2019年12月28日
2019年12月28日のオンエアレポート
2019最後のスター☆パーティのゲストは、国立天文台の渡部潤一先生でした!
この番組では、年末年始の風物詩…ともいえるほどおなじみの渡部先生。
NOMAさんとは、11月に開催された「サイエンスフェス2019 in大分」でもご一緒されたばかり♪
今夜はそんな渡部先生に、2019年に話題となった宇宙のトピックスに関して伺いました!
先生が今年最大のニュースとして挙げたのが、4月10日に発表された「ブラックホールシャドウ」…ブラックホールの影の撮影に成功したという出来事!
こちらは国立天文台の研究者も参加した「イベントホライズンテレスコープ」という世界的なプロジェクトが成し遂げた偉業。
世界中にある望遠鏡を、ひとつの大きな電波望遠鏡として使用し、おとめ座にある銀河「M87」の中心にあるブラックホールの影をとらえることに成功したのです☆
そのブラックホールの質量は、なんと太陽の65億倍…!!!
ちょっとイメージが沸かないほどの巨大さ。。
実は私たちが住む銀河系の中心にもブラックホールがあり、その質量は太陽のせいぜい400万倍(せいぜい…笑)。
大きいと言われる銀河系の中心のブラックホールと比べてもさらに桁違いの大きさ…これは超巨大だと言えるのだそう。
それにしても銀河という天体の中心にはブラックホールがあることがわかってきた、なんて、ちょっと前の宇宙観では、想像もつかないことですよね+゚:。*+
もうひとつ、彗星の研究者である渡部先生が注目したトピックスは、今ちょうど接近中の「ボリソフ彗星」について!
人類が初めて見るような彗星…ということですが、実はこの彗星、太陽系の外の “星間空間” からやってきた天体だといいます。
星間空間からやってきた天体といえば、2年ほど前に発見された「オウムアムア」が記憶に新しいところ。
細長い宇宙船のような不思議な形で話題になりましたが、こちらは彗星というより、小惑星に近いものだったとか。
オウムアムアは人類が初めて見た、太陽系の外から来た天体。
先生はこんな天体が生きている間に見つかるなんて思っていなかったそう。
渡部先生ら国立天文台のチームは、このオウムアムアの観測が全然できず、チャンスを逃したと思っていたところ…そのわずか2年後にやってきたのが、今回のボリソフ彗星!
しかもオウムアムアとは違い、太陽の熱で温められ、ガスを吹き出している彗星だった!ということで、先生も大興奮☆
ボリソフ彗星は12月8日に太陽に最接近し、現在は遠ざかりつつあるところなため、そろそろこの天体を世界中の望遠鏡が観測したデータが出てくるはず。
中には国立天文台のチームの観測データも…!
太陽系外からの彗星がどんなメッセージを残してくれたのか!? その結果に注目したいですね♫
さらに、NOMAさんもワクワクしたというノーベル物理学賞のニュースもありました。
今年は、1995年に太陽に似た星の周りを回っている惑星ー「太陽系外惑星」を初めて見つけた、スイスのミシェル・マイヨール博士とディディエ・ケロー博士に授与されました。
渡部先生も「(賞をもらうのが)遅いんじゃないか」と思うほどの大偉業☆彡
太陽系外惑星の研究はその後さらに進み、最近では、地球に近い惑星がどんどん見つかっているそう。
今年は、恒星から地球と似たような距離にある惑星に、初めて「酸素」が確認されたとか!
酸素は生命が生み出す大気。
この惑星自体は地球よりもかなり大きく、海王星くらいの大きさで地面がない可能性が高く、いきなり「第二の地球」とは言えないとのことですが、「近づいているな、という気はする」と渡部先生。
こんなスピードで系外惑星に生命の痕跡が発見され続けたら、本当に海と緑に溢れた星、そして地球外生命体を目にする機会もそう遠くないんじゃないか…そう思ってしまいますね♪
さて、2019年もあとわずか。
渡部先生にとって今年はどんな1年だったのでしょうか?
すると、「長い間構想を温めてきた本の執筆が完了した年」と渡部先生。
実はその本、『第二の地球が見つかる日』(朝日新書)が、12月13日に発売になったばかりなんです!
こちらは、まさに太陽系外惑星の研究が進み、「第二の地球」がいつ見つかってもおかしくない、という最先端の現場を、なんと “小説仕立て” で描いたものだそう!
