私たちの海を守る、プラスチック・スマート!
私たちの生活に欠かせないプラスチックが海洋汚染の原因になっています。5月30日〜6月8日前後までは【海ごみゼロウィーク】。
プラスチックと賢く付き合っていくためにすべき取組とは?
今回は、「私たちの海を守る、プラスチック・スマート!」についてお話しました。
JOY 海のロケとかやっていて、船に乗っていると、海の真ん中にコンビニの袋が浮いてたりするの…すごく寂しくなるよね。海は繋がっているから自分の国だけじゃなく、色々な所から流れてきたりするわけ。
これだけプラスチックのものが浮いたり沈んだりしていると、海は汚染されてしまうよね。
秋元 今、海に大量のプラスチックが流れ込んで世界的に問題となっています。
ここからは環境省・環境再生・資源循環局・総務課の土居 健太郎さんにお話を伺っていきます。
まず、なぜ今、プラスチックが海洋汚染を引き起こしているのかを教えていただきたいんですけど…
土居 プラスチックは軽くて丈夫、さらに費用的にも安いということから生活の色々な場面で使われています。
例えば、包装容器といった物もあれば、工業的にも使ってますので製品など、我々の生活に非常に浸透しています。プラスチックは良い素材なのですが、その使い方がきちんとされないと、海などに影響を与えるため、今、世界的にも注目されています。
JOY 寂しい話ですが、ポイ捨てとかもすごく多いじゃないですか。
プラスチック製品が投げ捨てられてしまって、それが最終的に海に流れついちゃうということですよね。
そうなったら、確実に生態系に悪い影響がでますよね。
土居 まず観光面に影響がありますし、網にかかるという面で漁業にも影響があります。さらに、ウミガメが漁網に巻き付いたり、クジラのお腹から大量のポリ袋が出てきたり、様々な面で影響が出ています。
世界的にも、このままの使い方、使われ方が進むと2050年には魚の重量よりも海を漂うプラスチックの重量の方が多くなるとの試算も出ています。プラスチックは、非常に丈夫でなかなか分解しないため海に流れつくと、どんどん溜まっていってしまいます。
JOY え!? 魚を超えるってすごくない!? しかも、2050年! はるか未来の話に聞こえるかもしれないけど、すぐに30年後じゃないですか! もしかしたら、もっと多く捨てられてしまえば、これが早まってしまう可能性もあるワケで…ここまでとは思ってなかった。
秋元 ショッキングですね…。止めないと。
土居 プラスチックは丈夫だとは言いましたけども、波の力、紫外線の力でだんだん細かくなってきます。今、「マイクロプラスチック」も問題になっています。
JOY 初めて聞きました! “マイクロ”ということは、相当小さいってことですよね?
土居 大体5ミリ以下の小さく砕けたものが「マイクロプラスチック」と呼ばれています。これは、海に出た様々なプラスチックが砕かれて、細かくなっていく成れの果てだと思って下さい。砂浜に行って、よくよく見ると、赤とか緑とか小さいツブがあるんですが、あれはほぼ、プラスチックです。小さくなればなるほど、魚が誤って食べてしまう可能性が高まります。研究では、魚を開いてみると、腹の中にプラスチックが入っていることも確認されています。
JOY 海を漂うプラスチックの量が減らないと、もっともっと魚が食べてしまうかもしれないし、それこそ、大きな影響が出始めてしまうかもしれないですね。
秋元 プラスチックが自然にかえることはないので、減らすしかないですね。
土居 今、世界的にも取組を進めましょうということになっていまして、日本でも、業界団体の方で自主的にプラスチックを使うのをやめて、他の素材に替えるよう進めています。
日本には“もったいない”精神があるので、プラスチックを使っていないように感じるんですけど、“使い捨てのプラスチック”という切り口でいくと、一人当たりが出すプラスチックの廃棄量が世界第2位という残念な報告もあります。
秋元 日本は、プラスチック容器や包装の廃棄量が世界第2位!! これは…嬉しくない順位ですね。
JOY もう、当たり前に使っていたけど、そのままじゃいけないって言うことだよね。
秋元 そこで、【プラスチック・スマート】につながるということですね。
改めてプラスチック・スマートについて教えていただけますか?
土居 様々な環境への影響が出始めているプラスチックですが、元々非常に素材としては良いものですから、これを全否定するということではありません。賢く付き合って環境にも影響のないようにしていくことが必要になってきます。そこで、日本の様々な企業、自治体、NPO、個人など、すでに色々な取組をされている方々を盛り上げ、取組をさらに広げるため、プラスチックと賢く付き合いましょうという「プラスチック・スマート」というキャンペーンを昨年から立ち上げました。
秋元 具体的にどんなことをしているんですか?
土居 例えば、大手の飲料メーカーがインターネットでラベルの無いペットボトル飲料を販売しています。
これは、ネットで注文して家に届くという形態の場合、自分で注文していますので、この商品がどんな商品なのかラベルを見て確認する必要がありません。これが、非常に売れていると聞いています。飲料メーカーとしては、ラベルは商品の顔ですので、その顔をあえてなくした、かなり勇気のある決断だったと思います。これを消費者の方々が選択して買っていただいているというのが、企業へのメッセージにもなり、いい相乗効果になっていると思います。
環境省では、「プラスチック・スマート」のサイトに、企業などの取組を載せ、SNSやネットで情報発信しています。今、約400の企業、自治体、団体の方に登録いただいています。
かなり増えてきているんですが、今年の6月にG20が開催されますので、それまでには、1000くらいは集めて世界に発信していきたいと考えています。
JOY 今サイトを見ていたら、色々な試みが載っているじゃないですか。
参考になるものがこのサイトにいっぱいありますね。
秋元 こうした企業の取組の中には、私たち一人一人が参加できるものってあったりするんですか?
土居 5月30日から6月8日前後までの期間は【海ごみゼロウィーク】と呼びまして、全国各地でごみ拾い活動が行われます。
6月5日は【環境の日】、6月8日は【世界海洋デー】です。ごみ拾い活動には個人の方も参加いただけます。どこでやっているかという情報もサイトにありますから、是非、参加いただきたいと思います。
秋元 海のごみを減らすために、日々の暮らしの中で私たちにできることはありますか?
土居 非常に多くありまして、例えばレジ袋は日本では約300億枚、年間使われています。こういった物を減らすためにエコバックを持っていただくとか、あと最近軽くて便利な水筒などもできています。日々の生活からなるべくごみを出さない、ポイ捨てはしない、目についたごみは拾っていただく。ある意味当たり前なんですけれども、一人ひとりの行動が、最終的には海のプラスチックごみを無くしていくことにつながります。これをきっかけに、どういうことができるのか考えていただいて、1つでも2つでも、行動に移していただければ大変ありがたいと思います。
秋元 海のプラスチックごみは想像していた以上に深刻ですね。プラスチックって軽いじゃない。それが、魚の重量を超えるって相当な量だよね。企業も頑張ってくれているけど、私たち一人ひとりのアクションで、協力しあって変えていかなくてはいけないんだなとすごく思いました。自分本位じゃなくて、地球規模で色んなことを考えていかないとですね。
JOY 海の寂しい状況を目にしたことはあったけど、ここまで深刻になっているとは思っていなかったな。生態系にも悪い影響が出るし、人間にも悪い影響が出てくるかもしれない。色々な企業が様々な試みをして、少しでも改善をしていこうしているけど、やっぱりマイバッグや水筒を持ち歩くとか、こういうことから始めて、しっかり海を守っていかないとね。