- 第90回 オンエアー
- [2017.03.26]
- 『Hellosmile Lounge』は20代、30代の女性に増えている子宮頸がんの予防啓発プロジェクト「ハロースマイル」の情報発信拠点。
女性の健康と笑顔を応援するさまざまなメッセージを、全国38局フルネットでお届けします。
今夜は最終回。「我慢できないほどの痛み、どうしたらいい?」など、番組に寄せられた女性の体についての悩みや質問に
国立成育医療研究センター産婦人科医、三井真理先生がこたえてくださいます。
ご案内は「ハロースマイル」の小巻亜矢さんです。
(小巻さん)
リスナーからこんな質問が寄せられています。三井先生、アドバイス、よろしくお願いします。
43歳 女性「あき」さんからです。
実は、昨年10月に子宮頸癌の手術をしました。
三年前に、会社の健診で子宮頸癌の検査をしたら要検査に。
その後の精密検査で「中等度異形成」との診断を受け、三カ月に一度定期健診を受けてくれとの結果でした。三年間定期健診を受けましたが、結果は変わらず中等度異形成。
その後プライベートで色々とゴタゴタが重なり、半年程健診を怠ってしまいました。
そう言えば健診に行ってないと焦り、最後の検査から半年振りに受診しましたら、「上皮異形成」と結果が出てしまい、2週間後に手術となってしまいました。
番組内でもおっしゃっていましたが、産婦人科の門ってなかなか叩きづらいですよね。
まずドクターに男性が多い。内診台のスタイルが恥ずかしい。治療に時には痛みを伴う。不安要素が満載です。
でも、子宮頸癌を放置しておくと、体ガンや周りの臓器にも転移してしまいます。
頸癌は、本当に初期症状が無いのです。
後で辛い思いをするなら、早めに解ってさっぱりした方が、身体も楽になります。
皆さんも二の足踏まず、健診に出向いて欲しいと思います。
(小巻さん)
ご自身の経験からの力強いメッセージを戴きました。あきさん、ありがとうございます。
まずは三井先生、「中等度異形成」「上皮異形成」についてお願いします。
(三井先生)
勇気ある投稿、ありがとうございます。実際にご病気を経験された方からのメッセージ、心に響くと思います。
おそらく「上皮異形成」とおっしゃっているのは「高度異形成」のことで、「中等度異形成」から「高度異形成」に移行されたのではないかと思われます。
(小巻さん)
半年で中等度から高度に移行するケースもあるのでしょうか。
(三井先生)
年単位で変わる方もいらっしゃいますし、比較的短期間で状況が変化する方もいらっしゃいます。
あきさんも書いて下さいましたが、「中等度異形成」から「高度異形成」に移行したからといって、急に自分の体に何か変化を感じる、ということはなく、最初は症状がありません。ですから、定期的な検診で、いかに早く見つけていくしか方法がないんです。
(小巻さん)
産婦人科にはなかなか行きにくいものですが、せっかく勇気を出して門を叩かれたのですし、指示を守って三か月に一度、きちんと検診に行くべきだったかもしれません…。でも、半年で行けて良かったとも言えるのではないかと思います。
(三井先生)
もしかしたら、この時、ご自身を責めてしまったかもしれませんが、そうではなくて、もっと遅かったら、もっと体の状況も違ったかもしれません。
生活が忙しかったり、目の前にこなさなければならない事がたくさんある中、半年振りに自分で気付いて、「よし、行こう!」と検診を受けたということは、例え手術する結果だったとしても、この先、元気でいられる時間のことを考えれば、最短の時間で検診を受けることができた、これ以上の早いタイミングはなかった、ということではないかと思います。
産婦人科の内診台に上がることは、それだけで、ドキドキするし、怖いと思いますが、そこを一歩踏み出して下さったんだと思います。
(小巻さん)
さて、次の質問です。「ともちゃん」さん、34歳の女性の方からです。
こんばんは。初メッセージです。
現在34歳ですが、10代で子供を産み、31歳まで生理痛がなく毎月過ごしてきましたが、現在とてつもない痛みで、立ち上がれないほどで、毎月戦っております。
排卵時も激痛で出血が出ます。産婦人科にも年に一回は受診していますが異常はありません。生理をやわらげる方法はありますか?
