夜9時頃。さそり座を追いかけるように、南の空にいて座が昇っています。明るい1等星がなく、その形がちょっとたどりにくいいて座ですが、6つ2等星と3等星が形づくる小さな「ひしゃく」を探してみてください。逆さまになったこの小さなひしゃくは「南斗六星」と呼ばれています。北の空に見える「北斗七星」はおなじみですが、同じように南の空にも「ひしゃくぼし」があるんですね。

夏の夜空の天の川は、この南斗六星のあたりが最も明るく濃く見える場所です。西洋では、天の川はミルクの流れとされていることから、南斗六星は英語で「ミルクディッパー（the Milk Dipper）」（ミルクをすくうさじ）と呼ばれるそうです。ミルクの流れをすくおうとするスプーンのように見えますね。いて座付近の天の川には、たくさんの美しい星雲や星団がひしめいています。その流れの中からすくい上げられるのは、ミルクだけではなく、天の川の中で輝く夜空の宝石たちも一緒かもしれませんね。

AuDee