です。
『LOVE & HOPE』では引き続き、この「ツール・ド・東北」の情報をお伝えしてまいります。



2018年9月17日

3649人が被災地を駆ける!「ツール・ド・東北2018」

2013年に始まり、今回で6回目を数える「ツール・ド・東北」。風光明媚な宮城県沿岸部を自転車で巡りながら、被災地の「いま」を感じ、なおかつ東北の美味しいものも味わえるサイクルイベントです。毎年、中西さんは「東北応援大使」としてこのイベントに参加をさせて頂いていますが、今年は新たに新設されたコースの一つ、距離50キロの「南三陸ワンウェイフォンド」に参加しました。




最長200キロを超えるコースがある中で、距離50キロの「南三陸ワンウェイフォンド」は短い部類。とはいえ上っては下り上がっては下がりを繰り返す海岸線特有の厳しいコースに変わりはなく、さすがの中西さんも息を切らしながら駆けていました。



年々コースも増えて、今や全国、海外からも多くの人が参加するほど、メジャーなサイクルイベントに成長しましたが、主催の河北新報社、鈴木紳一さんに、今回6回目の開催を迎えるにあたり、お話しを伺いました。


◆河北新報の鈴木紳一さん
中西)6回目となりますけど、今回新しく仙台からもスタートできるコースも新設されたんですよね?
鈴木)仙台発グループライド&クルージングということで、松島湾のところは遊覧船を貸し切りまして、
   自転車を積んで頂いて、その後また走るという、少し観光的な要素を盛り込んだ新コースを開設しました。
中西)そして僕が今回走らして頂くのは南三陸スタートということでゴールはこの石巻なんですけど、
   このコースも新しいコースなんですよね?
鈴木)はい、南三陸の場合、今までもコースの沿線の自治体ではあったんですけど、もうちょっと南三陸にも、
   人が滞在して頂きたいということで、宿泊して頂いて、翌日、石巻のゴールを目指して頂くということで、
   ワンウェイのコースを新設させて頂きました。2つほどツールド東北には意義がありまして、
   開催当時から震災の復興支援ということで進めてきましたけど、3回目くらいから地元の観光振興だったり、
   地方創生だったりにつながるような魅力を付けながらのコースをプラスしていくということで
   取り組んできてまして、今回ぜんぶ足すと9コースほど。
   それぞれに観光的な要素は盛り込めてるかなと思っております。



2013年の第一回目は、3コース/約1316人の参加だったのが、第6回目の今回は、9コース/約3649人が参加という、大きく成長した「ツールド東北」。もう一つの楽しみが、地元の美味しいものを振る舞うエイドステーションです。中西さんが参加した「南三陸ワンウェイフォンド」では、神割崎と北上の2カ所のエイドステーションがありました。

神割崎では、志津川の名物、「タコ」をトッピングしたカレーが振る舞われました。しかも「茹でホヤ」まで乗っかっています。



一方北上では、しそ味ひじきに梅ちりめんがかかったごはんに、刻んだめかぶとウニがセットになった、ウニめかぶごはんが提供されました。どちらもまあ美味しい!これは人気のイベントになるはずです。

当初10年継続を目指して始まった「ツール・ド・東北」。今後はどんな目標を見据えているのか?明日も鈴木さんのインタビューは続きます。

2018年9月14日

避難所初動運営キット

西日本豪雨や、北海道胆振地方の地震など、被害が大きかった災害では今も多くの方が避難生活を余儀なくされています。
今朝はこうした災害の発生に備えて、避難所の開設と初期の運営に必要な最低限の道具をまとめた防災セットをご紹介します。これは、熊本地震での「これが困った!」という声を元に、熊本大学の准教授が開発しました。
その名も「避難所初動運営キット」。
TOKYO FMアナウンサーで、防災士の、古賀涼子さんに聞きました。

◆避難所初動運営キット
「避難所初動運営キット」は避難所の開設と初期の運営にまず必要な道具25点がワンセットになっています。大地震直後の混乱に備えて、町内会など自分たちで避難所の開設の用意をする意識を持つのはとても大切です。では実際に避難所初動キットの中身、見てみましょう。

例えば、案内標識。熊本地震の避難所では「女性更衣室」や「授乳室」など配慮が必要なスペースを確保するのに時間がかかったケースも多くありました。これを受けて、運営キットには「男性更衣室」や「女性更衣室」「授乳室」など20枚の標識がセットされていて、避難所に求められる最低限の間取りを
整えることができます。つづいて、電源タップ。これは避難所で「コンセントの奪いあいになった」という声を受けたものです。この他、避難所運営者を示すための「腕章」など、避難所の運営に欠かすことのできないアイテムがひとつにまとめられています。

