震災以降、日本における防災減災の取り組みはとても盛んになっています。その一方で、防災減災を考える上で、7年前と今では、大きく違うことがあります。
ひとつは、外国人の数です。日本に暮らす外国人の数…昨年末時点でおよそ250万人!また、昨年1年間で日本を訪れた外国人2869万人で、あと少しで3000万人に届く勢いです。もうひとつは、SNSの爆発的な普及です。以前からあったTwitter、Facebookに加え、LINEやInstagramも普及。大きな災害があったとき、SNSから得られる情報は本当に大切になりました。
一方で、いわゆるネット上のデマが混乱をもたらすというデメリットも生まれています。
この番組では、この2つの大きな変化に視点を置いて、これからの防災減災を考えていきます。
この番組のタイトルでもある 「やさしい日本語」。この、「やさしい日本語」とは、普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすい日本語のことです。
1995年1月の阪神・淡路大震災では、日本人だけでなく日本にいた多くの外国人も被害を受けました。その中には、日本語も英語も十分に理解できず必要な情報を受け取ることができない人もいました。そこで、そうした人達が災害発生時に適切な行動をとれるように考え出されたのが「やさしい日本語」の始まりです。
そして、「やさしい日本語」は、災害時のみならず平時における外国人への情報提供手段としても研究され、行政情報や生活情報、毎日のニュース発信など、全国的に様々な分野で取組が広がっています。
なぜ、「やさしい日本語」なのでしょうか。
国立研究所「生活のための日本語:全国調査」によれば
国際交流基金・電通による台湾・香港・韓国 日本語学習者調査によれば
例えば「高台へ避難してください」という言葉を、「高い場所に逃げてください」というやさしい日本語に言い換えたり、「体育館に避難してください」を、外国人はまさか体育館で寝泊まりするとは思っていないという事例もありました。体育館は災害時の避難所になっていて、炊き出しもあるのですよ、など、その場所の詳しい説明をしてあげたほうがわかりやすかったりもします。
また、「ご自由にお持ちください」などの解釈の違いで、避難所に寄付される食べ物などを、分け合わず全部持っていかないようにするなど、避難所に張り出される情報の「やさしい日本語化」は重要なポイントです。
お互いがお互いを理解し合うことで、外国人の方を災害時に「助ける」だけじゃなく、助け合う関係になれるというものですよね。
番組では、Twitter、Facebook、LINE、各社の担当の方に、「災害時の役割」について、伺いました。
一方で、SNSには怖い面もあります。いわゆる「デマ」「フェイクニュース」の拡散。熊本地震では外国人差別ニュースがSNSを通じて拡散したそう。ニュースソースや、発信時間の確認など、SNSを災害時に使用するには、気をつけないこともありますね。
また、SNSでは「キツイ表現」が多くなってしまいがち。文字でも「やさしい日本語」を使うように、心がけていきたいですね。
TOKYO FMをはじめとする全国38局のネットワークを有する全国FM放送協議会(JFN)は、災害時に、支援を必要とする被災地と全国のリスナーを結び、地域住民の安全の確保や復旧のための支援に役立てることを目指し、日本郵便株式会社とは「災害時における地域情報ネットワーク協定」を2013年9月1日に。イオン株式会社とは、「災害時における総合防災ネットワーク構築に関する協定」を2013年11月1日に。
また、2014年1月17日には、JCBA(日本コミュニティ放送協会)と、「災害時における地域情報ネットワーク構築に関する協定」、2014年8月1日には、東京海上日動火災保険株式会社と、「災害時における地域情報ネットワーク協定」を締結しました。
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