秋元才加とJOYのWeekly Japan!!

生活に身近な情報や政府の取り組みをわかりやすくお伝えする番組「秋元才加とJOYの Weekly Japan!!」。番組パーソナリティーの秋元才加とJOYが、毎回、生活に密着したトークをゲストと繰り広げ、私たちの暮らしに必要な情報をお届けします。

2018.04.28

熊による被害を防ぐ方法

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ゴールデンウィークが始まりました!この時期、ハイキングや山菜採りで山に行く方は、熊との遭遇に十分に注意が必要です。今回は、熊による被害を防ぐために、私たちが心がけておくべきことについてお話しました。

秋元  JOY君は、熊に遭遇したことがあるって言ってたよね?

JOY  そうなんですよ、子供の頃に山で見かけてびっくり!“クマさん”っていうとかわいいイメージだけど、リアルは強烈だったよ。

秋元  そんな熊と人間とのトラブルについて、ここからは環境省の白岩誠さんにお話を伺っていきます。ここ数年、熊出没のニュースをよく聞くように思いますが、実際はいかがでしょうか?

白岩  熊と人間が遭遇したことによる人身事故は、毎年50〜150件が発生しています。大きな事故では、一昨年、秋田県で4件の死亡事故が連続して発生したという事例もあります。

JOY  そんなに発生しているんですか!

秋元  熊はどのあたりに生息しているのですか?

白岩  日本にはヒグマとツキノワグマの2種類の熊が生息しています。ヒグマは北海道に生息し、ツキノワグマは九州ではすでに絶滅していて、四国では十数頭しか生息していないといわれていますが、本州には一部の県を除き広く生息しています。東京都にも熊の生息地はあるんですよ。

秋元  人里に熊が出没したというニュースも聞きますよね?

白岩  そうですね。絶滅している地域がある一方で、人間の生活圏近くに分布が拡大している地域も多いということがわかっています。

秋元  なぜ分布が広がっているんですか?

白岩  まず環境の変化です。熊の生息地のほとんどは森林ですが、木の実などの食べ物が不作の年は、それを求めて人里に近づくことがあります。また、かつて里山の山林は管理されていて野生の動物が人里に近づきにくかったのですが、過疎化や高齢化が進み、手入れが行き届かなくなっています。そのため、山の奥から人里まで森林は切れ目なく続いてしまい、熊は食べ物を探しているうちに、気付いたら民家の近くまできてしまっているということが考えられます。

秋元  それで、出会い頭に襲われたり、農作物を荒らされてしまったりするんですね。そうしたトラブルを防ぐには、どうしたらいいのでしょうか?

白岩  まず、私たち人間が熊の行動をよく知ることが大切です。熊は基本的に人を避ける動物です。ただ、突然人と出会うと身を守るために攻撃してくる可能性があります。これからの季節は、若い熊が親離れして大きく移動したり、オスがメスを求めて行動範囲を広げるので、普段、熊が生息しない地域で出没することもあります。日頃、熊の出没情報がないからといって、油断してはいけないんです。

秋元  では、ハイキングや山菜採りなどで山に入る時はどうしたらいいですか?

白岩  大切なのは、熊に出会わないことです。それぞれの自治体ではホームページなどに熊の出没情報を掲載していますので、必ず事前にチェックしてください。それでも出会ってしまったときは、走ったり大声を出したりしないで、熊から目を離さずにゆっくりと静かに後退してください。背中を見せて逃げてはいけません。森林の場合は、万が一の突進に備えて熊との間に障害物がくるようにしてください。

JOY  怖くてダッシュで逃げちゃいそうだから、これは知っておかないと!

秋元  では、熊が人里に現れないように、私たちができることにはどんなことがありますか?

白岩  そうですね。熊は学習能力が高く、人間の食べ物の味を覚えると農作物や民家のゴミを狙うようになってしまいます。ですから、熊の餌となるようなものを外に置かないこと。例えば、廃棄する農作物や、放置したままの果実などは、きちんと処分してください。キャンプや遠足でゴミを放置するのもいけません。

秋元  熊を人里に寄せ付けないことが大切なんですね。

白岩  はい。それから、熊が人里に近づきやすいような薮や山林はできる限り手入れをしてください。自治体でも草刈りなどの環境整備を進めています。熊は、木の実などを食べて、その種をフンとして出すことで植物の繁殖を助けるなど、森の生態系を支える役目を果たしていますから、上手に共存していくために人間が配慮することが大切です。

JOY  熊と人間との共存って大事なんだね!熊が人里に下りてくるのは、僕らにも責任があることだから気をつけていかないとね。

秋元  熊も人間も同じ地球に住む生き物ですから、境界線を守って、仲良く暮らしていきたいですよね。