オンエアブログ

2020年02月01日

2020年2月1日のオンエアレポート

今夜も先週に引き続き宇宙生物学者の藤島皓介さんにお越しいただきました!

“地球と宇宙の生命の起源” を探る「宇宙生物学=アストロバイオロジー」がご専門の藤島さん。
NASAのエイムズ研究センターにいた頃には、火星移住計画に関する研究にも携わっていたそう!

その研究とは、「火星の環境でも生きられるような生物(微生物)を地球上から探す」というもの。

火星は紫外線が強く、過塩素酸という生命にとっては有害な物質を土の中に含んでいるそう。
でも地球上の色々な土の中を調べたところ、そんな過酷な環境でも生きることができ、ものすごく速く増殖する微生物まで見つけることができたとか。

このとき想定した火星の環境は、「塩濃度が高い環境」。
火星にはもともと海があり、現在表面は乾燥してしまっていますが、地下にはまだたくさん水があると言われています。

その地下水を汲み上げて利用するとなると、ものすごく塩濃度の高い、しょっぱい水に…
だから、そんな水でも生きられるような微生物(=好塩菌)を持っていき、培養し、我々の生活に必要なものを作らせるのが目的だそう。

火星に食料など生活物資を持っていくのは莫大なコストがかかること。
でもこうして微生物を利用すれば、私たちが生きるのに必要な有機物や糖分も作れ “自給自足” が可能かもしれない。
藤島さんのやっていた研究は、火星移住の基盤を作る研究だったんですね+゚:。*+

ここでNOMAさんから「地球上のバクテリアを火星に持っていくことはOKなんですか?」という質問が。
すると「今はダメですね」と藤島さん。
なぜなら、火星を地球の生物で汚してしまうことになってしまうから…。

確かに、もし逆に地球にやってきた宇宙人が、勝手に地球に生物を持ち込んだり、地球上の植物や動物、さらには人間を食料にしてしまったら…これはもう大迷惑というか大惨事になってしまいますよね(汗)

藤島さんによると「惑星保護」という概念があり、生命がいそうな星に行く時には、なるべく地球由来の生物を持っていかないように、しっかり管理しようという枠組みができているそう。
だからテラフォーミングのように、惑星そのものの環境を変えるというのは今のところもってのほか!

例えば本当に地球が住めなくなったとき(それは私たちの自業自得である可能性が高いのだけれど)、生き延びるために他の惑星を開拓していいのか…というのは難しい問題なのだといいます。

だから、まずは地球環境を意識しながら生活し、地球もあるうえで人間が行ける場所を増やしていく…というポジティブな方向で将来的な有人探査を進めていくべきだと藤島さんは考えているそう。
宇宙を平和に開拓すること、その第一歩は地球を大切にすること、なんですね+*:.。.*:+☆

そして気になるのが、実際に生命が火星にいる可能性はあるのか?というところ。
藤島さんは「あると思います」とキッパリ!

おそらく表層は放射線の影響でいないので、いるとしたら地下。
微生物のようなものがいたら…と期待しているそう。

地球で生命が誕生する前に、火星で独立した生命が生まれていたら、それは素晴らしい比較対象に。
「ぜひ掘ってサンプリングして調べたい。それ以上のすごい生き物がいたら万々歳、予想を超えてきてほしい!」と語る瞳は少年のよう。

今からその生命体を地球の生物とワクワクしながら比べている藤島さんの姿が目に浮かびます。
知的好奇心…素晴らしいですね☆彡

ここ数年、予想を超えるほどの系外惑星が発見され、太陽系内にも生命の “きざし” が見つかっています。
実際、宇宙にはどれほどの生命がいるのでしょうか?

藤島さんのお答えは…「正直、わかんない」。。
太陽系内にも何種類もいてほしいとも思いつつ、ひょっとしたら私たちは太陽系で唯一の生命かもしれない、下手したら周りの恒星系も含めたまたま生まれた生命なのかもしれない…

それに答えを出すために、いま生命の起源の研究や地球外生命の探査を行っているのだそう。
とにかく地球上の生命以外の「第二の生命」を見つけないことには、この宇宙にどのくらい生命がいるのか “ものさし” が手に入らない、ということなんですね。

そしてもし地球外に生命が見つかったら、私たちにはどんな変化が生まれるでしょうか?

藤島さんは、期待される変化のひとつに「視座がずれる」ことを挙げます。
私たちはいま、地球上のこと、人間同士の営みにばかり目がいきがち。

そんな中で地球外の生命が見つかったら…、みんなの目がそこに向き、地球上のいざこざが一瞬止まるのではないかと考えているといいます。

離れた星に自分たち以外の生命がいる…その思いが生命に対するリスペクトを生み、戦争や人間同士が殺し合うという状況を変えてくれるきっかけになるのではないか…

宇宙飛行士が青い地球、国境のない美しい球体を見て意識が変わる…そういったインパクトを、地球外生命体の発見が世界中の人に与えられるのではないか…、そう語ってくださいました。

「地球外生命体を見つけること」「地球の環境を守ること」「平和な世界を願うこと」まったく無関係なように見えるピースが大きな円のようにつながった今夜のスター☆パーティ。
地球外生命体はもしかしたら平和の使者なのかも…そんな明るい未来を思い描きながら、藤島さんの今後の研究も応援していきたいですね+*:.。.*:+☆

お別れの曲は、藤島さんが大好きだというm-floの火星ソングで♫•*¨*•.¸¸♪

藤島皓介さんのWebサイトは→コチラ

★ ★ ★ 本日のオンエア曲 ★ ★ ★
♪ 曇り夜空は雨の予報/SHISHAMO
♪ MARS DRIVE/ m-flo

★ ★ ★ スターレシピ ★ ★ ★
夜9時頃、南西の空には、上弦前の月が輝いています。
その月明かりを物ともせず、きらきらと夜空を彩っているのは、冬の1等星たち。

南の空には、全天一の明るさを誇る、おおいぬ座のシリウス。
このシリウスから時計回りに、6つの1等星をたどると、「冬の大六角形」と呼ばれる、大きな形を見つけることができます。
この六角形は「冬のダイヤモンド」とも呼ばれていますね。

シリウスの左上には、白く輝くこいぬ座のプロキオン。
頭の真上近くには、ふたご座のポルックス。
さらに頭上高く黄色っぽく輝いているのが、ぎょしゃ座のカペラです。

東側に目を移すと、おうし座のアルデバランのオレンジの輝き。
そして真っ白に輝くオリオン座のリゲル。
この大きな六角形の真ん中には、赤い色の星、オリオン座のベテルギウスが閉じ込められています。

冬の夜空を賑やかに飾る一等星たち、ぜひ暖かくして見上げてくださいね。
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