2015年6月30日
6月30日 東松島 森の学校2
宮城県東松島から、「森の学校」についてお伝えします。
作家で環境活動家・CWニコルさんが代表をつとめる「アファンの森」と東松島市が取り組むプロジェクト「森の学校」。東松島・野蒜地区の高台には、数年後に木造の小学校校舎が完成。その隣の、山一つぶんの大きな森が、そのまま子どもたちの学びの場となる計画です。
というわけでこの森には、子どもたちが自然と触れ合うための色んな“仕掛け”が施されることになります。その一つが「サウンドシェルター」です。
◆地域の人たちが少しずつ
野口:ここが一番、森の学校ができた時に近い森のエリア。いまはだいぶ開けているけど、笹刈りをする前は一歩も入れないほど笹がうっそうとしている状態だったんです。3年かけて地域の人たちとちょっとずつ広げて、私たちがサウンドシェルターと呼ぶ森の音を静かに聞ける場所を作った。学校の授業で使えたりつらい体験も含めて森の中で話ができるような場所になる。
案内してくれたのは、アファンの森財団 事務局長の野口理佐子さん、そして地元・成瀬未来中学校1年生・山田ともみさん。
こちらがサウンドシェルターの模型…
そしてこのサウンドシェルターは、震災でつらい体験をした子どもたちが、みんなで体験を共有する、という目的もあるんです。
◆辛い体験を森の力で
山田:野蒜の人たちは、避難所が野蒜小学校だったのでそこに行って避難しました。泳ぎました。お母さんも、全員が泳いだ。お姉ちゃんはギャラリーの上にいたから泳がなくて済んだんだけど、お兄ちゃんと私とママ、ピーちゃんも泳いだ。
野口:泳いだというか洗濯機みたいになっていたんですよ。クルマも入ってきてうわあーーって。
山田:助けてーという声もひどかった。でも私は渦の中に入りそうになったんだけど、ママが教えていた子のお母さんが手を引っ張ってくれて助かった。たぶんそのお母さんがいなかったらたぶんいなかった。ママが凄く泣いて「ありがとうね」と言っていました。
野口:お尻を押して「あなたは生きなさい」って言ってくれたって言ってたね。
山田:その押してくれた女の人は亡くなっちゃって、「私がいなければ」と思っちゃって。たまに授業があるとみんなイヤで。先生は事情を知っているから、「今日は命の大切さの授業をやる」と。
野口:でも森の中だとわりと自然に、なぜ私が生き残っちゃったんだろう、なぜ助けられなかったんだろうとみんなで吐き出しあって。みんなそうなんです。
山田:もやもやが晴れる。きいてくれる人たちがいると。一人でため込んじゃうよりばーっと話すとすっきりする。
山田:本当に早いうちから心のケアをしてきた。月日がたてばたつほど深刻化していくので、サウンドシェルターのような語り合える場所が必要。
そんなサウンドシェルター。もともとは、アファンの森財団 代表のCWニコルさんが持ち込んだアイデアだそう。ニコルさんにも伺いました。
◆大きな耳?
そのサウンドシェルターは、わたしが若い頃カナダの北の少数民族と一緒に旅をして、特別なテントを建てて後ろと横にカバーをする。前は空いている。まるで大きな耳のよう。音が良く聞こえる。そこでじーっと自然の音を聴く楽しみとたき火もできる。会話がしやすい。人間が小さな焚火を見ると脳がアルファ状態で穏やかになり、心を開くことができるんです。
実は、ニコルさんが長野県で再生した里山でもサウンドシェルターは実際に利用されているそう。その中にいると、朝は鳥の鳴き声、夜はカエルの大合唱、フクロウの鳴き声、、、いろんな生き物の声が聴こえるそう。野蒜地区は海も近いので「海鳥の声も聞こえるかも」とニコルさんはおっしゃっています。
LOVE&HOPE、あしたも、東松島市の森の学校についてお伝えします。
作家で環境活動家・CWニコルさんが代表をつとめる「アファンの森」と東松島市が取り組むプロジェクト「森の学校」。東松島・野蒜地区の高台には、数年後に木造の小学校校舎が完成。その隣の、山一つぶんの大きな森が、そのまま子どもたちの学びの場となる計画です。
というわけでこの森には、子どもたちが自然と触れ合うための色んな“仕掛け”が施されることになります。その一つが「サウンドシェルター」です。
◆地域の人たちが少しずつ
野口:ここが一番、森の学校ができた時に近い森のエリア。いまはだいぶ開けているけど、笹刈りをする前は一歩も入れないほど笹がうっそうとしている状態だったんです。3年かけて地域の人たちとちょっとずつ広げて、私たちがサウンドシェルターと呼ぶ森の音を静かに聞ける場所を作った。学校の授業で使えたりつらい体験も含めて森の中で話ができるような場所になる。
案内してくれたのは、アファンの森財団 事務局長の野口理佐子さん、そして地元・成瀬未来中学校1年生・山田ともみさん。
こちらがサウンドシェルターの模型…
そしてこのサウンドシェルターは、震災でつらい体験をした子どもたちが、みんなで体験を共有する、という目的もあるんです。
◆辛い体験を森の力で
山田:野蒜の人たちは、避難所が野蒜小学校だったのでそこに行って避難しました。泳ぎました。お母さんも、全員が泳いだ。お姉ちゃんはギャラリーの上にいたから泳がなくて済んだんだけど、お兄ちゃんと私とママ、ピーちゃんも泳いだ。
野口:泳いだというか洗濯機みたいになっていたんですよ。クルマも入ってきてうわあーーって。
山田:助けてーという声もひどかった。でも私は渦の中に入りそうになったんだけど、ママが教えていた子のお母さんが手を引っ張ってくれて助かった。たぶんそのお母さんがいなかったらたぶんいなかった。ママが凄く泣いて「ありがとうね」と言っていました。
野口:お尻を押して「あなたは生きなさい」って言ってくれたって言ってたね。
山田:その押してくれた女の人は亡くなっちゃって、「私がいなければ」と思っちゃって。たまに授業があるとみんなイヤで。先生は事情を知っているから、「今日は命の大切さの授業をやる」と。
野口:でも森の中だとわりと自然に、なぜ私が生き残っちゃったんだろう、なぜ助けられなかったんだろうとみんなで吐き出しあって。みんなそうなんです。
山田:もやもやが晴れる。きいてくれる人たちがいると。一人でため込んじゃうよりばーっと話すとすっきりする。
山田:本当に早いうちから心のケアをしてきた。月日がたてばたつほど深刻化していくので、サウンドシェルターのような語り合える場所が必要。
そんなサウンドシェルター。もともとは、アファンの森財団 代表のCWニコルさんが持ち込んだアイデアだそう。ニコルさんにも伺いました。
◆大きな耳?
そのサウンドシェルターは、わたしが若い頃カナダの北の少数民族と一緒に旅をして、特別なテントを建てて後ろと横にカバーをする。前は空いている。まるで大きな耳のよう。音が良く聞こえる。そこでじーっと自然の音を聴く楽しみとたき火もできる。会話がしやすい。人間が小さな焚火を見ると脳がアルファ状態で穏やかになり、心を開くことができるんです。
実は、ニコルさんが長野県で再生した里山でもサウンドシェルターは実際に利用されているそう。その中にいると、朝は鳥の鳴き声、夜はカエルの大合唱、フクロウの鳴き声、、、いろんな生き物の声が聴こえるそう。野蒜地区は海も近いので「海鳥の声も聞こえるかも」とニコルさんはおっしゃっています。
LOVE&HOPE、あしたも、東松島市の森の学校についてお伝えします。