ココロもカラダも大満足! 共食のすすめ
一人で食事をする「孤食」と、誰かと一緒に食事をする「共食」。今、ライフスタイルの変化などから「孤食」の人が増えているそうですが、「共食」には栄養や食育の面でも様々なメリットがあります。今回は、『共食のすすめ』をテーマにお届けしました。
JOY 「孤食」っていう字がもう寂しいよね。僕はひとり暮らしだから、一人で食べることも多いけど、この字を見たら急に「共食」したい!と思った。(笑)
秋元 私も。実は「孤食」には、デメリットも少なくないようなんです。ここからは、農林水産省の大隈由加里さんにお話を伺います。最近、「孤食」の人が増えているということですが、どうしてなんでしょうか?
大隈 今、日本は少子高齢化が進み、ひとり暮らしの高齢者の世帯、夫婦だけの世帯やひとり親世帯なども増えていますから、すべての世代において、一人で食事をする機会が増えてしまっているんです。
秋元 いろいろな家庭の事情で、止むを得ず孤食になってしまっているということですか?
大隈 そうですね。昨年、農林水産省が「食育に関する意識調査」をおこなったところ、20〜50歳代の3割以上は、「家族が一緒に食事をする時間を作ることが難しい状況」と答えています。その主な理由に「自分や家族の仕事の忙しさ」をあげています。
JOY 家族の生活リズムもバラバラだったりして、ウィークデーにみんなが揃ってご飯を食べるのは難しいですよね。
大隈 そうですね。共働きも増えていますので、子供だけ、夫だけ、妻だけで食事をするご家庭も少なくはないと思います。でも一人で食べる食事が増えると、好きなものばかり食べてしまって、栄養が偏りがちになります。また子供のいる家庭では、親子のコミュニケーションも少なくなって、親が子供に食事のマナーを教える機会も減るなどのデメリットがたくさんあると思います。
JOY 特に子供たちは、家族とごはんを食べるときに学ぶこともたくさんあるからね!
秋元 日々あったこととか、食事中の会話で気づくこともあるよね。
大隈 ですから、働き盛りの方には“ワーク・ライフ・バランス”を意識した働き方を心がけていただき、家族や友人など、誰かと一緒に食事をする「共食」の機会を増やしていただければと思っています。
秋元 なるほど、共食は家族だけとは限らないんですね。
大隈 はい。家族はもちろん、ひとり暮らしの方は友人などと食べることも大事です。共食のほうが、主食、主菜、副菜、3つ揃えて食べる割合が高く、栄養のバランスが良い傾向にあるという調査結果があります。
JOY 確かに、一人で食べるより、人数が多いほうが自然と品数も増えるし、偏った食事になりにくいのかもね。
秋元 最近は「ノー残業デー」などを設けている会社もありますから、そういったものを活用して、家族や友人と共食する機会を増やすといいですよね。
大隈 また最近は、家庭での共食が難しい子供達に対して、地域の大人の方たちが、子供たちに無料や低価格で、栄養のある温かい食事を提供する「子供食堂」の取組も広がっています。地域の方々による自主的な取組ですが、食育の取組も積極的に行っていただいていて、食事のマナーや食材の旬、郷土料理などについて教えたり、子供に配膳の手伝いや調理の体験をする機会を設けているところもあります。
JOY 食べるだけじゃなくて、しっかり学ぶこともできるんですね!
大隈 実は6月は【食育月間】で、全国で食に関する様々なイベントを行っていて、共食を体験できるイベントもあるんです。例えば、6月23日(土)と24日(日)には、大分県大分市J-COMホルトホール大分とその周辺で【第13回 食育推進全国大会inおおいた】を開催します。食育に関するシンポジウムやワークショップの他、展示ブース、飲食ブースを設けて食育の大切さを伝える予定です。お近くの方はぜひご来場ください。
JOY 「共食」の大切さがわかったよ。一人で食べてる子供たちは、きっと大人以上に寂しい思いをしてると思うから、「子供食堂」のような場所も積極的に活用してほしいな。
秋元 みんなで食べたほうがおいしいもんね。毎回共食することは難しくても、ちょっと意識して共食する機会を増やせば、体だけでなく心も喜びそうだね。