- 第104回 オンエアー
- [2014.12.26]
- HellosmileCafe。今週のお客様は芥川賞作家の川上未映子さんです♪
先日、東京市ヶ谷の「DNP大日本印刷の体験型ショールーム、コミュニケーションプラザ ドットDNP」で開催した“honto×HellosmileCafe公開収録トークショー”の模様をお届けします。
お子さんが生まれてからの仕事への取り組み方、また育児をしながら働く女性へのメッセージも頂きました。
◯川上さん自身が出産されて、変わった事や感じる事は?
人生が2つ出来たような感じ。でも人生は1つだから、そのバランスのギャップに大変なんじゃないかなって。
具体的に言うと、子育てがあるけど仕事もある。子供中心の人間関係になるんだけども、これまでの人間関係もある。
2本走ってる感じがしたんですよね。初めの1年くらいはそれで悩んでたんですけど、2年経ってその2つが混ざり合うようなポイントがあるんじゃないかなってポジティブになってきました。
◯その混ざり合うようなポイントって?
子供を連れての外出は大変なんですけど、例えば友人の個展に行きたいなって思っても生まれてすぐは「あ、行けないな」って行く可能性はなかったんですね。旅行とかもそうだと思うんです。
でも必要に迫られて1歳になる前に外出したんですよ。そしたら結構イケたんですよね!
一緒に外出することが出来た。その時にすごく達成感があったんです。
「私は子供がいるからこれまで通りにいかない」って自分に限界を設けてたな〜って気づいたんですよね。
で、こうやって子供と出掛けられる場所が増えていくんだ!ってポジティブに考えたら気持ちが楽になったんですよ。
そういうポジティブなヒトカケラをいっぱい集めてやっとここまで、2歳半まできたって感じですかね。
◯子供が小さい時って例えばテレビのニュースを見ていても自分が取り残されてる感で、もう悲しくて悲しくて・・・
その時は分からないんですよね、もう必死だから。
24時間仕事して24時間育児しなきゃ!って思い込んでたんですね。
でも無理でしたね・・・体調崩しました。
しかもちょっとカッコイイお母さん達をうたってる女性誌が煽るじゃないですか。いつもONな私みたいな(笑)
そんなの嘘だし、あんな襟立ててフルメイクで誰が王将に行くんだっつーの!
ヨレヨレのタンクトップで行くからいいんであってさ。
そういう情報は、“こういうの面白いな”ぐらいで楽しんだらいいんですよ。
◯(笑)そんな元気な川上さんをさらに元気にしてくれるビタミンソングを今週も1曲お願いします
妊娠して出産して子供を持つと、夫とはどっちかっていうとシフトを組んでるオペレーター同士になりません?
「◯時から◯時はあなたで〜」とか(笑)
恋愛してた時の気持ちとかなくなって・・・その気持をしっとりさせるというか・・・(笑)
言ってて恥ずかしいんですけど(笑)
こういう恋心ってあったな〜みたいな。この曲聴くと思い出すんですよ。
M:海原の月 / 安藤裕子(川上未映子さんビタミンソング)
◯後半は一人の女性としてのお話を・・・女という生き物について伺いたいなと。
女という生き物ですか・・・
子供連れて実家に行くと、身体が3つあるような感じがするの。母と姉と私。
連動している感じがして任せられるのね。
だから夫が女だったらいいな〜って何回も思いましたね。
これまでの女性が受け継いできた歴史だったり思うと、男性っていうのが憎くなってくる時があるの。
「よくもこんな事を当たり前のものとして女の人に押し付けてきたな!」って。
あの時ばかりは世界が女性だけだったらいいだろうなって真夜中思ってました。
そういう意味で出産の前後は、期間限定の特殊な繋がりや意味合いで女性という性を受け止めることが出来た特別な時間でしたね。
今まで縦と横に繋がるような感覚で女性というものを体感したことはなかったですから。
いつか誰かが体験した身体なんだって思っちゃうわけですよ。
自分の母親もこのような体験をして、戦前の母親も明治の母親もこういう事を経験したんだなって思うと無限に縦に繋がっていくの。
◯子宮頸がん予防啓発のメッセージをお願い致します。
身体って一番自分に近い他者なんですよね。
心臓とか腸とか自分でコントロール出来ないものだけど、それがないと存在出来ない。
ほんとに不思議なものなんですよね、身体って。
何かあるから検診に行くっていう意識から何もない時だからこそ行くっていう習慣付けるのが一番近い他者と付き合っていく方法だと思います。
川上未映子さんのホームページ
ON AIR SONG リスト
M1:「海原の月 / 安藤裕子」(川上未映子さんビタミンソング)
M2:「So Much In Love / Timothy B. Schmit」