- 第84回 オンエアー
- [2017.02.12]
- 『Hellosmile Lounge』は20代、30代の女性に増えている子宮頸がんの予防啓発プロジェクト「ハロースマイル」の情報発信拠点。
女性の健康と笑顔を応援するさまざまなメッセージを、全国38局フルネットでお届けします。
今夜は「第1回ハロスマ女子部会」後篇の模様をお届けします。
ご案内は「ハロースマイル」の小巻亜矢さんです。
(小巻さん)
「第1回ハロスマ女子部会」ディナータイムと自己紹介の後は、国立成育医療研究センターの産婦人科医三井真理先生による「子宮頸がんのミニ講座」がおこなれ、気になる「ワクチン」のお話、そして「検診」についてもお話いただきました。
【三井先生 ミニ講座】
子宮頸がんは、検診で見つけることができて、治すことが可能な病気です。
今日、質問にも何点かありましたが、このワクチンが日本でも数年前から受けられるようになりました。
日本では副作用が大きな話題になってしまい、産婦人科医の間でも推奨していくのかどうか、意見が別れているところです。
ただ、ワクチン自体は日本では摂取可能になっています。
皆さん、婦人科系で何かあった時、ブログを参考にされる方も多いようですが、(個人の)ブログなどでは真実かどうか分からないこともあります。
そんな時は私たちが所属している日本産婦人科学会からも、情報を発信していますので、参考にしていただければと思います。
また、ワクチンをつくっている会社でも情報発信をしていますので、
間違った情報に左右されるようなことのないように、正しい知識を身につけていただけたらと思います。
今日、私が言いたかったこと、それは子宮頸がんは検診で、予防や早期発見が可能であるということと、自分の体は自分で守る、という事です。
どんなに周りが心配してくれても、結局は自分がどうするかが、一番大事だと思います。
最初は婦人科に行くのは怖いと思うし、勇気がいることですが、是非、一歩踏み出していただけたらと思います。
【質疑応答】
質問者:毎年、健康診断のオプションで子宮頸がんの検査を追加して受けるようにしているんですが、毎年「異常なし」という答えではなくて、NILMクラス2という判定が返ってきます。
健康診断だと、結果はきますが、先生の説明聞く、ということができな
いので、この結果が良いのか悪いのか、今後、悪くなってしまうことがあるのかということを気にしていまして、お伺いしたいなと思います。
(三井先生):
まず、毎年検診を受けていらっしゃるのは本当に素晴らしいことだと思います。
今、子宮頸がんの検査は、とった細胞を顕微鏡で見て、それがどんな細胞か、という判断で結果を出しています。”NILM”というのはニルムと読み、ベセスダ分類というので分類方法に基づいているのですが、”NILM”は何段階かある細胞の中では、一番いいグループの細胞なので、まず心配はないと思います。
クラス2というのは一昔前の分類方法で、今、日本では2つの分類方法があります。
ニルムであれば問題ないと思いますし、それ以上の細胞が出るようだったら「再検査」と書かれるはずですので、その場合は時間をあけずに婦人科を受診していただければと思います。
質問者:最近結婚が決まりまして、今、私は42歳で、今年43歳になります。
相手も同い年で、お互いこの年令なので、相手も半分、子どもは諦めてプロポーズをした、ということでした。この年令から、子どもをつくることが可能なのか、アドバイス頂きたいと思います。
(三井先生):
私が診ている、妊娠してる方は40代が非常に多いです。
ですから、無理ということはまず無いと思います。ご存知と思いますが、日本では35歳以上の方は高齢妊娠というグループに入ります。妊娠によって起こることの頻度が増える、と云われているんですが、そこのリスクを承知していただければ、妊娠は充分、可能だと思います。
私が今、診ている方で、20代の方は1人もいなくて、ほとんどが35歳以上です。みなさん、すごく意識が高く、年齢のことを分かった上で妊娠にトライしている方がほとんどですから、自己管理をしっかりされる方がとても多いと思います。年齢で線引きをするということは、しなくていいんじゃないかと、私は思います。是非、がんばってください。
(小巻さん):
次の質問は本人からではなく、私の方からご紹介させていただきます。
婦人科系の病気への偏見にどう向き合うか…。
たとえば、私生活が乱れていと思われるんじゃないか、という心配があると思うんですね。
そういったものと、どう向き合ったらいいんだろうか、という質問です。
(三井先生):
すごく深い質問だと思います。実際、外来で泣かれる方もいらっしゃいます。
私生活が乱れているんじゃないかとか、自己管理ができてないんじゃないか、ということを言われて、非常に傷ついた、ということもききます。
どうしても(間違った)情報だけが独り歩きをしてしまうんですよね。
たとえば、先ほど、お話したヒトパピローマウイルスも、性病だと思っている方がいらっしゃるんですね。
不特定多数の男性との性行為があったからなったんじゃないか、と思ってる方はたくさんいると思うんですが、そうではないんです。
そういった偏見をいきなりゼロにすることは、今すぐにはできないと思うんですけれども、決してみんながそう思っているわけではなく、正しい知識を確認すれば、そうではないことは明白です。
(小巻さん):
今日はハロースマイルと女子部JAPANのコラボイベント、「第1回ハロスマ女子部会」の模様をお届けしました。
20代、30代の女性に増えている子宮頸がん。
ぜひ自分とは関係ないと思わず、一緒に考えていきましょう。
「あなたとあなたの大切な人の笑顔のために」ハロースマイルからのお願いです。
次回は放送時間を変更して
2月17日(金)夜11時30分からお送りします。
M Fight Song_/ Rachel Platten
M When I See You_ / Macy Gray