この「避難所初動運営キット」を開発した防災教育が専門の 熊本大学 竹内裕希子准教授は被災者同士が助け合う「共助」の意識を持つことについてこう語っています。
「避難所生活の中で積極的に運営者になるだけが「共助」ではなくて、その秩序を守るということが共助に参加していくことになります。お互いを思いやる気持ち、そして自分が出来ることを見つけて運営に参加されていくのが、避難所生活をする中で非常に重要なことになります。」
災害への備えというと、自分の身のまわりの備えがまず思いつきますが、「共助=共に助け合うため」に何が必要なのか、この機会に考えたいですね。


避難所というと、市区町村が運営する大きな避難所をイメージしますが、道路の寸断でたどり着けない場合は、町内や集落ごとに助け合って集会所などが緊急の避難所になることもあり得えます。そんなときに、このキットがあればすぐに避難所開設ができます。

詳しくは、熊本大学のくまもと水循環・減災研究教育センターのサイトから見ることができます。

2018年9月13日

女性視点の防災BOOK「東京くらし防災」

?東京に大地震が来る”・・・その日に備えて東京都が発行している冊子『東京くらし防災』をご紹介します。
この本で伝えているのは、いつもの暮らしの中でできる防災です。注目したいのは、女性視点の防災BOOKであるということ。26歳、東京一人暮らしの女性が主人公となって、防災をはじめる姿がイラストで描かれています。

TOKYO FMアナウンサーで、防災士の、古賀涼子さんに聞きました。

◆東京くらし防災
ピンクの表紙に可愛い女性4人のイラストが描かれた「東京くらし防災」。巻頭特集は「いますぐできる!15のこと」。例えば、『生理用品はもう1周期分買っておく』とか、『ママバッグは使った分だけ足しておく』と言った、女性ならではの項目が盛り込まれているのが特徴です。このほか、普段から備えておくべきこと、災害が起きた時にどう行動すべきか、被災した後はどう暮らすかなど、B6版162ページにぎゅっとまとめられています。

でも、そもそも『東京防災』があるのに、どうして「東京くらし防災」を改めて作ったのか。東京都に聞いたところ、過去の災害では、例えば着替えや授乳など女性に対して、より細やかな配慮の大切さが浮き彫りになったこと。そして、防災の取り組みや活動となるとどうしても男性が中心になりがちとなってしまうため、女性リーダーをもっと育てていきたいこと。これらがあって、作成したと言うことでした。

いま、私の手元にこの「東京くらし防災」があるんですが、女性目線で何をどう用意しておけばいいのか具体的に書かれているので、イメージしやすいんです!
例えば、非常袋については、
・鏡
・生理用品
・防犯ブザー
・化粧水や保湿クリーム
・自分の好きなアロマオイル などが挙げられています。
このほか、子供や高齢者向けアレンジ例も載っていて、家族の分の準備の参考にもなります。


『東京くらし防災』、被災者の体験談も載っていて、それらをヒントに、避難時に安全安心に生活する知恵と情報が載っています。例えば、「避難所での防犯」という項目では「複数人で行動し身を守る」「死角になる場所にはできるだけ近づかない」「着替えや洗濯干しは専用スペースで」など、女性視点の防犯が体験談と共に載っています。

この「東京くらし防災」は全ページ、東京都のHPから無料でダウンロードすることができます。とくに女性の方におススメしたい防災ハンドBOOKをご紹介しました。

東京くらし防災サイト

2018年9月12日

運転中に地震が起きたら

9月は3連休が2回あったり、秋の行楽シーズンもあることで普段よりドライブする機会が増える方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、すべてのドライバーの方に改めて覚えておいて欲しい、<運転中の地震への対応>をご紹介します。

運転中に大きな揺れを感じたら、あなたはどう行動しますか?TOKYO FMアナウンサーで、防災士の、古賀涼子さんに聞きました。

◆運転中に地震が起きたら
運転中に地震が起きたら・・・思わずブレーキを踏んでしまいそうですが、急にスピードを落とすと衝突の危険があります。一般道・高速道路問わず、運転中に大きな揺れを感じたら、まずはハザードランプをつけて、ゆっくりスピードを落とし、車を道路の左側に止めて下さい。そして、揺れが収まるまで待機してラジオなどで情報収集しましょう。

