2015年4月30日
5月3日 女川町・熊野神社例大祭
宮城県女川町から、ゴールデンウィークに行われるお祭についてお伝えします。
東北には様々な伝統芸能がありますが、女川では地域ごとにそれぞれ獅子舞が存在します。漁師町・女川では、こうした伝統芸能、季節や節目ごとの行事が暮らしに根付いていて、今度の週末・日曜日は、町の神社で恒例のお祭が開かれます。全国で女川の獅子舞を披露する団体『女川港まむし』のリーダー 岡裕彦さんに伺いました。
◆神輿の担ぎ手、全国から募集 その背景は・・・
熊野神社のお祭が5月3日にあるんですけど、これは全国からボランティアを募りまして神輿を担いで頂くという方針に震災後変えました。その結果、150名が集まり地元の役員を入れて200名の行列で神輿を2基かつぐことができているので、将来は女川の観光事業につなげたい。青森のねぶた祭りもそうだが一般の人が跳ねれる参加できる祭を、うちらも色んな人に女川を知ってもらって、女川の空気と光と人と美味しいものを感じて、お祭で神輿を担いでよかったなと思ってほしい。総勢200名くらいで女川の美味しいものを食べてみんなで歌ったりしながら交流会をしたい。ご当地のサンマのすり身汁を提供したりマグロの丼だったりいろいろあります。こういう風に方針を変えたが賛否両論、熊野神社のOBの人たちからあったが実際それをやらないと神輿は起動しないんですよ。震災前に神輿を担いでいた高校生中学生もみんな町から離れていっているので集めようとしても無理なんですよ。これから先もそれをやりながら地元の神社の育成もやっていく。今回新しくできた鷲ノ上区の行政区がある。自力再建で家を建てた人たちがたくさんいるんですよ。山を切って家を買った人たちがいる。それは熊野神社のお札を集めているので、その人たちのところもまわる。今の女川町の人たちの暮らしぶりも神輿を担ぎながら見てもらえればいいかなと思います。
岡さんは「高台移転した土地に、お神輿の新しい順路ができた。それはつまり、町が新しく生まれたということ」と前向きに話していました。そんな熊野神社の例大祭、今年のお神輿担ぎのボランティアは、すでに受け付けは終了していますが、もちろんお客として遊びに行くことはできます!祭りや獅子舞が果たす役割について、岡さんはこう話します。
◆祭りの持つ力
お年寄りから子供まで楽しめる演武。みんなで楽しめる祭なんですよね。祭りってみんなそうだと思うんですけどね、キラッと光る光をもっと確実な光にともしてあげた時、女川町が一つになった時にもっと良い光が輝く。それがコミュニティだと思っている。それには絶対に獅子舞や郷土芸能が必要。失われた光を今取り戻しつつあります。一番面白いのが、町づくりがそう。建物などハード面は自然とできるが人間形成、人づくりが大事。子どもがいて子どもをしかる大人がいて、子どもが甘えられるお年寄りという3つがいないと町は絶対に活性化しない。だから私にできるのは祭だったり文化事業や地域芸能。それで町に貢献できたらいいのかなと。やっと各行政区ごとに獅子舞ができるようになってきているので、昔のように、昔は大漁旗をいっぱいつけて海上獅子舞ということで真夏の盛りにやる。船が20艘くらい沖からやってくる。もうちょっとで港ができるからそれをみんなでやりたいですね。
女川町は、金華山や、アユ釣りやカヌー遊びのできる川、アウトドアレジャースポットがたくさんあって、そうした魅力も、震災後に外から来た人に教えられた、とも岡さんは話す。先日もお伝えした通り、JR石巻線が全線開通。女川駅も完成。ぜひ駅舎を抜けると真正面に広がる海の景色、見に行ってみてはいかがでしょうか!