2014年8月28日
8月28日 関東大震災に学ぶ、都市型災害への備え(4)
今週は、「関東大震災に学ぶ、都市型災害への備え」について、名古屋大学・減災連携研究センター教授の武村雅之さんに伺います。武村さんは、「関東大震災」の傷跡が残る地域をくまなく歩き、震災の教訓を伝える活動を続けています。
そんな武村さんがわたしたちの「盲点」だと語るのは、「災害時の一斉避難」です。
◆「地震が起こってすぐ避難」は本当に安全か
日本人の悪い癖で、「地震が起こったら避難する」とみんな思っている。いかに安全な場所にいても、地震が起こったら、どこか別の場所に行かなきゃいけないと思っている。それは学校の防災訓練が必ずどこかに避難させるから。でもあれは、火災に対する訓練。学校は法律で火災の訓練を必ずやらなきゃいけないことになっている。ところが震災のときに、学校から火災が起こるということは、あるかもしれないけど、少ないだろう。だからそこにいるひとが、どういう場合はどうしようと、自分の頭でちゃんと考えないと、地震が起こったら反射的に避難するというのは、やめたほうがいいんじゃないか。昔は建物が耐震的じゃないものが多かったので、余震で壊れるということを恐れて皆さん外に避難した。でもいまは耐震的なものがすすんでいるので、周りを見渡して、自分がいる建物がそんなに危険でないということがわかれば、しばらくそこにいて、まわりの様子を見てからゆっくり判断をしたほうがいいし、東京の都心はきちんとした基礎をもった建物も多いから、そういうこところから、わざわざ急いで避難して、危険なところに行く必要はないんじゃないか。
都心に勤めている人は家族に対して、「わたしは地震が起こったときすぐに家には帰れないので、どこにどう連絡をしよう、家族はどういうふうに動こう」と、家族と段から決めとけばいいだけ。港区はたしか高層住宅に住んでいる方は避難所に来ないでくださいということになっていると思う。それは、エレベーターもとまるので、自分のところで備蓄するのが前提で、そういう高層住宅の人達が一斉に地上に降りてきたら、もう大変なことになって、本当に避難しなければいけない人達が避難できないので、やめてくれ、ということになっている。
自分のいるところが火災などなく安全ならば、少し踏みとどまって情報収集をするということを考えたほうがいいと思う。それが現代の都会人のやり方、生き方だと思えばいい。そういうルールづくりをして、普段から共有すること。普段からこういう場合どうなんだろう、本当にこれは安全なんだろうか、ということを少しずつ皆が考えておくことが重要。
地震が起こって室内に留まるべきか、屋上に避難するべきか、別のところに避難するべきか・・・マニュアルに従うのではなく、その場の状況をまず考える。これが災害時の行動の基本です。
9月1日の「防災の日」を前に、もしものときの行動も家族と確認しておきたいですね。
そんな武村さんがわたしたちの「盲点」だと語るのは、「災害時の一斉避難」です。
◆「地震が起こってすぐ避難」は本当に安全か
日本人の悪い癖で、「地震が起こったら避難する」とみんな思っている。いかに安全な場所にいても、地震が起こったら、どこか別の場所に行かなきゃいけないと思っている。それは学校の防災訓練が必ずどこかに避難させるから。でもあれは、火災に対する訓練。学校は法律で火災の訓練を必ずやらなきゃいけないことになっている。ところが震災のときに、学校から火災が起こるということは、あるかもしれないけど、少ないだろう。だからそこにいるひとが、どういう場合はどうしようと、自分の頭でちゃんと考えないと、地震が起こったら反射的に避難するというのは、やめたほうがいいんじゃないか。昔は建物が耐震的じゃないものが多かったので、余震で壊れるということを恐れて皆さん外に避難した。でもいまは耐震的なものがすすんでいるので、周りを見渡して、自分がいる建物がそんなに危険でないということがわかれば、しばらくそこにいて、まわりの様子を見てからゆっくり判断をしたほうがいいし、東京の都心はきちんとした基礎をもった建物も多いから、そういうこところから、わざわざ急いで避難して、危険なところに行く必要はないんじゃないか。
都心に勤めている人は家族に対して、「わたしは地震が起こったときすぐに家には帰れないので、どこにどう連絡をしよう、家族はどういうふうに動こう」と、家族と段から決めとけばいいだけ。港区はたしか高層住宅に住んでいる方は避難所に来ないでくださいということになっていると思う。それは、エレベーターもとまるので、自分のところで備蓄するのが前提で、そういう高層住宅の人達が一斉に地上に降りてきたら、もう大変なことになって、本当に避難しなければいけない人達が避難できないので、やめてくれ、ということになっている。
自分のいるところが火災などなく安全ならば、少し踏みとどまって情報収集をするということを考えたほうがいいと思う。それが現代の都会人のやり方、生き方だと思えばいい。そういうルールづくりをして、普段から共有すること。普段からこういう場合どうなんだろう、本当にこれは安全なんだろうか、ということを少しずつ皆が考えておくことが重要。
地震が起こって室内に留まるべきか、屋上に避難するべきか、別のところに避難するべきか・・・マニュアルに従うのではなく、その場の状況をまず考える。これが災害時の行動の基本です。
9月1日の「防災の日」を前に、もしものときの行動も家族と確認しておきたいですね。