揺れが収まった後は、可能であれば駐車場や空き地などに移動します。大通りは緊急車両=救急車や消防車などが通行するために空けておく必要があるからです。

一方、地震が起きた時にトンネルの中や橋の上を車で走っていたら、対応は異なります。速度は落としながらも、通り抜けてください。トンネルは崩落すると閉じ込められることがあるほか、火災が発生すると逃げ場がなくなります。また橋も、倒壊したり振り落とされたりすることが考えられます。ただ、トンネルや橋の長さや渋滞によって通り抜けるのが難しい場合は無理をせず、左側に車を停めたら、すぐに近くの非常口などから避難しましょう。

なお、地震の後、車を置いて避難する場合は、鍵は付けたままで、ドアはロックせず、車の中に自分の連絡先のメモを残し、貴重品や車検証を持って、車から離れるようにしてください。鍵を付けたままでドアをロックしないのは、緊急車両が通行できるよう車を移動させることがあるため。連絡先を残すのは、スムーズに車を返してもらうためです。

車に乗っている時の地震、あらかじめイメージしておかないとなかなかその瞬間の行動につながりません。ここでこの瞬間に地震が起きたら・・・と、是非リアルに考えてみて下さい。


運転中、地震の揺れを感じたら、それだけでパニックになってしまう方もいると思います。そんな時のために、こうして事前に頭に入れておくこと、イメージしておくと、落ち着いて行動ができます。いざという時の避難行動、メモして車の中に入れておくのも良いかもしれません。

2018年9月11日

ウェザーニューズ特設サイト「大地震の発生率」

最大震度7を観測した北海道胆振地方の地震。今後30年以内に震度6強以上の揺れに襲われる確率を示した「全国地震動予測地図」では、今回震度7を記録した厚真町は、2.4%。震度6強を記録した安平町は、0.6%と、その確率は高くありませんでした。気象庁は、未知の活断層が動いた可能性もあると発表しています。

そんな中、実際にあなたが暮らす街では今後どのくらいの確率で大地震が発生するのか気になる方も多いのではないでしょうか。今朝はピンポイントで分かる特設サイトをご紹介します。TOKYO FMアナウンサーで、防災士の、古賀涼子さんに聞きました。

◆大地震の発生率 特設サイト
「大地震の発生率」が分かる特設サイトをご紹介します。このサイトは、株式会社ウェザーニューズが今年3月に始めたもので、今あなたがいる場所で今後30年以内に 震度6強以上の大地震が発生する確率が分かります。それも、サイトにアクセスした瞬間に画面に表示されるんです!仕組みがどうなっているかと言うと・・・国立研究開発法人「防災科学技術研究所」による「確率論的地震動予測地図」と言うものにGPS機能を組み合わせています。だから、その場所での地震の確率が瞬時に分かるんです。
例えば、TOKYO FMがある半蔵門でこのサイトをクリックすると、周辺の地図とともに「大地震の発生率 高い、18・8%」という結果が出ます。地図は、大地震が発生する確率に応じて5段階に色分けされていて、確率の高いエリアほど、オレンジや赤で表示されます。半蔵門は・・・真っ赤です!
この色分けは、250メートル四方の高解像度データを元にされているので、かなりピンポイントでの確認ができます。また、GPSを使用せず、市区町村のリストから調べることもできます。
この機会に、自分の住む街や職場のある地域の地震発生の確率をチェックしてはいかがでしょうか。そして是非、防災への意識を高めて、いざという時の備えを少しでも進めてください。特設サイトは、「ウェザーニューズ 大地震の発生率」と検索すると出てきます。


ウェザーニューズの「大地震の発生率」が分かる特設サイトをご紹介しました。
ただ、今回の北海道胆振地方が、発生の確率が低かったように、この数字を見て数字が低いからといって油断はできません。地下に隠れていて、まだ見つかっていない活断層もあるとされています。

震災の教訓を次に繋げるためにも、日頃からの備えが重要です。ぜひこの機会に、自分の住む街や職場などで地震の備えが十分か、見直してほしいと思います。

「大地震の発生率」特設サイト

2018年9月10日

北海道地震 厚真町の今

今朝は北海道胆振地方の地震で、もっとも被害の大きかった厚真町に現地入りしている 国内外の大規模災害を支援するプロフェッショナルチーム、公益社団法人CIVIC Force 事務局長 根木佳織さんに電話をつなぎました。

