リコチャレ
今、理工学の分野では、女性の研究者・開発者ならではの視点や発想で多くのヒット商品が生まれています。今回は、理工学分野にチャレンジする女子を応援する『リコチャレ』をテーマにお話しました。
JOY 今は、いろんな分野で女性が活躍してるよね!
秋元 そうだね!そして、今後ますます女性の活躍が期待されているのが、理工系の分野なんだそうですよ。ここからは理工系女子応援大使、ステム・ガールズ・アンバサダーのズナイデン房子さんにお話を伺います。まず、『リコチャレ』について教えてください。
ズナイデン はい。『リコチャレ』とは、女子中高生、女子学生の皆さんが進路を選択する時に、将来の自分をしっかりイメージして理工系分野にチャレンジすることを応援する内閣府の取組です。「理工チャレンジ」を略して『リコチャレ』といいます。
JOY へえ!覚えやすくていいね。
秋元 ズナイデンさんは、「理工系女子応援大使(ステム・ガールズ・アンバサダー)」として活動されているんですよね?
ズナイデン はい。女子中高生などの理工系分野への進路選択を促すためには、活躍している女性の姿を示すことが効果的と考えて、6月から活動をスタートしました!STEM(ステム)とは、Science、Technology、Engineering、Mathematicsの頭文字をとったもので、海外でもこの分野の女性活躍が重要視されています。
秋元 なぜ、女子中高生などの理工系分野へのチャレンジを応援する必要があるのですか?
ズナイデン 科学技術や学術の分野では、多様な視点や発想を取り入れることがイノベーションを起こしていく上で不可欠なため、女性の研究者や技術者の活躍が期待されています。研究者に占める女性の割合は、イギリスでは39%、アメリカでは33%であるのに比べ、日本は15.7%で、他の先進国と比べてとても低い状況です。それ以前に、大学の専攻分野別に比べてみると、理学や工学を専攻している女子学生の割合は、他の学部よりも極めて低いことが分かっています。そのため、女子中高生の理工系への進路選択を応援するために取り組んでいます。
JOY なるほど。女性には、男性にない視点や発想があるから、女性が増えたら大きく変わっていきそうだね。
秋元 理工系というと、具体的にはどんな分野ですか?
ズナイデン 「理学」は物理学、化学、天文学など自然科学を研究する学問のことをいいます。「工学」は、科学の知識を生かして、色々な物をたくさん生産するための方法を研究する学問で、機械工学、土木工学、建築工学、電子工学などがあります。
JOY 幅広いね。「工学」とか「土木」って聞くと、やっぱり男子のイメージがあるかも。
秋元 でも最近は、土木や建築にも女性が多くなってきましたよね!
JOY 実際、理工系の勉強をした方は、どんな仕事をしているんですか?
ズナイデン 世の中に出ている商品の開発には、大体、理工系の勉強をした方が携わっていると言っても過言ではありません。具体的な商品としては、車や化粧品、家電、ゲームアプリやVRゴーグルなどがあります。活躍の分野は、このような身近な商品の研究開発やマーケティングのほか、国内外の建設現場や、宇宙飛行士まで幅広くなっています。そして最近では、子供を抱いた状態で乗り降りしやすい車の開発や、1本で1食分の野菜が摂れるグリーンスムージー、マイナスイオンが出て髪に優しいヘアドライヤーなど、女性が開発に携わった人気商品が次々と生まれています。
秋元 そのドライヤーは私も使っています!女性ならではの発想なんですね。ズナイデンさんはブランド・マーケティング分野で、理工系の知識や経験を活かして、数々のヒット商品を送り出しているということですが、これまでどんなことをされてきたのですか?
ズナイデン 化粧品会社では、20代の女性をターゲットにした新しいブランドの立ち上げをしましたし、食品会社では、カロリーを抑えたヘルシーなカップ麺の商品開発に携わりました。
JOY 理工系分野を勉強した先にはブランドを任せてもらえたり、可能性が広がってるんですね。
ズナイデン 可能性は無限に広がっていると思います!女性の活躍を促進して多様な視点や発想を取り入れることは、イノベーションを創出する上で必要不可欠です。企業や大学、学界でも理工系分野出身の女性を求めています。「リコチャレ」では理工系分野出身で現在活躍している先輩女性のメッセージを発信していますので、今、進路に悩んでいる女子中高生はぜひ、理工系にも興味を持って、まずは知ることから始めてみて下さい。
秋元 もし興味を持って、どうしようかな?と迷ったら、すぐに決めなくても選択肢の一つに入れてほしいな。私も学生に戻れたらリコチャレしてたかも…
JOY いろんなジャンルで女性の研究者が増えたら、もっと素晴らしい商品がたくさん生まれるんじゃないかな!どんどんチャレンジしてほしいね。