秋元才加とJOYのWeekly Japan!!

生活に身近な情報や政府の取り組みをわかりやすくお伝えする番組「秋元才加とJOYの Weekly Japan!!」。番組パーソナリティーの秋元才加とJOYが、毎回、生活に密着したトークをゲストと繰り広げ、私たちの暮らしに必要な情報をお届けします。

2019.03.09

心に寄りそう 若者の自殺防止対策



今、19歳以下の若者の自殺者数が増加しており、その問題は深刻です。もし、身近に悩んでいる人がいたら、私たちには何ができるでしょうか?今回は、若者の自殺防止対策について伺いました。

JOY  若い人が自ら命を絶ってしまうのは本当に悲しい…。日本の未来であり、宝だからね…。

秋元  手を差し伸べてあげたいと思っても、どうしたらいいのか…難しいですよね。ここからは厚生労働省・自殺対策推進室の萩原竜佑さんに伺います。若者の自殺は悲しい問題ですが、年間でどれくらいの方が亡くなっているのでしょうか?

萩原  平成29年の日本の自殺者の数は全体で2万1321人、そのうち19歳以下の若者は567人で、全体の2.7%となっています。ただ、前年からの自殺者数の動きを年齢階層別に見ると、20歳以上の各階層では減少しているのに対し、19歳以下では47人も増えているんです。

JOY  若い子が増えてしまっているんですね…。

萩原  日本の若者の自殺は国際的にみても深刻です。若くして亡くなった方の死因を調べると、15歳から34歳で最も多いのは、事故や病気ではなく“自殺”です。これは先進国では日本だけなんです。

JOY  何が原因なんだろう…

萩原  自殺の要因はひとつだけに限らず、色々なことが絡み合っていますが、19歳以下の場合、学校問題が多く、続いて健康問題、家庭問題、男女問題、勤務問題、経済問題の順になっています。やはり一人で悩まずに誰かに相談することが大切なのですが、周りの人に相談することを躊躇する人や、相談できる相手がいない人もいます。そのため厚生労働省では、電話やFAXなどで相談を受け付ける体制を整えています。ただ、若者の場合、電話を利用する方は少なく、中には「電話が怖い」という方もいるようです。

秋元  メールやLINEが身近にある世代だから、文字のほうが気持ちを伝えやすいのかもしれませんね。

萩原  そこで昨年からはSNSなどで相談できる窓口を設けています。【厚生労働省 SNS相談】で検索していただくと、厚生労働省のSNS相談事業のページをすぐに見つけることができます。こちらのページではLINEやTwitter、Facebookなどで相談を受け付けているNPO団体を知ることができます。匿名での相談も可能ですし、相談内容が外部に漏れることはありません。

JOY  なるほど、これは時代に合った取組だね。

秋元  私たちにもできることはありますか?

萩原  はい、みなさんには「ゲートキーパー」になっていただきたいと思います。「ゲートキーパー」とは、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る人のことです。保健室の先生など、悩みを抱えている若者に接する機会が多い職業に就いている方の中には、日頃からこの役割を担っている方もいます。資格は必要ないので、役割を理解し行動することで、誰でもなることができます。

JOY  具体的にはどういった行動をすればいいんですか?

萩原  まず家族や友達の変化に気づいて声をかけてください。「眠れていない」「食欲がない」「口数が少なくなった」など、様子がいつもと違う場合は、「どうしたの?」「何か悩んでる?よかったら話してみて」など、声をかけてください。その際、本人の気持ちを尊重して、相手を否定しないことが大切です。話を聞いたら、「話してくれてありがとう」「大変だったね」というように労いの言葉をかけてください。

JOY  この一言で、気持ちが少し楽になるかもしれないね。でも、話が深刻すぎて受け止めきれないときはどうしたらいいですか?

萩原  必要と判断したら、早めに専門の窓口に相談するように促して下さい。若者の場合は、先ほどご紹介したSNSで相談にのってくれるNPO団体などを紹介してあげて下さい。きちんとアクセス方法を教えて、登録手続きなども手伝ってあげるといいと思います。専門の窓口に、より確実につなげることが大切なんです。さらに紹介したらそれで終わりではなく、その後も温かく見守ってください。そして、「必要ならいつでも相談にのるよ」と伝えてあげてください。

秋元  「一人じゃないよ」って伝え続けることが大切ですね。相談窓口というのは、どういったものがあるのでしょうか?

萩原  【こころの健康相談統一ダイヤル】というナビダイヤルがあります。0570-064-556にお電話いただくと、全国の自治体が実施している「心の健康電話相談」などの電話相談につながります。窓口は他にもありますので、詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。

JOY  困っている、悩んでいる様子の人がいたら、こういう相談窓口に「一緒に相談してみよう!」って声をかけてあげることで、救える命がたくさんあるんじゃないかな。

秋元  誰でも「ゲートキーパー」になれるということですよね!