オンエアブログ

2019年09月07日

2019年9月7日のオンエアレポート

★ ★ ★ 東京ガーデンテラス紀尾井町「星空の集い」のお知らせ ★ ★ ★
中秋の名月の9月13日、東京ガーデンテラス紀尾井町で「星空の集い」が行われます!

今回のテーマはずばり、「中秋の名月を天体望遠鏡で見よう」!
ハイスペックな天体望遠鏡で、月の模様や地形を観察しますよ♪
人工芝に寝転んでのんびり月の光を浴びてみても…

観望会の日時:9月13日(金)18:30〜21:00
会場:紀尾井テラス3F 空の広場
参加:無料
※雨天・曇天の場合は中止となります

詳しくは、東京ガーデンテラス紀尾井町のサイトをご覧ください☆

★ ★ ★ ★ ★ ★

今夜は東京理科大 教授の山本貴博先生にお越しいただきました!

山本先生は大分県出身の理論物理学者。大きな宇宙の中にある、小さな小さな量子の世界を研究していらっしゃいます。
NOMAさんと山本先生は普段から親交があり、いつも好奇心旺盛なNOMAさんが様々な質問を先生にぶつけているんだとか!

山本先生が研究する「量子」とは、原子や電子、光(光子)といった、とても小さな物質のこと。
それを研究する「量子力学」、宇宙ともリンクする点があるんでしょうか?

物理学のなかで、宇宙の世界は、長い長い歴史の中で人類が少しずつ解明し続けてきたものであると山本先生。
夜空の中で不思議な動きをする星(惑星)を発見し、それが太陽の周りを回るものだということがわかり、ケプラーの法則やニュートンの法則により、惑星がどの時間にどこにあるのか、精密に予測できるようになってきました。

そんな宇宙の法則を見事に解き明かすことに成功した人類は、小さな小さな量子の世界にも、同じような法則があるだろうと予想。
太陽の周りを惑星が回るように、原子の周りを電子がぐるぐると回っていると考えたのですが…
惑星の位置であればどこにあるか特定できるのに対し、電子の位置はどこにあるか特定できないことがわかったのだそう!

観測するたびに、あっちにいたり、こっちにいたり…
電子のある位置は不確定で、“確率的” にしかわからないのだといいます。

そんな気まぐれに、自由にふるまう電子に共感を抱くとNOMAさん。
ミクロの世界には私たちが「当然こうだろう」と思うものとは違った不思議なルールが働いているんですね…☆

そして、山本先生が具体的に研究しているのが、最先端の素材「カーボンナノチューブ」!
「今日はこれを話すために来たようなもの」と意気込む山本先生。笑
一体どんなものなんでしょう?

カーボンナノチューブとは、日本で発見された新材料。
炭素だけからできていて、この炭素は宇宙に存在する物質のうち6番目に軽い物質のため、非常に軽いのだそう。
NOMAさんはこれで作った風船を抱えたことがあるそうですが…「繊細すぎて触るのが怖い」と思うほどの衝撃だったといいます。

カーボンナノチューブそのものは、シート状の炭素がくるっとストローのようにチューブ状になっています。
その筒の直径は髪の毛の細さの約10万分の1!
目には見えず、電子顕微鏡でしか見えないほどの細さなんだとか。

この新素材が私たちの生活にどのように役立つのか…
そこまで細い物質は、目に見える通常の物質のルールでは把握することができません。
そこで必要となってくるのが「量子力学」の考え方!
山本先生たち科学者は、量子力学のルールに従って、カーボンナノチューブがどんな現象を引き起こすのか、調べている最中なのだといいます。

そんな山本先生が携わっている研究のひとつが、カーボンナノチューブでできたシートを触ったときに起こる現象について。
カーボンナノチューブを触ると、体温からくるその熱のエネルギーが電気のエネルギーに自動的に変換され、発電するのだそう!

これを「熱電変換」といい、体温から電気エネルギーを生み出すことができるというこの性質は、量子力学のルールに基づいて初めて明らかになった、最近の研究成果だといいます。
これが実用化されたら…例えば電気が使えない災害時でも、手で暖めるだけで充電ができる充電器なんかもできそう!

難しそうで敬遠しがちな「量子力学」の世界を、丁寧にわかりやすく教えてくださった山本先生。
スマホなど、小さくて精密な機能を持ったツールが不可欠になってきた現代において、「ミクロの世界のルール」を解き明かすことは、決して遠い世界の話ではなく、生活に密着した身近な課題なのだということを教えてくださいました。

山本貴博先生にはまた来週もお越しいただきます♫

山本貴博先生の研究室のWebサイトは→こちら

★ ★ ★ 本日のオンエア曲 ★ ★ ★
♪ Neil Young/Harvest Moon
♪ Quantum Leap/m-flo

★ ★ ★ スターレシピ ★ ★ ★
今日の東京の日の入りは、午後6時1分。
夜の訪れがどんどん早くなっていますね。

日の入り直後に南の空を見上げると、晴れていれば、上弦を過ぎたばかりの月の姿があります。

明日から来週の満月までのあいだ、月は毎日少しずつ、まるい形に近づいていきます。

その期間は、ぜひ月の欠け際に、望遠鏡を向けて、クレーターや山脈など、バラエティに富んだ月面の地形を楽しんでみましょう。
上弦の頃は、月の表面にほぼ真横から太陽の光が当たるため、クレーターや山の影が長く伸び、迫力満点の光景です。

そして13日金曜日は「中秋の名月」。旧暦8月15日のお月見の日です。
晴れたら、ススキやお団子、季節の収穫物を供えて、秋の恵みに感謝しながら、ゆったりと月を眺めてはいかがでしょうか。

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