2018年4月30日
4月30日 南阿蘇村 キッチンカー『minaaso マルデン』
今朝は、熊本地震で大きな被害を受けた、南阿蘇村からのレポートです。お話を伺ったのは、南阿蘇の玄関口“阿蘇大橋”のすぐ目の前でレストランを経営していた『まるでん』オーナー 増田一正さんです。赤い屋根のレストランで「赤牛ステーキカレー」が看板メニューでした。
しかし、熊本地震でお店は全壊。1年前の取材では「同じ場所でのレストラン再開は見通しが立っていない」と話していたんですが…今月再び訪ねると、とある場所で、キッチンカー『minaaso マルデン』で看板メニューが復活していました!
◆阿蘇のあか牛を使ったローストビーフカレー
おススメはこのローストビーフがのってるローストビーフカレーです。阿蘇の赤牛を使って、ランプという部位の肉をローストビーフにして、カレーもキーマカレーなんですけどそのひき肉も赤牛を使ってカレーを作っています。
あか牛ローストビーフが、3枚ドドン!とのったキーマカレー
キッチンカーを切り盛りしているのは、増田さんの奥様です。お店だけでなく、自宅も被災したため、カレーを仕込む厨房がなく友人が経営するペンションの厨房を借りて仕込みをしているとのこと。
このキッチンカーがオープンしているのは、南阿蘇村の久木野キャンプ場。実は増田さん。震災前から阿蘇の自然を活かしたアウトドアのガイドをしていて震災後は、このキャンプ場を拠点に活動を続けています。
◆店舗兼自宅の再建に向けて再スタート
南阿蘇村の久木野キャンプ場というところでキッチンカーとアウトドアの活動をやっています。カブトムシやクワガタが好んでやってくるクヌギに包まれたキャンプ場です。キッチンカーはじめる前もだいぶ悩んでいたんですけど、お店の方はその場所での再建が難しいということで、土地自体が阿蘇大橋のすぐ近くで、崖のすぐ近くでちょっと恐くて、本当にいい場所だったんですけど、思い出のいっぱいある場所だったんですけど解体して、新しい場所で再建するのがベストかなと思って進めています。移転先が自宅の方で考えているんですけど、自宅も地震で壊れたんで今更地になっているんですけど、だから自宅とお店と一緒にできるような形で進めているんですけど、ただその土地に入っていく道路の問題があってなかなかすぐに復旧できないということで、その間にキッチンカーをはじめたところです。うちの集落すごくちっちゃい集落で、40軒ぐらいの内30軒ぐらい地震でやられてしまって、バラバラになっている状態。地域のコミュニティもどうにかしないといけない。それと地域に入ってくる水の問題も解決されていなくて、もともとあった水源は地震でやられちゃって湧き水をみんなで分けて使っていたんです。その湧き水の場所が地震で崩れてしまって水がない状態だったんですけど、ボーリングして水は出たんですけどみんなが戻ってきた時にそれを賄えるだけの量かどうかもわからないですし。用水路もダメだし。インフル的なことと、地域として成り立っていかないとそこのお店も出来ないかな、というのもあるし。それを考えるとキッチンカーとキャンプ場を盛り上げていって、また始めたんだね〜と言って遠いところから来てくれたり、このキャンプ場で赤牛のビーフカレーを食べていただきながら、自然ののんびりした過ごし方をしてもらいたいなと思います。
もとあったマルデンの場所から離れた所にある、久木野キャンプ場。取材していたこの日も、震災前のご近所さんがこのローストビーフカレー目がけてやって来ていました。一方、店舗を兼ねた自宅再建への道のりはまだまだ遠いようで、集落につながる道路、計画では “来年度中になおす” とされています。そこまで待って戻る住民がどれだけいるのか、そこで商売ができるのかなど心配はつきません。
★南阿蘇村 キッチンカー『minaaso マルデン』facebook
まるでん 増田さんのインタビュー、明日はGWのとっておき情報お伝えします!