オンエアブログ

2018年03月10日

2018年3月10日のオンエアレポート

今夜はNASA ジェット推進研究所の小野雅裕さんにお越しいただきました!

小野さんはNASAの研究所で
火星探査ロボットの開発をリードしている気鋭の日本人!

働いていらっしゃる「ジェット推進研究所(JPL)」とは
どんなところなんでしょう?

例えば、私たちが図鑑などで目にする火星表面の写真…
あれはJPLが開発したローバーが撮ったもの!

土星の綺麗な環の写真…
あれはJPLが飛ばした探査機「カッシーニ」が撮ったもの!

あるいは海王星の青く美しい写真…
これもJPLが作った探査機「ボイジャー」が撮ったもの!

つまり宇宙や太陽系の謎を解くために、
名だたる無人探査機を送っているのがJPL。
宇宙探査の最先端にいらっしゃるんですね☆彡

小野さんと宇宙との出会いは、
5歳くらいの時に、お父さんがくれた望遠鏡だったといいます。

そして7歳の時(1989年)、ボイジャー2号が海王星に接近!
その際撮られた青い海王星の写真が、心の奥深くに刻まれたのだとか…

このボイジャーを作ったのが「ジェット推進研究所(JPL)」と聞き、
心に残ったこの研究所に、24年経って入ることになったそう。
少年時代の淡い憧憬を形にされたんですね+゚:。*+

現在は、次に火星に飛び立つローバー「マーズ2020ローバー」の
自動運転のためのソフトウェアを作っている小野さん。
ローバーが自分の目で地面を見て、走れそうな場所を確かめつつ
安全な経路を決めゴールを目指す…
そんな機能の開発に打ち込んでるといいます。

日々の仕事はプログラミングの間違い探しという “泥仕事” と語る小野さんですが、
忙しい中でふと目をつぶり
「自分のやっているこの仕事が3年後くらいには火星に行くんだ」
と思うと胸が躍るそう♪
自分の仕事が人類の大きな進歩の一部になる…と思うと楽しい、
そうおっしゃっていました☆

ところで、この番組をお聴きの方の中にも
「NASAに入りたい!」とお思いの方もいるのでは!?
そんな方のために、NASAに入る秘訣を伺うと…

小野さんは一番に掲げたのは「夢」という言葉。
実は小野さん、1度NASAの試験に落ちたことがあるそう!
それでもまた頑張り直して受かった…
何が自分を諦めさせなかったかというと、
それはやはり「夢」だったんじゃないか? そう語ってくださいました。

「宇宙好きと阪神好きはやめられない」と小野さん。
どんなに負けても阪神を応援するのと同じように、
どんなにくじけても宇宙への夢はあきらめられない…
熱い想いが伝わりますね!笑


そんな小野さんは先月、
『宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八』
という本を発表されたばかり。

初めて宇宙に飛んだロケットから、最新の探査技術まで
宇宙探査についてとっても分かりやすく教えてくれるこの本。
篠原さんも読んで「面白い!」と絶賛!
表紙には、小山宙哉さんの漫画『宇宙兄弟』の主人公
ムッタがデザインされています☆

タイトルにある “一千億分の八” という数字には深い意味が…

私たちがいる天の川銀河には、
だいたい1000億(〜数千億)の惑星があると言われています。
その中で人類が探査機を飛ばした惑星は、太陽系の8つだけ。

いかにまだ人類が宇宙を知らないか…
どれだけこの先の旅路が長いか…
どれだけ宇宙は広いか…
そんな思いを込めたタイトルだといいます。

篠原さんが興味を持ったのは、火星のサンプルリターン
(火星の土を採取して地球に持って帰る)の話!

小野さんによるとNASAの現在の最大の目的のひとつが、
地球外生命探査…宇宙に命はあるのか!?を突き止めること。

火星には40億年前に水があり、濃い大気があり、
温暖な気候だったことは、すでにわかっているそう。
その時すでに地球には生命が誕生していた…
ということは同時期の火星にいてもおかしくない!!

そこで、一番その証拠がありそうなところにローバーを送り
土を持って帰る…ということにチャレンジしているのだとか。

そのミッションの第1弾となるのが、
現在小野さんが開発している「マーズ2020ローバー」!

このローバーが火星の土や岩を試験官に詰めて
火星上に置いてくる…という役割を担うのだそう。

そして次に打ち上げたローバーがそのサンプルを拾い、
ロケットに乗せて火星軌道に打ち上げ…

最後に火星軌道で待機していた探査機が
サンプルを受け取り地球に帰還する…

そんな3弾構えの壮大なサンプルリターン計画!
本の中では挿絵付きでわかりやすく紹介されています。

執筆する上で「無味乾燥な技術解説にしたくなかった」と小野さん。
どんな科学技術も、裏にはそれを作った、発見した人間がいて、
人間のドラマがあり、感情がある…
そこから書きたかったのだといいます。

誰が宇宙に宇宙船を飛ばしたか?
もちろん、宇宙飛行士や大統領の貢献は素晴らしいものだけど、
何万人、何十万人という技術者の働きがなければ飛ばなかった…
そんな普段スポットライトが当たっていない技術者の熱いドラマ。

ふだんNASAの内側にいる技術者、
小野さんだからこそ書くことができた素晴らしい1冊です。
ぜひお手にとって宇宙へのワクワクを膨らませてみては☆

お別れの曲は、小野さんが先日ジャズバンドとコラボして
宇宙トーク(!)をしたときに流れたという曲、
「Fly Me To The Moon」で+*:.。.*:+☆

小野雅裕さんにはまた来週もお越しいただきます♪

小野雅裕さんのBlogTwitterはコチラから☆

★ ★ ★ 本日のオンエア曲 ★ ★ ★
♪ I'm here with you<134 ver.>/遊佐未森
♪ Fly Me To The Moon/Diana Krall

★ ★ ★ スターレシピ ★ ★ ★
日もだいぶ長くなり、いよいよ春の足音が近づいてきましたね。

そんな春の夜9時頃。南の空から南東の空にかけて、
長い長い「うみへび座」が昇っています。

全天にある88星座の中でも、最も大きな「うみへび座」。
実は頭の星が昇ってきたのは昼の3時頃。
そして、尻尾の星が昇るのは夜11時頃、
なんとすべて昇りきるのに7時間もかかってしまうほど長〜い星座なんです。

明るく目立つ星はほとんどありませんが、
唯一明るいのが、うみへびの心臓にあたる赤い2等星「アルファルド」。
アラビア語で「孤独な星」という意味を持ちます。

きらびやかな冬の1等星が続いた後に、
ぽつりとちょっと寂しそうに輝くアルファルド。
この星を見上げながら、春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。
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月別アーカーブ

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