夜8時頃、空がすっかり暗くなった頃に頭の真上に昇っているのが「かに座」です。明るい星がなく控えめな星座ですが、ふたご座としし座のあいだを探すと、3等星と4等星の4つの星がつくる、ちょっとひしゃげた四角形が見つかります。これが蟹の甲羅にあたります。月のない夜、よくよく目をこらすと、この四角形のなかにぼんやりと光のかたまりが見えます。そこに双眼鏡を向けると、星がまばらに集まっているようすがわかります。これは「プレセペ」と呼ばれる星団で、実際には数百個の星の集まりなのだそうです。かに座は、ギリシャ神話では巨大な怪物の蟹として登場しますが、春霞の空の中ではあまり目立たず、ちょっと迫力のない姿の星座です。かわいいですね！

AuDee