オンエアブログ

2019年08月03日

2019年8月3日のオンエアレポート

★ ★ ★ 東京ガーデンテラス紀尾井町「星空の集い」のお知らせ ★ ★ ★
8月7日(水)、東京ガーデンテラス紀尾井町で「星空の集い」が開催されます。
今回のテーマは “伝統的七夕、浴衣で夏の星空を見よう”。

織姫星や彦星、月、惑星をハイスペックな望遠鏡で観察!
浴衣でお越しの方には素敵なプレゼントも♪
キッチンカーや宙グッズショップ、星空解説、天体写真展など、楽しみも盛り沢山ですよ☆

日時:8月7日(水)観望会は18:00〜21:00
場所:紀尾井テラス3F 空の広場
参加:無料
(※雨天・曇天の場合は中止となります)

詳しくは→コチラをチェック☆彡

★ ★ ★ ★ ★ ★
今夜も先週に引き続き、生物学者の福岡伸一先生にお越しいただきました!

普段からNOMAさんの果てしない問いかけにやさしく答えてくれるという福岡先生。

今宵の話題はNOMAさんから、木星の衛星「エウロパ」や、土星の衛星「エンケラドス」に関するこんな妄想から…
この2つの衛星は表面の氷の下に海があり、生命がいるのでは? と期待されているのですが、NOMAさんはそこに「アンモナイトの中にコブシメ(イカの一種)が入ったような生物」が泳いでいる様子を想像しているそう。

そんな生物がいる可能性に関して、先生はどう考えるのでしょうか?

すると、「第一の仮説の部分には賛成します」と、半分賛同のご様子。
アンモナイトは貝ではなく、中にはイカに近い生物が入っていた、というのはおそらく確かだといいます。
身体は柔らかいため化石になる過程で失われ、硬い貝殻の部分だけ残ったと考えられる、とのこと。

しかし、そのような生物が木星や土星の衛星にいるという “第二の仮説” に関しては、先生は「若干疑問がある」そう。
というのも、地球上における生命の歴史は約38億年。
アンモナイトが地球上で大繁栄したのは、今から3億年前なので、この生物が生まれるまでに35億年はかかるからなんです。

同様のことが木星などの衛星で起こるためには、水の他に適切な温度、イカの食物になるような貝や魚などの小さな生き物、さらにその生き物が食べる小さな生物…最終的には植物性のプランクトンやシアノバクテリアのような光合成をする単細胞生物が必要。

このように厚みのある生態系を生むには、木星や土星の衛星は「寒すぎる」と先生は言います。

複雑な生物が生まれるためには、まずは太陽のエネルギーを有機物に変えてくれる植物性の生物がまず現れ、光合成で酸素を作ってくれることが不可欠。

さらに、もうひとつ大切なことはそんな植物が「ジェネラス(寛容)」に振る舞うことだと福岡先生。
もし植物が、自分たちに必要なだけの資源や酸素しか作らず、利己的に振る舞ったら、地球はこんなにも豊かな星にはならなかったといいます。

多くの生物が栄えられたのは、植物がたくさん光合成をして、惜しげもなく酸素を生み出し、葉や実を他の生物の食べ物として与えてくれたからこそ。
「まずはそこにリスペクトをしないといけない」と生物学者としての思いを語ってくださいました。

宇宙の中に私たちが生まれたのは、植物の寛容さがあったからこそ…
進化は “優しさ” から成り立っているんですね+゚:。*+

福岡先生のベストセラーのタイトルにもなっている「動的平衡」という言葉。
これは、私たち生物が、「体にある分子を常に分解し置き換えることにより一定の状態を保っている」ということを表しています。

先生の著作や考えに触れると、「点滴をしたくらい元気になる」というNOMAさん。
「これも動的平衡なのかな?」と先生に聞いてみると…

先生も、絶えず新しい知識を吸収して、噛み砕いて自分の考えにしつつ、古い考えを捨て去っていく、というのは、「ある意味、脳の動的平衡」であると頷きます。

さらに、多くの人が「自然に触れなきゃいけない」と海や山に出かけたりしますが、「もっとすごい自然がごく身近にあることを忘れてはならない」とも。

それは、「自分が生きている」ということ。
自分の身体の生命体としての不思議さが、一番身近な自然だといいます。

遠くへ行かなくても、自分のあり方に耳を澄ましたり、目を凝らしたりすることで、自然に触れることはできる。
子どもたちにも、小さなネットの画面ばかりではなく、たまには自分の呼吸や心臓の音に耳を澄ませてもらいたい、というのが先生の願いだそう。

自分という身近な自然に触れ、「What’s life?(生命とは何か?)」を考えることにより、普段見慣れている風景、光や風がまた別のみずみずしさを帯びてくる…
テクノロジーや情報に溢れた生活の中で、何度も立ち止まって思い返したい大切な姿勢ですね+*:.。.*:+☆

福岡先生は今年、『ダーウィンの「種の起源」: はじめての進化論』(岩波書店)という絵本を翻訳。

実はダーウィンの『種の起源』をきちんと読んだ人は、生物学者さんの中にもめったにいないそう。
なぜなら分厚く、生き物の豊かさの起原を考えている本にも関わらず、素敵な絵が一枚もないから…
そこで、可愛らしい挿絵がふんだんに入ったこの絵本が生まれたのだといいます。

ぜひ手にとって、歴史を変えたダーウィンの思考を改めて紐解いてみては…☆

お別れのナンバーは福岡先生が敬愛するという元ちとせさんの「カッシーニ」♪
カッシーニは土星を研究した天文学者であり、NASAが土星に送った探査船の名前にもなっています。
南の空に輝く土星を眺めながら浸りたい一曲ですね♫•*¨*•.¸¸♪


★ ★ ★ 本日のオンエア曲 ★ ★ ★
♪ 満天の星/夏川りみ
♪ カッシーニ/元ちとせ

★ ★ ★ スターレシピ ★ ★ ★
8月7日は「伝統的七夕」の日。
この日は、旧暦の7月7日にあたります。

夜9時頃、天の川の最も明るい部分が、真南の空に見えています。
雲のようにぼんやりと、夜空にかかる、かすかな光の帯。

日本や東アジアでは、天を横切る川、古代ギリシャではミルクが流れた痕など、国や地域によっていろんなものに例えられています。

天の川は、私たちのいる地球から、太陽系も含む大きな銀河「天の川銀河」を眺めた姿。
円盤状に集まった星やガスの大集団を、真横から見たものなんです。

夏の星座「いて座」の方向に、この銀河の中心があるため、さそり座からいて座にかけて、天の川がとても立派に見えるんですね。

七夕は、天の川をはさんで、離ればなれになった織姫と彦星が、年に一度だけ出会える日。
そんな伝説を思い出しながら、夏の星々、見上げてみてくださいね。
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月別アーカーブ

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