秋元才加とJOYのWeekly Japan!!

生活に身近な情報や政府の取り組みをわかりやすくお伝えする番組「秋元才加とJOYの Weekly Japan!!」。番組パーソナリティーの秋元才加とJOYが、毎回、生活に密着したトークをゲストと繰り広げ、私たちの暮らしに必要な情報をお届けします。

2019.12.14

家庭のインターネットを脅威から守る NOTICE



家に鍵をかけるように、家庭にあるルーターやインターネットに接続している家電などのIoT機器のセキュリティは万全ですか。

今回は「家庭のインターネットを脅威から守る NOTICE(ノーティス)」というテーマでお話しました。

秋元  皆さんは、IoT機器という言葉を聞いたことがありますか。
IoTは、Internet of Thingsの略で、簡単に説明すると、これまでインターネットにつながっていなかったモノや家電が、インターネットにつながって便利になることを、IoTと言います。
つまりIoT機器というのは、インターネットに繋がった家電や機械のことです。

JOY  テレビやゲーム機もそうでしょ。
うちは猫を飼っているから、外出先でも猫の様子が分かるように見守るカメラを置いているよ。IoT機器、うちにも結構あるな。

秋元  こうしたIoT機器の数は、2018年の時点で、世界中に推定307億個あって、2021年にはおよそ1.5倍の448億個まで増える見込みだそうです。
数が増えると、非常に残念なことですが、サイバー攻撃の標的になりやすくなるそうです。
JOYくんの家のWebカメラをサイバー攻撃されたら、覗き見されるかもしれないよ。

JOY  家の猫を覗き見されてしまうかもしれない。怖いな。

秋元  そこで、こうした脅威を少しでも回避するために行われているNOTICEという取組、そして私たちにもできる対策について、総務省 サイバーセキュリティ統括官室の梅城崇師さんにお話を伺っていきます。

早速ですが梅城さん。私たちの身近にあるIoT機器が、サイバー攻撃の脅威に晒されているということですが、もう少し詳しく教えていただけますか。

梅城  はい。インターネット社会になって私たちの暮らしはとても便利になりましたが、一方でサイバー攻撃により大切な情報が漏れてしまったり、様々なサービスが使えなくなったりするといった被害も生じています。昨年、1年間に観測されたサイバー攻撃のうち、およそ半数がIoT機器を狙った攻撃であることがわかっています。

JOY  IoT機器と言ってもいろいろありますよね。
例えば、どんな機器が狙われているんですか。

梅城  はい。特にWebカメラや家庭にあるルーターが攻撃の対象となっています。ルーターは、インターネットにつなぐための通信機器です。
インターネット回線を引いている家庭には設置されているはずです。

秋元  そのルーターや、Webカメラがサイバー攻撃に遭うと、どんなことが起こるんですか。

梅城  攻撃内容にもよりますが、インターネットに接続できなくなったり、場合によっては他人にWebカメラをのっとられて、部屋の中を監視されてしまったりするおそれがあります。

秋元  盗撮されちゃうってことですか。怖いですね。

梅城  そうですね。また過去には、悪意のある人が、サイバーセキュリティに不備があるIoT機器に不正プログラムを組み込むことで、IoT機器からアメリカの大手IT企業に大量の通信データを送りつけて、サーバーをシステムダウンさせる、という大規模な攻撃がありました。
これによって、皆さんがよく利用する大手の通販会社や、インターネット動画配信サービス、SNSに障害が発生したんです。

JOY  これだけ、インターネットが普及している中で急にインターネットやSNSが使えなくなったりすると困る人が多いよね。
しかも、知らない間に自分の家のIoT機器が乗っ取られて、悪いことに使われるのは怖いね。

それに、例えば医療現場で使われているIoT機器を乗っ取られたり、攻撃されたら、大変なことになるよね。

秋元  うん。命に関わることにつながる可能性もあるよね。
こうしたサイバー攻撃の脅威からIoT機器を守るために、NOTICEという取組を行っているんですね。

梅城  はい。NOTICEは国立研究開発法人情報通信研究機構が、サイバー攻撃に悪用されるおそれのあるIoT機器を調査して、インターネット接続事業者を通じて利用者に注意喚起を行う取組です。
今年2月から国内のIPアドレスに対して調査を実施しています。
このIPアドレスというのは、インターネット回線に割り振られた、番号のことです。
調査は30社を超えるインターネット接続事業者と協力して進められており、調査対象としている国内のIPアドレスの数はおよそ1億にものぼります。その結果、今年9月までに延べ505件のIPアドレスが注意喚起の対象となりました。

