冬場の製品事故を防ぐ、大掃除大作戦!
本格的な冬を迎える前に、暖房器具や電化製品の掃除、点検をしっかりすることで、火災などの事故を防ぐことができるそうです。今回は、『冬場の製品事故を防ぐ、大掃除大作戦!』をテーマにお話しました。
JOY 冬は電気ストーブ、こたつ、加湿器とか、暖かく快適に過ごすためにいろんな製品を使うよね。でも掃除とどんな関係があるんだろう?
秋元 ここからは経済産業省・産業保安グループ・製品安全課長の原伸幸さんに伺います。まず、冬場の製品事故とはどういったことでしょうか?
原 はい。寒さが厳しくなる冬場は、暖房器具をよく使いますよね。そうしたこともあって12月から3月までの間は暖房器具による事故が多く、平成25年から29年までの5年間で519件の事故が報告されています。しかも、そのうち9割以上が火災を伴う事故となっています。
秋元 火事になったら、家や命を失うこともありますから、怖いですよね。どんな事故が発生しているのですか?
原 電気ストーブによる火災が多くなっています。電気ストーブは火を使用しないため危険性が低いと思われがちですが、表面が熱くなっているため、石油ストーブと同じように、可燃物に燃え移って家が全焼するような火災や死亡事故も起きているんです。脱衣所を暖めるために電気ストーブのスイッチを入れていて、衣服などの燃えるものが接触して火災が発生してしまうケースもあります。
JOY 僕も電気ストーブは安全だと思っていたけど、そうじゃないんだ…。
秋元 そもそも、なぜ製品事故が発生してしまうんですか?
原 製品事故は、製品そのものに問題がある場合のほかに、“誤った使い方”や“不注意”によるものも多いことが分かっています。例えば、冬場は電気ストーブや電気カーペット、こたつなどの暖房器具をはじめ、加湿器、電気ポットなど、普段よりも多くの電気製品を使いますよね。そんな時プラグの差し込み口がたくさんついているテーブルタップを利用される方も多いと思います。コンセントや延長コードなどには、持続的に使える最大の消費電力が定められていて、複数の電気製品を接続する時は、それぞれの消費電力を確認して、その合計が最大消費電力を超えないようにする必要があります。最大消費電力を超えて利用すると、コードやプラグが発熱して出火することもあるんです。
JOY いわゆるタコ足配線だよね。便利だからついやっちゃうけど、最大消費電力まで確認している人は少ないかもしれないな。
秋元 “不注意”による冬場の製品事故には、どういったものがありますか?
原 ホコリによる事故です。コンセントと電源プラグの隙間にホコリがたまった状態になっていると、本来電気が流れないところに電気が流れて発熱・発火してしまう「トラッキング現象」が起きる恐れがあります。こぼれた飲み物や、結露、掃除機にあるフィルタの掃除不足でもトラッキング現象は発生します。こまめに掃除をして汚れがつかないようにすることはもちろん、コンセントカバーを利用するなど、ホコリや液体、異物が入り込まないように予防するのも有効です。
秋元 お掃除だったらすぐにできそうです!でも、“こまめに”っていうのが、なかなかできないんですよね。
原 ぜひ、この大掃除の時期に、コンセントや電気用品の汚れをチェックしてお掃除をしてください。大きな家具の後ろなど、日頃のお掃除では行き届かない場所を意識して確認することをお勧めします。その他にもトイレの温水洗浄便座のプラグなども見落としがちだと思いますので、汚れやホコリがついていないか確認してみましょう。
秋元 他にも、大掃除の際に確認しておけばいいことはありますか?
原 お持ちの製品がリコール対象かどうかも、この機会に確認してください。これまで経済産業省が報告を受けたリコールの対象数を全部足し上げると1500万個近くになります。リコール情報は新聞やダイレクトメールなどで繰り返し告知されているものもあれば、事業者のホームページにしか掲載されていないものもあります。経済産業省のホームページ【製品安全ガイド】では、リコール製品を一覧にして公開しています。リコール製品だった場合は不具合が生じていなくても使用を中止して、お買い求めの販売店や製造・輸入業者に相談してください。
JOY 実は僕が使っている布団乾燥機にもリコール対象の案内が来ていたんだよね。問題なく使えるからといってそのまま使っていると、それが火災の原因になったりするんだね。リコールの対象だと知らずに使っているものもあるかもしれないから、調べることが大事だね!
秋元 身の回りの製品事故を防ぐために、大掃除を兼ねて、しっかりチェックしておきたいですね!