小説ではじまり、その中に出てきたことへの科学的な解説があり、また小説に戻る…というオムニバス形式で展開。
他にはないだろうという野心的な作品に仕上がった、と先生も自信を覗かせます。
どんな内容か、読んでみたくてウズウズしてしまいますね☆
実は、以前から小説が書いてみたかったという渡部先生。
小さい頃からなりたかったのが「天文学者」と「小説家」と「漫才師」(!)だったとか。
同じ名前の偉大な小説家・渡辺淳一さんがいらしたため、小説家の夢は諦めていたといいますが、どこかで小説という形式で今の天文学の面白さを伝えたいとずっと考えていたそう。
今回の作品は、そんな大きな2つの夢が結実した、先生にとっても記念すべき1冊となったようです+*:.。.*:+☆
天文学者としてもご多忙を極めながら、たゆまぬチャレンジも忘れない渡部先生。
いつそんな時間があるのだろう…と不思議に思いながらも、とても無邪気な夢からその原動力が生まれていることに感動を覚えてしまいます+゚:。*+
新しい著書も楽しみにページをめくりたいですね♪
渡部潤一先生にはまた来年、1月4日にもお越しいただきます☆
![](/cms/thumbnails/66/6604c0c4471c04c7f70351a36d186f4d.png)
国立天文台のWebサイトは→コチラ♪
★ ★ ★ 本日のオンエア曲 ★ ★ ★
♪ コールドスリープ/のろしレコード
♪ オリオン座/河内REDS
★ ★ ★ スターレシピ ★ ★ ★
日の入りが早いこの時期、よく晴れた日は、夕暮れの空の色がとても美しい季節でもあります。
夕闇が迫る西の空に、ひときわ明るく輝くのは、「宵の明星」金星。
明るさはマイナス4等級。
1月、2月、3月…そして4月下旬まで、さらに明るさを増し、日の入り後の西の空高く、いっそう目立つようになります。
その輝きは、まさに美の女神「Venus」の名にふさわしい麗しさ。
明日12月29日の夕方には、細い細い月が金星のそばにぴたりと寄り添い、さらに美しい光景が見られます。
晴れていたらぜひ、日の入り後の南西の空に注目してみましょう。
この番組では、年末年始の風物詩…ともいえるほどおなじみの渡部先生。
NOMAさんとは、11月に開催された「サイエンスフェス2019 in大分」でもご一緒されたばかり♪
今夜はそんな渡部先生に、2019年に話題となった宇宙のトピックスに関して伺いました!
先生が今年最大のニュースとして挙げたのが、4月10日に発表された「ブラックホールシャドウ」…ブラックホールの影の撮影に成功したという出来事!
こちらは国立天文台の研究者も参加した「イベントホライズンテレスコープ」という世界的なプロジェクトが成し遂げた偉業。
世界中にある望遠鏡を、ひとつの大きな電波望遠鏡として使用し、おとめ座にある銀河「M87」の中心にあるブラックホールの影をとらえることに成功したのです☆
そのブラックホールの質量は、なんと太陽の65億倍…!!!
ちょっとイメージが沸かないほどの巨大さ。。
実は私たちが住む銀河系の中心にもブラックホールがあり、その質量は太陽のせいぜい400万倍(せいぜい…笑)。
大きいと言われる銀河系の中心のブラックホールと比べてもさらに桁違いの大きさ…これは超巨大だと言えるのだそう。
それにしても銀河という天体の中心にはブラックホールがあることがわかってきた、なんて、ちょっと前の宇宙観では、想像もつかないことですよね+゚:。*+
もうひとつ、彗星の研究者である渡部先生が注目したトピックスは、今ちょうど接近中の「ボリソフ彗星」について!
人類が初めて見るような彗星…ということですが、実はこの彗星、太陽系の外の “星間空間” からやってきた天体だといいます。
星間空間からやってきた天体といえば、2年ほど前に発見された「オウムアムア」が記憶に新しいところ。
細長い宇宙船のような不思議な形で話題になりましたが、こちらは彗星というより、小惑星に近いものだったとか。
オウムアムアは人類が初めて見た、太陽系の外から来た天体。
先生はこんな天体が生きている間に見つかるなんて思っていなかったそう。
渡部先生ら国立天文台のチームは、このオウムアムアの観測が全然できず、チャンスを逃したと思っていたところ…そのわずか2年後にやってきたのが、今回のボリソフ彗星!