秋元  サイバー攻撃に悪用されるおそれのあるIoT機器というのは、どういう状態にあるものなんですか。

梅城  簡単に言えば、セキュリティ対策が甘いものです。
例えば、パスワードが初期設定のままであったり、連続した数字を使っていたりするなど安易なものは大変危険です。
また、インストールされているソフトウェアが古いままで、アップデートしていないものなども同様に危険です。

JOY  パスワードが初期設定のままの人って、結構多いんじゃないかな。
パソコンや、スマホだと自動でアップデートしてくれたりするけれど、IoT機器は一度設定したら、あとはそのままになっていることが多い気がするな。だからこそ、危ないんじゃないのかな。

秋元  危機感が少ないかもしれないね。
サイバー攻撃に悪用されるおそれのあるIoT機器を調査するということですが、どのように行われているんですか。

梅城  まずインターネット上で、誰でも簡単に推測できるようなパスワードを入力して、ログインできてしまうIoT機器のIPアドレスを割り出します。
そして、インターネット接続事業者と連携して、その機器の利用者に対して、注意するよう呼びかけます。

秋元  分かりやすく例えると、どんなことを調べるのですか。

梅城  そうですね、例えば、勝手に侵入されないように、家の場合は玄関に鍵をかけますよね。
IoT機器の場合もパスワードという鍵をかけます。
その鍵が、簡単に開けられてしまうものでは役に立たないので、簡単に空いてしまう鍵でないかを調べて、その家の住人に、お知らせするということです。

秋元  大切なのは、簡単に侵入されないようにIoT機器のセキュリティを万全にすることですね。

梅城  はい。皆さんがすぐできることは2つあります。
パスワードを複雑なものにすることと、インストールされているソフトウェアを常に最新のものにアップデートしておくことです。
パソコンやスマホのパスワードなどはしっかりと管理している方でも、IoT機器のパスワードは気にしていない方が多いのではないでしょうか。

JOY  IoT機器のパスワードですが、例えば、無線LANなどでパソコンをルーターに接続するためのパスワードのことですか。

梅城  そのパスワードではなく、IoT機器の設定画面を開くためのパスワードです。特に、ルーターの場合は、取り付ける事業者の方が設定する場合もありますので、パスワードの存在自体知らない方も多いと思います。
ですから、まず、自宅にIoT機器がある方は、購入した際の説明書をよく見返してパスワードを確認してください。
そして仮に初期設定のパスワードや分かりやすいものになっていたら、複雑なものに変更してください。

JOY  まず、説明書を探さないといけないな。
でも、守るためにも必要なことだね。

秋元  他に私たちが注意しておいたほうがいいことはありますか。

梅城  日頃からインターネット接続事業者から届くお知らせには注意を払い、もし注意喚起があった場合は、速やかにパスワードの変更や、アップデートをしてください。

JOY  メールでお知らせが届いてもスルーしちゃうことがありそうだけど、重要な内容が含まれているわけだから、しっかりと確認しないといけないね。

梅城  そうですね。
また、注意喚起のお知らせがあるのは、契約しているインターネット接続事業者からだけです。
契約していないインターネット接続事業者や、接続事業者以外からお知らせが届くことはありません。少しでも不審に思うところがあれば、NOTICEサポートセンター、または、契約しているインターネット接続事業者に問い合わせてみてください。
NOTICEサポートセンターの連絡先は、検索サイトで「NOTICEサポートセンター」と入力してください。

JOY  スマホやパソコンにくる、身に覚えのないところからの連絡はもしかしたら、だまそうとしている場合もあるから、疑うことも大事だよね。

秋元  不審なことや分からないことがあれば、行動する前に確認してみることが大事ですね。

梅城  2020年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控えて、サイバーセキュリティ対策の必要性が高まっています。
みなさんがお使いのIoT機器についても、複雑なパスワードとソフトウェアのアップデートで対策をお願いします。

秋元  やっぱり、目には見えないものだから、危機感が薄れてしまうよね。
リスナーの皆さん、是非、IoT機器のパスワード、どうなっているのか確認してくださいね。

JOY  インターネットなしでは暮らしづらい時代だからこそ、自分たちを守るためにも、向き合い方を変えていかないといけないね。

参考:NOTICE