2017年2月28日
2月28日 映画「新地町の漁師たち」2
昨日に続き、3月11日に公開が始まる映画「新地町の漁師たち」についてご紹介します。
東日本大震災による津波で被災し、さらに福島第一原発の事故によって操業自粛を余儀なくされた福島県新地町の漁師たちの姿を追ったドキュメンタリー、「新地町の漁師たち」。映画の中には、新地町で受け継がれてきた伝統行事、「安波祭(あんばまつり)」が出てきます。困難な状況にあっても新地町の人たちによって守り続けられているこの行事について、監督の山田徹さんに、お話しを伺いました。
♪「安波祭」のお囃子
僕の映画のフィニッシュが、2014年11月3日の「安波祭」の日にあった「進水式」の日なんですけど、とうぜん安波祭っていうのは漁師さんたちにとってとても大事なお祭りで、大漁祈願、航海安全を海の神様である安波さまに祈願するお祭りなんですけど、ずっと昔から続いてきたお祭りで、震災があって御神輿も流されましたし、担い手も不足している中で消滅の危機というのは有ったんですけど、2014年の安波祭の時に、まだその時は神事だけだったんですけど、浜にたくさんの人が来ました。漁師の奥さんであったり子供たち、みんな笑顔なんです。その光景を見た時に、漁師町の、新地町の安波祭っていうのが、どれほどこの土地に大切なものなのかというのを感じましたし、その姿を見て、まだ試験操業で本格操業ではない時ですけど、1つの復興のポイントかなと思いました。福島県全体に言えることなんですけど、若い担い手が全国で2位なんです。水産業に関しては。で、新地町もとても多くて、やっぱり水産業に関わらずこれからの時代を作るのは若い人ですから、新地町の高齢の漁師さんたちも思ってますし、漁民全体が若い人を応援してますから、その姿がちゃんと映像でとらえられたってことは一つの希望がこの映画で記録に残せたかなと思っています。
映画の締めくくりが「安波祭」の日に進水式を行なった若い漁師を町のみんなで祝う光景でした。それは困難な状況に、地域で力を合わせて立ち向かっていく姿が象徴されているようでしたが、そんな新地町の漁師の「生き方」について、山田さんはこう言います。
◆漁師の芯のある生き方
安波祭っていうのは「例祭」と「本祭」があるんです。「本祭」というのは御神輿を担いで漁村を回って、最後は海に入るお祭りなんですけど、それは5年に1回なんです。で本来であれば震災の年の2011年に本祭があったはずなんですけど、震災で流れてしまって、2016年、去年の11月3日に、震災前を考えると10年ぶりに本祭があったんですね。御神輿を担ぐのは若い漁師さんで、初めて参加した漁師さんも多かったんですけど、「これで海の復興を感じられた」とか、「やっと自分も初めてお父さんと参加することが出来て感慨深いものがある」というのを聞いた時に、若い人がこれから新地町の漁業を担っていくという意味と、お祭りの大切さがよくわかりました。彼らは震災があってもやることは変わらなくて、漁をすることだけなんです。で、年に1回、「安波祭」という神事をあげると。とてもシンプルな生き方をしていて、何か生き方に芯があるなと思いました。そうした芯のある漁師さんの生き方というのを多くの人に知ってほしいなと思ってますね。
ドキュメンタリー映画「新地町の漁師たち」の公式サイト
3月11日、東京の「ポレポレ東中野」で公開。
3月3日には、「ポレポレ坐」を会場に、詩人の和合亮一さん、映画の音楽を担当した「3日満月」などが参加する劇場公開記念コンサートも行われます。
東日本大震災による津波で被災し、さらに福島第一原発の事故によって操業自粛を余儀なくされた福島県新地町の漁師たちの姿を追ったドキュメンタリー、「新地町の漁師たち」。映画の中には、新地町で受け継がれてきた伝統行事、「安波祭(あんばまつり)」が出てきます。困難な状況にあっても新地町の人たちによって守り続けられているこの行事について、監督の山田徹さんに、お話しを伺いました。
♪「安波祭」のお囃子
僕の映画のフィニッシュが、2014年11月3日の「安波祭」の日にあった「進水式」の日なんですけど、とうぜん安波祭っていうのは漁師さんたちにとってとても大事なお祭りで、大漁祈願、航海安全を海の神様である安波さまに祈願するお祭りなんですけど、ずっと昔から続いてきたお祭りで、震災があって御神輿も流されましたし、担い手も不足している中で消滅の危機というのは有ったんですけど、2014年の安波祭の時に、まだその時は神事だけだったんですけど、浜にたくさんの人が来ました。漁師の奥さんであったり子供たち、みんな笑顔なんです。その光景を見た時に、漁師町の、新地町の安波祭っていうのが、どれほどこの土地に大切なものなのかというのを感じましたし、その姿を見て、まだ試験操業で本格操業ではない時ですけど、1つの復興のポイントかなと思いました。福島県全体に言えることなんですけど、若い担い手が全国で2位なんです。水産業に関しては。で、新地町もとても多くて、やっぱり水産業に関わらずこれからの時代を作るのは若い人ですから、新地町の高齢の漁師さんたちも思ってますし、漁民全体が若い人を応援してますから、その姿がちゃんと映像でとらえられたってことは一つの希望がこの映画で記録に残せたかなと思っています。
映画の締めくくりが「安波祭」の日に進水式を行なった若い漁師を町のみんなで祝う光景でした。それは困難な状況に、地域で力を合わせて立ち向かっていく姿が象徴されているようでしたが、そんな新地町の漁師の「生き方」について、山田さんはこう言います。
◆漁師の芯のある生き方
安波祭っていうのは「例祭」と「本祭」があるんです。「本祭」というのは御神輿を担いで漁村を回って、最後は海に入るお祭りなんですけど、それは5年に1回なんです。で本来であれば震災の年の2011年に本祭があったはずなんですけど、震災で流れてしまって、2016年、去年の11月3日に、震災前を考えると10年ぶりに本祭があったんですね。御神輿を担ぐのは若い漁師さんで、初めて参加した漁師さんも多かったんですけど、「これで海の復興を感じられた」とか、「やっと自分も初めてお父さんと参加することが出来て感慨深いものがある」というのを聞いた時に、若い人がこれから新地町の漁業を担っていくという意味と、お祭りの大切さがよくわかりました。彼らは震災があってもやることは変わらなくて、漁をすることだけなんです。で、年に1回、「安波祭」という神事をあげると。とてもシンプルな生き方をしていて、何か生き方に芯があるなと思いました。そうした芯のある漁師さんの生き方というのを多くの人に知ってほしいなと思ってますね。
ドキュメンタリー映画「新地町の漁師たち」の公式サイト
3月11日、東京の「ポレポレ東中野」で公開。
3月3日には、「ポレポレ坐」を会場に、詩人の和合亮一さん、映画の音楽を担当した「3日満月」などが参加する劇場公開記念コンサートも行われます。