(小巻さん)
痛みの感じ方は人それぞれではありますが、ひどい時は立ち上がれず、這うようにとか、うずくまって動けない、半日ほど動けないほど痛いこともありますよね。
実は私もその経験があって、経血の量は夜用のパットが一時間でいっぱいになって服にまで染みるくらい、そして、痛みはどうにもできないくらいの痛みでした。
私の場合は後に、子宮内膜症だったことが判明したのですが、ともちゃんさんの場合はいかがでしょうか。
(三井先生)
生理痛が厳しい、という文面から思い浮かぶのは子宮内膜症といって、生理の時、月経血は通常は膣を伝って排出されるのですが、卵管や卵巣まで伝って経血が溜まってしまい、痛みが出る病気です。
ともちゃんさんは既に産婦人科を受診されているので、そこも調べて戴いているとは思いますが、他にも病気がないかどうか、確認の意味も込めて、一年に一度と言わず、今度は痛みが出たその時、その直後に受診されてはいかがかと思います。
また、子宮内膜症や他の病気ではないけれども、生理痛が強い、ということでしたら、痛み止めの薬の服用も一つの方法ですが、一度、子宮をお休みさせるという方法もあります。
そのためには低用量のピルで月経や排卵を抑えて、必要なホルモンを薬で整えるという方法もあります。
半年くらい、そうしたお薬で生理周期を整えることで、その後、生理痛が緩和されることもあります。
本当に辛い方はお仕事や学校に行くのも辛い状態ですから、決して、痛みを耐え忍んだりしなくても、医師に相談されることをおすすめします。
(小巻さん)
生理痛は辛いですが、生理があるからこそ、体調を知る切っ掛けになったりするので、女性が自分の体に意識を向ける仕組みなのかもしれません。
ともちゃんさんも、あまり我慢せずに、行けるようでしたら是非、産婦人科を受診して欲しいと思います。
(三井先生)
なるべく痛い時に近いタイミングで受診されると良いと思います。
(小巻さん)
三井先生、ありがとうございました。
三井先生にはいつも分かりやすい説明やアドバイスを戴いてきました。
番組は今日で終了となりますが、ハロースマイルの活動は続きますので、今後も宜しくお願いします。
(三井先生)
ありがとうございました。
(小巻さん)
さて、こんなメールも戴いています。
「クラリスレモンさん」 34歳からです。
4歳、1歳の男の子を育ててるママです。子育てに奮闘中です。
昨日、期限が迫った自治体で助成している子宮がん検診を受けてきました。
というのも、次男を出産してから、PMS(月経前症候群)に悩んでいたり、不正出血もあり、よし検診に行こう!と思っていっていきました。
もともと、出産した病院なので、わが子を連れて行っても、受付の方が検査中は、見てくださったりで、子供の成長をみせれるなって軽い気持ちで受けました。PMSは、漢方薬の対症療法から始めましたよ。そして、夫に検査行ってきたよって気軽に言いました。
(小巻さん)
これまで番組に届いたメッセージの中には病気を罹患された方から「検診の大切さ」について書かれたものもあって、多くの方の背中を押してくれたと思いますが、クラリスレモンさんのようなメッセージも気持ちを楽にしてくれますね。「クラリスレモンさん」ありがとうございました。
Hellosmile Loungeは今日で卒業を迎えますが、ハロースマイルの活動は続きますので、悩みや質問、メッセージは引き続きハロースマイルのサイトまでお寄せ下さい。
私自身、癌の経験や家族の死別を経て、生きている喜びを多くの方に感じて戴きたいと思うようになり、ハロースマイルの活動をはじめました。
検診を通して、自分の体や健康と向き合って欲しいと思っています。
「あなたとあなたの大切な人の笑顔のために」このメッセージも引き続き伝えて行きたいと思います。
M CHANCE FOR YOU / 倉木麻衣
M Smile / 手嶌葵