オンエアブログ

2020年03月28日

2020年3月28日のオンエアレポート

今夜も先週に引き続き、理論物理学者の佐治晴夫先生にお越しいただきました!

北海道美瑛町にある、丘のまち美宙(MISORA)天文台の台長でもいらっしゃる佐治先生。
こちらの天文台では、昼間の星を見る活動もされているそう。

すると、先生の口から「お星さまは昼間見ないといけない」という驚きの言葉が!

人間の目には、明るい時にはたらく細胞と、暗い時にはたらく細胞の2種類があります。
夜星を見るときに使われるのは、暗い時にはたらく細胞で、感度は良いのですが、色の判別がつきにくいそう。
だから星の色は「なんとなく青っぽい、赤っぽい」というふうにしか映らないのだといいます。

対して、昼間は感度は悪いものの色がよく見える細胞がはたらくため、昼間に星を見ると七色に輝いて見えるのだとか!
それは非日常的な光景…「ダイヤモンドが弾けている感じ」と先生は言います☆

なぜ昼間の星を見せるのか?
その理由は、人間は「目に見えるものしか信じない」ところがあるから…

考えてみれば宇宙には「暗黒物質」や「暗黒エネルギー」が96%もあり、人間の目に見えるものはたったの4%。
同じように、私たちの日常でも、人の悲しみや痛みが想像しないとよくわからないように、見えないもの、わからないものがたくさんある…。
そのことを人生の中で子どもたちにも知ってもらいたい、昼間の星を見せることに教育上の効果があると考えているそう。

学びの入り口は「なぜ?」という問いかけ。不思議だと思うこと。
学ぶというのは、今まで当たり前だと思っていたことが、当たり前でないものになること。

その「なぜ?」が美しいものであるといい、と佐治先生。
非日常体験をすることによって、経験になり、人生が出来ていく…
その助けになればと思い、昼間の星を見せる活動をしているのだといいます。

土星を見たら青い空の中にミルク色の帽子が浮かんでいるよう…その様子は「泣けてくる」ほどだとか☆彡

美宙天文台では、休館日以外はこの昼間の星を見せていただけるそう。
「ただし、晴れた日ですよ」と釘を刺す先生(笑)
ぜひ北海道を訪れたら、お天気の良い日に昼間の星のダイヤモンドの煌き、確かめてみたいですね+*:.。.*:+☆

佐治晴夫先生は今年1月、医師である堀江重郎先生との対談、『男性復活! : 宇宙の進化と男性滅亡に抗して』(春秋社)を出版されました。

出版社がつけたというなかなか衝撃的なタイトル…NOMAさんが持ち歩いて読んでいると「何読んでるの!?」と驚かれたとか(笑)
しかし内容は、タイトル以上に宇宙のことから生命について、さらには未来に関してまで…興味のある分野のお話ばかりでとても面白かったとNOMAさん。

実は対談相手である堀江先生は佐治先生の主治医。
診療の合間にお話をしていたところとても盛り上がるため、対談をしたら面白いのでは、と編集者に声をかけて実現したものだそう。
佐治先生は、様々なジャンルに造詣が深く勉強もされている堀江先生と対談することで、「知らない自分を知ることができた」といいます。

本の中でNOMAさんが気になったのは、「太陽の状況で地球の気候や文明に変化が出ている」という部分。

先生によると、このことに関しては多くの研究があり、実際ヨーロッパでは太陽の黒点が少なくなったところ、平均気温も低くなり、作物も出来ず不況になり、衛生状態も悪くなりペストが流行る…という時期があったのだそう。

太陽から地球は1億5千万キロの距離にありますが、太陽の影響を受けている範囲で考えれば、地球も太陽に入っている…「太陽圏」にあると言える、と先生。
太陽の活動の状況に、太陽のひとかけらである地球の活動、その上に生息している我々は当然のことながら影響を受けるのだとか。

先生も携わったボイジャーはそんな太陽圏を抜けて今も飛び続けている探査機。
搭載されたレコードには当時のアメリカ大統領、ジミー・カーターの「これをみなさんが手に取ったときには地球はないかもしれない」という地球外生命体へのメッセージも…
さらに、それに対し佐治先生が言った「だけどこのメッセージを受け取った宇宙人さんの想像力の中で、再び私たちは蘇るでしょうね」という言葉も含まれているんだそう!

太陽圏の中で地球がなくなってしまったとしても、生き続ける私たちのカケラ…
「未来に託しましょうか」という佐治先生の優しい一言に、有限の命も、地球の一生をも越えた、時空の広がりを感じます+゚:。*+

見えないものの大切さ、未来へ思いを馳せることの豊かさ…佐治先生の脳内の永遠を垣間見たようなスター☆パーティ。
「またどこかでお目にかかりましょう」というご挨拶が心に暖かく響きました+*:.。.*:+☆

お別れの曲は、佐治先生からのリクエスト。
フィンランドの寒空に星がキラキラ輝いている情景が、エレガントに描かれているという素敵なピアノ曲です♫•*¨*•.¸¸♪

佐治先生が台長を務める「美宙」天文台については→コチラをチェック♪

★ ★ ★
昨年4月から1年間にわたって、「東京プラネタリー☆カフェ」を届けてくれたNOMAさんですが、今週をもってパーソナリティとしては番組を卒業となります。
宇宙、そして生命への果てしない好奇心から、知識の海へと勇敢に飛び込んでいくNOMAさん。
ゲストのみなさんとともに開いてくださったサイエンスの扉の中には、たくさんの驚きと発見があり、かけがえのない貴重な時間となりました。
NOMAさん、1年間ありがとうございました+*:.。.*:+☆


★ ★ ★ 本日のオンエア曲 ★ ★ ★
♪ Grapefruit Moon/大橋トリオ
♪ パルムグレン『3つの夜想的情景』より「星はきらめく」/舘野泉

★ ★ ★ スターレシピ ★ ★ ★
日の入りからおよそ1時間、夜7時頃に西の空を見上げると、宵の明星・金星がまぶしいほどの輝きを放っています。
明るさはマイナス4.4等級。

今日そして明日は、クロワッサンのような形の月が一緒に見えていますが、月よりも金星のほうがまぶしく感じられるくらいです。

金星は、25日に太陽から東側に最も離れる「東方最大離角」となりました。

西の空に沈むのは、夜10時頃。
日の入り後もずいぶん長い時間金星を観察できる、そんな時期が4月下旬まで続きます。

来週、4月3日と4日には、おうし座の すばる と金星が大接近する様子も楽しめます。
双眼鏡や望遠鏡を向けて、金星とすばるをセットで楽しむのもいいですね。
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