Civic Force と NPO 法人アジアパシフィックアライアンス・ジャパン(A-PADジャパン)は6日朝、医師・看護師を含むレスキューチームを専用航空機で震源地の厚真町へ派遣し、発災から3日間被害状況の調査や救命活動などを行ってきました。そして現在は、厚真町で、“今後の支援活動の調査” にあたっています。

Q:現地では具体的に<支援のニーズ>というのはどのようなものがありますか。

電気は復旧しましたが、深刻なのは水で、水道が町内で100%戻るのは3ヶ月かかると言われています。避難所では自衛隊のお風呂がはじまっているのですが、2週間と期間が限定されているのと、数も足りている状態ではありません。近隣の温浴施設への送迎サービスや、洗濯のサービスもしていく必要があると思っています。

Q:今後、避難が長期化していく中で、懸念されることはありますか?

まだ余震が続いていて、昨夜も震度4の地震があったのですが、避難所にも夜が不安で寝に来る方も多い状況です。ただ今後余震が減っていくとだんだん避難所も人が減っていくことが予想されます。一方で独居の高齢者の方とかご自宅が被災して再建に時間がかかる方など、仮設住宅ができるまで長く避難所で過ごさなければならない方もおられます。とくに高齢者のケアをしていく必要があると思っています。

Q:そういったことに対して、これまでの災害支援の経験が生かされることもあるのですか?

そうですね。私どもみたいな支援の経験があるものとしては、具体的に今のうちからプライベートが守れる空間作りや、高齢者の方が寝起きが少しでも楽なベッドの導入、少しでも身体を動かしてもらえるような運動できるスペースづくりなど、どんどん提案していきたいと思います。

シビックフォース 事務局長 根木佳織さんに伺いました。

これだけ多くの自然災害が続いていくと「自分のところでは何もない」では済まされません。自分に出来ること、取り組まれることをやっていただきたいと思います。

公益社団法人Civic Force 活動の様子はコチラからご覧になれます。

2018年9月6日

北海道で震度6強の地震

9月6日午前3時8分頃、北海道・胆振地方中東部で、震度6強の大きな地震が発生しました。

今朝は、予定していた内容を変更して、地震に関する情報をお伝えしました。

2018年9月5日

防災士・柳原志保さん 防災の心構え

防災士、柳原志保さんによる「防災・減災のヒント」。柳原さんは、東日本大震災と熊本地震で被災し、その経験から防災士の資格を取得。2人のお子さんを育てる、シングルマザーでもあります。時には音楽も交えながら、「防災を楽しく学ぶためのワークショップ」を行い、「歌うママ防災士」として活動しています。

そんな柳原さんが、「防災・減災」のモットーとしている言葉があります。
それが、「もしもに備える、いつも」です。     
       
◆もしもに備える、いつも
被災するととても不安になり、不自由な生活を強いられます。でも普段の生活のなかで、メンタル力を強くするようなことをしていると災害という大きな壁も乗り越えられる、強い精神力が生まれます。これが「もしもに備えるいつも」。普段のいつも。例えば自分でできることは自分でする。自分からいろいろな人とコミュニケーションをとる、挨拶をする。お片付けをする。規則正しい生活をする。工夫やチャンレジを大切にする。など普段の生活をちょっと意識するだけでも、強い精神力が生まれると思います。もし被災したらどうしようと不安になるのではなく、被災したときにもそれを乗り越えられる強い精神力を持つ人になってほしい。

東日本大震災のときにはシングルマザーであったこともあり、防災について忙しくてなにもしていませんでした。正直、興味もなく。誰かがやってくれるとどこかで甘えていました。だから避難所生活の中でもバッグにはなにも入っていなくて。あのとき雪が降っていて、「ママ寒いよ」と子どもに言われても、ただ背中をさすることしかできませんでした。親としてすごく反省したんです。でも、熊本地震のときは自分でできる備えをやっていたので、子どもにしっかりと向き合えて。そのわたしの気持ちが子どもに伝わって、子どもも落ち着いていました。やはり大人や親が「備える」ことが、大切な家族を守ることにつながるんだなということを、2度の被災を経験して感じました。


