純白の美「博多えのき」が醸す、唯一無二の高級感
福岡
2021.12.09
福岡の美味しい農産物を求めて、今回最後に訪れたのは「博多えのき」の生産地。
実は福岡県は、エノキの都道府県別生産量でもベスト3の常連。
全国でお馴染みの食材ですが、ここで出逢ったエノキは、他とは一味違う“美しさ”でした。
「博多えのき」を求めて訪れたのは、三潴郡大木町。
JA福岡大城えのき部会の大塚敏秋部会長にお話を伺いました。
大塚さんが生産するエノキ…その色に注目して下さい。
最大の特徴は“白さ”です。
一般的なエノキは若干クリーム色っぽい色合いですが、「博多えのき」の色は純白。
まるで真っ白な紙と同じくらいの白。
この色に大塚さんは一目惚れして、栽培に乗り出したそうです。
そして、もう一つの特徴は一本一本の“細さ”です。
外側のより細めの部分は、もはや針のよう。
大塚さんは「日本で一番細いかも知れない」とお話しされていました。
ちなみに、この“白さ”や“細さ”は、こちらで栽培されている博多えのきの品種「大木白雪919」が本来持っている特性によるものだということです。
実は、「エノキが細い」ということは、水分含有量が少ないということ。
一株当たりの重量が下がるため、重さと値段の関係性から言うと、生産者にとっては効率が下がる作物ということになります。
それでも作るのならこのエノキだと心に決めている大塚さん。
いかにこのエノキを愛しているかが伝わってきますよね。
そんな純白のエノキを最高に楽しめる食べ方を、大塚さんが教えてくれました。
それは、「黒塗りのお椀で、お吸い物にする」という食べ方。
白さがさらに際立って、その美しさを一層目で楽しめるそうです。
一方、カジュアルな楽しみ方としては、レンジでチンした後で水にさらし、「麺の代わりに使う」という方法。
大塚さんの今のお気に入りは、市販の久留米ラーメンのスープに入れる食べ方だそうですが、他にもパスタソースとからめたり、シンプルにそばつゆで楽しむのもオススメとか。
本物の麺よりカロリーが少なく、ダイエット中の食事にはピッタリですね。
そして、シャキシャキ音が外にまで聞こえるという独特の食感は、この細さが生み出す賜物。
東京に戻ってから、頂いたひと株でエノキのお味噌汁を作ってみたんですが、お味噌色の中でも、その白さにウットリできましたよ。
この「博多えのき」は、九州から東京あたりまで流通しているそうです。
もし店頭で見かけたら、ぜひ一度手に取ってみて下さい。