冬になると、ちょっとだけ素敵な時間が、いつもよりひとつ増えます。その時間は、寒い夜に、まだひんやりとした布団に入ったところから始まります。顔を少しだけ左に向けると、窓から、澄み切った夜空が目に入ってきます。目が慣れてくると、少しずつ見えてくる星々。星々は、時が経つにつれて、地球の自転に合わせて、ゆっくりと動いていきます。いつしか、彼らが窓枠の端に近づいて行き「また明日ね」と言う頃に、自分も眠りに落ちていく。毎晩ではないけれど、そんな素敵な夜が時々訪れる、冬の夜の、ささやかな楽しみです。

AuDee