防災士、柳原志保さんによる防災、減災のヒント。「もしもに備えるいつも」。
メンタル力も備蓄も災害への日ごろの心構えが、“もしも”の時、強い味方になります。

柳原志保さんによる防災のヒントや活動は、柳原さんのFacebookでもチェックするができます。

2018年9月4日

防災士・柳原志保さん 防災リュック編

今日も「防災・減災」がテーマです。
「防災・減災」のヒントを教えてくれるのは、“歌うママ防災士”柳原志保さんです。

柳原さんは、東日本大震災と熊本地震、2つの災害で被災しました。その経験から、防災について学び、防災士の資格を取得。いま全国各地で、楽しく防災を学ぶためのワークショップや講演活動を行っています。

今日は「非常持ち出し用袋」、いわゆる「防災リュック」についてのアドバイスです。

◆防災リュックには、心がほっとするものを
非常持ち出し用袋に入れておくもの。なかなか避難所生活がイメージできないと思いますが、キャンプに持っていくものをイメージしてほしい。キャンプだからワクワクするもの、好きなものもあるといいと思います。災害は日常から非日常にがらっと生活がかわります。普段生活している中で、心がほっとするもの、好きだったものがリュックの中に入っていると、こころが落ち着きます。
防災リュックに備蓄する食材としては普段食べないものよりは、普段よく食べているものの方が心が落ち着きます。乾パンやアルファ米は普段あまり食べないので、わたしなら普段食べているパスタやフルーツ缶、トマトのホール缶など、子どもが好きなもの、普段食べているものを常にローリングストック法でリュックに詰めています。わたしの場合普段コーヒーを飲んでいるので、コーヒーも入れています。
またツナ缶の後ろに穴を開けて、ティッシュをこよりにして挿すと、ティッシュに油がしみて即席のランプになったりします。あるいは新聞紙は火をおこすだけでなく、スリッパを作ったりお皿を作ったりすることもできます。身近にあるものを工夫して知恵を絞って楽しく過ごす、ということも大事。なかなか日常忙しい中で、いざというときの想像することは難しい。普段の生活の延長線上に防災に繋がる入口がいっぱいあるので、それに気づいていただけたらと思います。


防災リュックに入れておく食材は「普段食べないものではなく、いつも食べているものを入れておく」。また、「ローリングストック法」・・・普段から少し多めに買っておき、使った分だけ新しく買い足して、防災リュックに。

「心がほっとするもの、ワクワクするものを入れておく」お子さんなら、ゲームや漫画、トランプなどもおすすめだそう。非常時のストレスを軽減してくれる、とのこと。

明日も柳原志保さんのお話です。

柳原志保さんによる防災のヒントや活動は、柳原さんのFacebookでもチェックするができます。

2018年9月3日

防災士・柳原志保さん もしものための備蓄編

今日からの3日間は、「防災・減災」がテーマです。
「防災・減災」のヒントを教えてくれるのは、“歌うママ防災士” 柳原志保さんです。

柳原さんは、東日本大震災と熊本地震、2つの災害で被災しました。その経験から、防災について学び、防災士の資格を取得。いま全国各地で、楽しく、防災を学ぶためのワークショップや講演活動を行っています。

今日は「モノの備え=備蓄」について。柳原さん、お願いします!

◆3つに分けてモノを備える
わたしは3つに分けてモノを備えています。
一つ目・・常に携帯しておくもの(ちょっとしたものをポーチの中に入れて持ち歩いている)
二つ目・・非常時に持ちだすバッグ(キャンプに持っていくものをイメージ。水道ガスがとまったとき必要なもの)
三つ目・・ローリングストック法(普段食べているものを使いながら買い足していく方法)

私自身、東日本大震災で避難所生活を2週間送りましたがご飯が実際に避難所で支給されたのは3日後でした。しかもひと家族ひとつ。避難所に行けばなにかモノをもらえると思っている方が多いと思いますが、避難所はホテルではありません。ないことが前提だと思ってほしい。
さらに、避難所で特に不足していたのが、一部の人が使うもの。例えば、離乳食やアレルギー食、ミルク、オムツ、生理用品、メガネ、コンタクトケア用品など。こういったものは支給されないと思っていただいて、自分の持っている備蓄のなかにいれてほしい。わたしは女性なので生理用品は常に携帯し、車の中や職場にも置いていて、普段から使うようにしています。


防災士、柳原志保さんによる 「防災、減災のヒント」。
今日は「もしものための、備蓄編」でした。

自宅、学校、職場、移動中。いつどこで災害に会うかわからない。「備蓄」について、もう一度考えてみましょう。

明日は「非常持ち出し用袋=防災リュック」についてのお話です。

柳原志保さんによる防災のヒントや活動は、柳原さんのFacebookでもチェックするができます。

パーソナリティ 鈴村健一

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