秋元才加とJOYのWeekly Japan!!

生活に身近な情報や政府の取り組みをわかりやすくお伝えする番組「秋元才加とJOYの Weekly Japan!!」。番組パーソナリティーの秋元才加とJOYが、毎回、生活に密着したトークをゲストと繰り広げ、私たちの暮らしに必要な情報をお届けします。

2019.09.28

今を知り 明日をみつめる 全国家計構造調査



5年に一度の『全国家計構造調査』が始まります。
この調査結果が、私たちの暮らしの様々なシーンに役立てられています。
今回は「今を知り 明日をみつめる 全国家計構造調査」というテーマでお話ししました。

秋元  さぁ、今日は家計に関する統計のお話です。
統計は昔からよく鏡にたとえられたそうです。
現状がわからないと、どこが良くて、どこが悪いのかわからないから、そうしたことを映し出す鏡なんですって。

今日のテーマの全国家計構造調査は、家計に関する統計なので、私たちの暮らしに直接関わってくるお話なんだそうです。

ここからは、総務省統計局・消費統計課長 小松聖さんにお話を伺っていきます。

早速ですが、小松さん、今日のテーマ『全国家計構造調査』というのはどういうものですか。

小松  全国家計構造調査とは、消費、所得、資産に関する詳しい情報を調べることを目的とした、国内最大規模の家計に関する調査です。
具体的には、皆さんの家庭で、日々、いくらくらい買い物をしているのか、給料などの所得はどれくらいか、不動産や預貯金などの家計資産はどれほどあるのか、反対に負債はどれくらいあるのかなどを調査します。
1959年、昭和34年から5年に1度実施しています。

秋元  国勢調査は聞いたことがありますけど、全国家計構造調査は初めて聞きました。

小松  国勢調査は日本に住んでいる全ての方と世帯が対象なので、よく知られていますが、全国家計構造調査は、前回までは全国消費実態調査と言っていて、名称が変わったこともあり、知らないという方もいらっしゃると思います。

秋元  世帯の消費や所得、資産を調査して、その結果はどんなことに役立てられるんですか。

小松  一言でいうと、国や自治体が政策を企画するための基礎資料として用いられます。
例えば、年金、介護保険、生活保護の制度を見直すときには、年金の支給額や保険料の負担額の変更がみなさんの消費生活にどう影響するのか、あらかじめ確認する必要があります。
その際には、全国家計構造調査のような統計調査の結果が用いられます。

JOY  生活保護の支給額なども、こうした調査結果をもとに決められていくんですね。

小松  はい、そうです。その他にも、もっと身近なところでも役立てることができます。
例えば、2014年の調査結果から、世帯主の1ヶ月のお小遣いとしての支出は平均3万8,156円だったということが分かります。
もし、今、パートナーのお小遣いが3万円だったとしたら、ベースアップの交渉がしやすくなるかもしれません。

JOY  なるほど。このデータを使えば、もしかしたら「全国平均が3万8,156円なんだから」とお小遣いのベースアップの話ができるわけですね。そういう意味でもデータは大事ですね。

小松  そうですね。また、世帯主ではない18歳以上の男性の1ヶ月のお小遣いは平均4万4,686円。女性は4万2,250円なんですが、その内訳をみると、男性は外食に多く支出しているのに対し、女性は、諸雑費に多く支出していることがわかるんです。
この諸雑費というのは、化粧品や美容院、エステなどにかかる費用が含まれていまして、男性と女性で好みが大きく異なることがわかります。

JOY  女性は、化粧品もどんどん買い替えていかないといけないし、男性と違うね。

小松  このように、全国家計構造調査の結果を詳しく分析していくと、私たちの生活にも関わるような、様々なことが分かってきます。
総務省統計局のホームページで調査結果が公開されますので、きっと皆さんの暮らしや、お仕事に役立てることができると思います。
今年は、5年に1度の調査にあたる年で、10月、11月の2ヶ月間で、実施されます。
対象となるのは全国のおよそ1,000市町村から無作為に選定された9万世帯です。

秋元  どのようにして調査するんですか。

小松  基本は、調査対象となった世帯のお宅に調査員が訪問して、調査に関する説明や調査票の配布、回収を行います。

JOY  紙の調査票に記入しないといけないんですか。

小松  紙の調査票だけでなく、パソコンやスマートフォン、タブレット端末からも回答できます。

秋元  この全国家計構造調査は収入や支出、資産などかなりプライベートなことに答えなければならいですよね。
そうなると、個人情報を知られたくないという方も多いと思うのですが、こうした調査は協力いただくのが難しいのではないですか。

小松  はい。そのため、都道府県知事から任命された地方公務員の調査員が、写真付きの調査員証を携帯してお宅に伺います。
また、調査員をはじめ、調査の関係者は調査票を厳重に保管し、調査中に知った情報を漏らしたり、調査の目的以外に利用したりすることは法律で禁止されています。
これに違反した場合は罰則が課せられます。

JOY  調査に答えた情報は固く守られるということですね。
一方、心配なこともありまして、この番組でいろいろな詐欺被害について取り上げるんですが、詐欺集団は時代に合わせた巧妙な手口で、仕掛けてくるじゃないですか。だから、この調査を使った詐欺も出てくるんじゃないですか。

小松  そのとおりなんです。近年、調査を装って個人情報を取得しようとする『かたり調査』が実際に発生しているんです。
国が実施する統計の調査では、金銭を要求したり、銀行口座の暗証番号やクレジットカード番号などをお聞きすることは一切ないので、十分にご注意ください。

秋元  銀行の暗証番号を聞いてきたときは、『かたり調査』のおそれがあるので、気を付けないといけないですね。

小松  また、先ほども申し上げたとおり、調査員は写真付きの調査員証を持ってお宅に伺います。必ずご確認ください。
全国家計構造調査についてのお問い合わせはコールセンターにお願いします。電話番号は0570-55-0852です。

国や自治体が社会保障制度などを適切に運営していくためには、全国家計構造調査の結果が必要不可欠です。
皆さん一人一人の回答が明るい未来の礎になります。
調査員による調査票の配布は既に始まっています。
対象になった世帯の方はご協力、ご回答をどうぞよろしくお願い致します。

秋元  5年に一度、実施されるから、ピンと来なかった方もいたかもしれないけど「全国家計構造調査」の結果が年金や生活保護といった様々な、国の資料になるんですね。
無作為に選んだ9万世帯に届くということですから、もし、届いた場合は、協力しましょうね。

JOY  様々な制度を見直す際の大事なデータになってくるという事は、みんなにとって、大事なことだよね。
「面倒だな」と思うかもしれないけど、この調査に協力し、答えていくのは、未来をつくることに繋がるよね。

参考:2019年全国家計構造調査