東京まちかど天文台

2014年05月16日

2014年5月16日オンエアレポート



今夜も東京まちかど☆天文台をお聞き頂きまして
ありがとうございました。

今日は国立天文台名誉教授、国際天文学連合会長の
海部宣男先生をお迎えしてお届けしました。

海部先生は 世界の天文学のボスともいえる存在。
ハワイのすばる望遠鏡を始めとする、日本の大型望遠鏡建設の中心人物です!
大型望遠鏡のある、星の観測に理想的なのは、天気がよく、
標高が高く、空気が透明で、静かな場所だそう。
そしてキレイな星のまたたきは、実は天文学者にとって嫌なものなんだとか。
せっかく望遠鏡で光を集めてもボケてしまうので、天文学の大敵!
本当は空気のない宇宙に行きたい!というのが天文学者の思いだとか。

野辺山の電波望遠鏡のロケーションは先生たちが日本中を調べて決めたそう。
野辺山は電波天文には標高が高くて乾燥して、寒いので素晴らしい場所!!
寒いと空気中の水蒸気が少ないから透明度が高いのだそうです。

篠原さんは、星と「目が合う」という感覚を持っていますが、
先生は「研究の対象」として、目ではほとんど見えない天体を観測されています。
冷たい宇宙の雲や遠い銀河とは、なかなか「目が合う」ということはないけど、
望遠鏡で出会っているのだとおっしゃっていました。

そして、先生は今年、日本を含むアジアの13の国と地域から
68話に及ぶ星の物語を
集めた「アジアの星物語」(万葉社)を出版されました。
篠原さんは即興の歌のような自由な物語にびっくり!
先生曰く、物語はもともと歌だったそう。
アイヌの「ユーカラ」、沖縄の「おもろ」などは神様に捧げる歌。
そもそも歌は神様に祈るものでした。

天体は昔神様だったので、歌と星は結びついているのだそう。
輝くだけじゃなく整然と動く・・・というのは神様しかできない!
太陽がなければ生きていけない、お月様もありがたい・・・と、
昔の人は天体を崇拝する気持ちが強かったんですね。

先生がこの本を思いついたのは2008年。
中国に行っても、タイに行っても、プラネタリウムでギリシア・ローマ神話を
紹介していることを悲しく思ったことがきっかけでした。
アジアの人と協力して星・月・太陽の神話・伝説を集めて世界に発信しよう!
そして、アジアの中でもお互いに理解したいと、呼びかけたところ集まってくれたのだとか。

海部先生が監修された本「アジアの星物語」についての詳細はこちらから



★ ★ ★ 本日のオンエア曲 ★ ★ ★
♪ Good Day Sunshine / The Beatles
♪ アジアのこの街で / 上々颱風

★ ★ ★ 星空インフォメーション ★ ★ ★
夜8時をまわった頃、東の空からフルムーンを1日過ぎた
明るい月が昇ってきます。

十五夜の満月の翌日の月は、「十六夜(じゅうろくや)の月」と書いて
「十六夜(いざよい)の月」といいます。

「いざよう」とは「ためらう」という意味。
西の空に日が沈んでから、すぐに昇ってくる満月とは違い、
なかなか姿を現さない翌日の月は、まるでためらっているかのように
見えることから、この名前で呼ばれているんです。
月の出を今か今かと待つ、昔の人の想いが感じられますよね・・・

また、5月、6月頃の月は、さらにためらっているのか、
南の空の低いところで、ぼんやりと控え目に光ります。
空高く昇り、りんと輝く秋の月とは、また違った趣きのある、
やさしいお月様です。
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