若者を狙う悪質業者! あなたの気持ちにつけ込む手口と対策
新生活がスタートするこの時期は、学生や新社会人などの若い人を狙って、商品の購入やサービスの契約をさせる悪質な勧誘が増えるそうです。今回は、若者の“消費者被害”についてお話しました。
秋元 若者が被害に遭いやすい消費者被害ということですが、例えば、「無料でエステ体験ができるという広告を見てお店に行ったら、高額なエステコースを勧められて契約させられてしまった」「SNSで知り合った人にデートに誘われたら、高額な英語教材を勧められて買わされてしまった」といったケースもあるそうです。
JOY 無料だと聞いて行ったら断りにくい雰囲気になってしまい契約してしまったということかな。最近はSNSを使った勧誘などいろいろな手口があって怖いね…。
秋元 ここからは消費者庁・総務課長・日下部 英紀さんに伺います。最近、若者が遭遇する消費者被害にはどんなものがあるのでしょうか?
日下部 はい。例えば<投資用の教材ソフトを買わされてしまうケース>や、<自己啓発セミナーの契約をさせられてしまうケース>などがあります。もちろん、悪質な業者は時代に合わせて勧誘の手法や、購入させる商品、契約させるサービスなどを日々変化させていますので、若者が遭遇しやすい消費者被害はこれ以外にも沢山あります。
秋元 なぜ、こうした消費者被害にあってしまうのでしょうか?
日下部 色々な要因がありますが、一つは勧め方がとても巧みであることがあげられると思います。悪質業者から勧誘を受けた経験のある方やその関係者に話を伺ったところ、<身近な人や知人が勧誘のきっかけになっているケース>が見られました。友達から「すごい人に会ってほしい」と言われ会ってみたら、その人から商品やサービスを勧められたというケースです。
秋元 信用している友達から紹介されたら疑いにくいですよね。
日下部 そうですね。友達の友達から勧誘を受けて真に受けてしまって、<商品の価値を適切に判断できない>、また、友人の手前<断りづらい>、そうした心理が働いて被害に遭ってしまう事例は少なくありません。また長い時間話を聞かされ疲れてしまい、その場から逃げたいという心理から被害にあってしまう場合もあります。また勧誘をする人は、あらかじめ相手の情報を知り、どこを刺激すれば心が動くのかわかった上で話をしてきます。例えば、就活中で将来に不安を感じている学生だと予め分かっていれば投資で儲かっている若者の話を聞かせて投資用の教材ソフトを勧めます。
秋元 悩みや不安につけ込んでくるんですね。被害にあわないためにはどうしたらいいのでしょうか?
日下部 まず、誰でも心理を利用されて被害にあう可能性があることを知ることです。「自分だけは大丈夫」と過信しないことが大切です!
JOY いや、でも、自分が騙されやすいと思ってる人って少ないですよね?
日下部 そうですね。自分を客観的に見るのは難しいので、心理傾向で消費者被害にあう危険度を測ることができるチェックシートをぜひ活用してください。18歳から29歳の若者を対象に1万人規模のアンケート調査を実施し、それをもとに作成しました。
秋元 【心の弱さを診断!! 「自分は大丈夫」と思っていませんか!? だまされやすさを測る心理傾向チェック! 点数を付けて合計点を出してみましょう】と、ありますね。
JOY 15項目に、「ほとんど当てはまらない」から「とても当てはまる」まで5段階で答えていくんだね。
日下部 実際にやってみた方の中には、自分の予想よりも騙されやすいことがわかって驚いている方もいました。また、合計点が30点未満の方でも4人に1人は契約をしてしまう傾向があることがわかっていますので、自分は大丈夫だと思っても油断は禁物です。
JOY こういうチェックシートで自分の性格を知っておけば、勧誘を受けた時に踏みとどまることができるかもしれないね。
日下部 「買わないと相手に失礼だ」と思ってしまったり、今すぐ判断するように言われたとしても、立ち止まって冷静に考えてください。家族や信頼できる相手に相談することも重要です。悪質な業者はあらゆる手段で若者を狙ってきます。まずは自分の性格面の弱みをチェックして、自分を知って下さい。チェックシートは消費者庁のホームページに掲載されています。また、困ったときは、一人で悩まずに「消費者ホットライン」電話番号「188」にご相談ください。
JOY 僕もチェックシートやってみたけど、28点!優秀でしょ?でも、30点未満でも4人に1人は契約しちゃうかもしれないということだから、気を付けないとね。
秋元 私は43点。自分ではもっと低いと思ってたから、自分も騙される可能性があるんだって、知っておくことは大事ですね!