しかもオウムアムアとは違い、太陽の熱で温められ、ガスを吹き出している彗星だった!ということで、先生も大興奮☆
ボリソフ彗星は12月8日に太陽に最接近し、現在は遠ざかりつつあるところなため、そろそろこの天体を世界中の望遠鏡が観測したデータが出てくるはず。
中には国立天文台のチームの観測データも…!
太陽系外からの彗星がどんなメッセージを残してくれたのか!? その結果に注目したいですね♫
さらに、NOMAさんもワクワクしたというノーベル物理学賞のニュースもありました。
今年は、1995年に太陽に似た星の周りを回っている惑星ー「太陽系外惑星」を初めて見つけた、スイスのミシェル・マイヨール博士とディディエ・ケロー博士に授与されました。
渡部先生も「(賞をもらうのが)遅いんじゃないか」と思うほどの大偉業☆彡
太陽系外惑星の研究はその後さらに進み、最近では、地球に近い惑星がどんどん見つかっているそう。
今年は、恒星から地球と似たような距離にある惑星に、初めて「酸素」が確認されたとか!
酸素は生命が生み出す大気。
この惑星自体は地球よりもかなり大きく、海王星くらいの大きさで地面がない可能性が高く、いきなり「第二の地球」とは言えないとのことですが、「近づいているな、という気はする」と渡部先生。
こんなスピードで系外惑星に生命の痕跡が発見され続けたら、本当に海と緑に溢れた星、そして地球外生命体を目にする機会もそう遠くないんじゃないか…そう思ってしまいますね♪
さて、2019年もあとわずか。
渡部先生にとって今年はどんな1年だったのでしょうか?
すると、「長い間構想を温めてきた本の執筆が完了した年」と渡部先生。
実はその本、『第二の地球が見つかる日』(朝日新書)が、12月13日に発売になったばかりなんです!
こちらは、まさに太陽系外惑星の研究が進み、「第二の地球」がいつ見つかってもおかしくない、という最先端の現場を、なんと “小説仕立て” で描いたものだそう!
小説ではじまり、その中に出てきたことへの科学的な解説があり、また小説に戻る…というオムニバス形式で展開。
他にはないだろうという野心的な作品に仕上がった、と先生も自信を覗かせます。
どんな内容か、読んでみたくてウズウズしてしまいますね☆
実は、以前から小説が書いてみたかったという渡部先生。
小さい頃からなりたかったのが「天文学者」と「小説家」と「漫才師」(!)だったとか。
同じ名前の偉大な小説家・渡辺淳一さんがいらしたため、小説家の夢は諦めていたといいますが、どこかで小説という形式で今の天文学の面白さを伝えたいとずっと考えていたそう。
今回の作品は、そんな大きな2つの夢が結実した、先生にとっても記念すべき1冊となったようです+*:.。.*:+☆
天文学者としてもご多忙を極めながら、たゆまぬチャレンジも忘れない渡部先生。
いつそんな時間があるのだろう…と不思議に思いながらも、とても無邪気な夢からその原動力が生まれていることに感動を覚えてしまいます+゚:。*+
新しい著書も楽しみにページをめくりたいですね♪
渡部潤一先生にはまた来年、1月4日にもお越しいただきます☆
![](/cms/thumbnails/66/6604c0c4471c04c7f70351a36d186f4d.png)
国立天文台のWebサイトは→コチラ♪
★ ★ ★ 本日のオンエア曲 ★ ★ ★
♪ コールドスリープ/のろしレコード
♪ オリオン座/河内REDS
★ ★ ★ スターレシピ ★ ★ ★
日の入りが早いこの時期、よく晴れた日は、夕暮れの空の色がとても美しい季節でもあります。
夕闇が迫る西の空に、ひときわ明るく輝くのは、「宵の明星」金星。
明るさはマイナス4等級。
1月、2月、3月…そして4月下旬まで、さらに明るさを増し、日の入り後の西の空高く、いっそう目立つようになります。
その輝きは、まさに美の女神「Venus」の名にふさわしい麗しさ。
明日12月29日の夕方には、細い細い月が金星のそばにぴたりと寄り添い、さらに美しい光景が見られます。
晴れていたらぜひ、日の入り後の南西の空に注目してみましょう。