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25.04.04
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橋が架かった出島にオープン 豊かな森と海に繋がる「ユーリサウナ」


宮城県女川町の沖合に浮かぶ島「出島(いずしま)」にオープンしたサウナをリポートします。名前は「JUURI SAUNA(ユーリサウナ)」。


公式サイトの写真を見ると、海が見えるウッドデッキ、さらに森の中につるされた巨大ハンモックで気持ちよさそうに外気浴をしている様子が見られます。サウナ好きには たまらないこの施設を作ったのが、宮城県出身の鹿又 陸さんとその仲間たちです。まずきっかけから伺いました。


「宮城県の塩釜市出身です。震災の時が高校2年生で、実家が津波で全壊しましたね。人生で初めて死を意識した体験だったので、人生やりたいことがあればそっちに踏み切ろう、みたいなことは当時からずっと思ってはいたんですよ。横浜市役所に入って働きながら、幼馴染みの大山と2人で「サウナをやろう」というところから始まって。
お互い塩釜出身なんですけど、県内いろんなところを見て、女川にたどり着きました。女川町の知り合いからも「橋がかかる島があるから見に来ない?」と誘われて、初めて出島に来たんですけど、本土から近いのに、すごい離島感、非日常的な時間が流れてるなと思って。森と海の近さっていうんですかね、何もないことの贅沢さみたいなのを感じたのもここでやるきっかけの一つになっていると思います。」

鹿又さんは、おととしまでは横浜市役所の職員でしたが、出島に移住。幼馴染の大工さんと共に、設計から手掛け、去年12月に完成させました。ちなみに同じタイミングで、出島には橋が開通。本土とつながり、女川駅から15分ほどで来られるようになったということです。

そんなユーリサウナ、サウナに対するこだわりっぷりが、ものスゴイんです。


「ユーリサウナ、「ユーリ」ってフィンランド語で「根っこ」「根源」みたいな意味があって、心の底からリラックスして欲しいという想いや自然の循環がテーマ。ログハウスみたいな形のサウナで、建材も全て島内の杉の間伐材を使って自分たちで木を切り出すところから、全て2人で作り上げています。

林業はやったことがないので、チェーンソーの扱い方から学んで、ログハウスの建て方、チェーンソーの扱い方も2人で北海道の富良野のログスクールに通って学んだり。なので1年ぐらいですかね、形にするまで。あとは薪も全部、間伐材を使っていて、サウナを利用する人が増えるほど、薪も必要になり、その分、林業も間伐も進んでいく。自分も海と共に育ってきたので、ゆくゆくは豊かな森に生まれ変わることで、そこから豊かな海に繋がっていけばいいな、みたいなところを目指してやってますね。」



「サウナのこだわりで言うと、その蓄熱式ストーブというサウナのストーブはフィンランドから取り寄せている。日本ではここが初めて。蓄熱式ストーブは、入浴するだいたい3時間前ぐらいから火を焚いて、その直火でサウナの石を温めるんですけど、実際にサウナに入る時にはもう火は消えている状態、石の余熱だけでサウナを楽しめるのが特徴です。

実際にフィンランドやエストニアにサウナを視察して、その蒸気の気持ちよさ、サウナ体験としての気持ちよさが、もう断違い。一般的な薪ストーブだと、常に薪をくべ続ける。なのでその輻射熱、直接的な熱がたくさんあるので、体への負担が大きく息苦しさがあるが、そういうのがほとんど一切ない。蒸気だけで温まれるのが特徴ですね。」



「実際、サウナ入った後の外気浴は、サウナ室の周りウッドデッキが敷いてあるので、ウッドデッキで休みながら、女川湾を一望できる場所と、あとはすぐ隣に森があっておおきいハンモックを張ってあるので今の時期だと夕方ぐらいになると、ちょうど森に西日が差し込んで、その時間帯にハンモックに揺られながら森林浴して外気浴するのが自分の中ではベストですね。なんかもう「無」ですね。風の音、自然の音だけを感じられる、感覚が研ぎ澄まされるような感じ。自然と一体になれたような体験ができるかなと。

あとはサウナ利用者に軽食メニューも出しています。実際にこの出島沖で獲れたタコを使った「タコめしのおにぎり」だったり、あとは「タコス」は自分が大好きでも趣味でずっと作っていたのをメニューとして出した。豚肉をラードで長時間煮込んで、オレンジの皮とかいろんなスパイスを加えて長時間煮込んだカルニータスっていう料理なんですけど、
手作りで作るっていうのがひとつこだわりですね。」




鹿又さんは「離島と自然の非日常を味わいたい人に来て欲しい」と話しています。

「JUURI SAUNA」公式サイト

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Hand in Handは今日の放送をもちまして、一旦お休みとなります。

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