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24.08.02
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「全壊した牛舎を建て直して、癒しの場をつくりたい」松田牧場


今週は、能登半島地震で2棟の牛舎や自宅が全壊、牛舎の再建を目指している「松田牧場」のレポートです。


「珠洲市は傾斜地が多く、急な勾配でも牛は歩いて草を食べてくれるのでこの場所を選びました。父が牛専門の獣医師をやっていて、その影響で小さい頃から牛に触れる機会が多かったので当たり前のように酪農家を目指すようになりました。」

松田牧場の松田徹郎さんは、今から10年前に能登半島の先端に位置する石川県珠洲市で企業。酪農と畜産をはじめます。最初は牛10頭からはじまり、今では110頭に。ようやく軌道に乗りかけていたところで、今回の地震の被害にあったといいます。



「ここが一番被害の大きかった牛舎で奥に行くにつれてだいぶ傾いてしまっています。柱が何本かボキボキ折れていて直すことができないくらい傾いているので、建直しをしなきゃいけないというのが一番困っているところですね。その建直しにだいぶ費用がかかりますので、行政機関から補助金は出るのですが、近年の建築単価の高騰で金額も大きくなっていて、事業費は2億5000万円。補助金差し引いても手出しが7000万円かかるということで、今クラウドファンディングを募っているのですが、それもどうなることか。その牛舎の建て替え費用がうまいこといくかいかないかで、経営の継続が出来るかどうかが決まってくるのかなと思っています。最後の駆けみたいな感じでクラウドファンディングをはじめています。」




「ここで経営を続けるかどうか、地震の後一時期悩みました。ただ、今珠洲市の酪農家はどんどん辞めていて、去年は6軒だったのが、地震の影響もあり現在牛乳を出荷しているのはうちともう1軒だけになってしまって。辞めるのは簡単なんですけど、このままだと珠洲市から酪農という産業がなくなってしまうなと。だから酪農を続けるのが僕の使命なんじゃないかなと思っています。それと珠洲市では家をなくした人、仕事をなくした人、大切な人をなくした人がたくさんいて、知り合いも亡くなりましたし、そういった人たちがまた心から笑えるような、癒しの場を提供できるのはここだけなんじゃないかなと思って。ずっと、自分に何ができるかなと地震のあとずっと考えていて、今自分が持っているのは牧場なんで、ここが持つ牛や馬や素晴らしい景色とか、それを使って町の復興の一端を担っていけるんじゃないかなって思うようになって。そういう意味でもここでやらなきゃいけないんですよ。」

珠洲市では数え切れないほどの建物が倒壊しているため、牛舎再建の目途は立っていないとのことです。先行きがまったく見えない状況の中、全壊した牛舎を自分たちの手で補強し、なんとか経営をつないでいます。


「震災後、生乳の出荷量が4分の1まで落ちて、現在少しは回復しましたがそれでも3分の2程度までしか回復しておらず、かなり赤字のまま経営しています。それと、6月下旬現在ではまだ断水が続いていて、自分たちで1日3時間かけて、牛の飲み水を運搬しています。朝と夕方で3往復。この作業さえなければだいぶ負担が軽くなるのでいろんなことが考えられるようになるのかなと思いますが…今はほとんど水のことしか考えられなくて。今石川県内で断水が続いてる唯一の酪農家になってます。ほかは全部通ってます。」

珠洲市にある松田牧場取材したのは6月下旬でしたが、なんと地震からまる7か月が経過した今も断水が続いているとのこと。震災の影響から完全に立ち直るためには、まだまだ道のりは長いです。


そして6月末にスタートしたクラウドファンディング、支援の輪が広がり開始から1ヵ月で第一目標の3,000万円達成しました!今回のプロジェクトでは、当初より牛舎再建費用として7,000万円を目指しています。

牛舎再建のためのクラウドファンディングを実施中!
応援したいという方は、コチラのサイトよりご確認ください。


リターンは松田牧場のミルクで作った牛乳やヨーグルト、ジェラート、能登牛など!


松田牧場の最新情報はコチラから。 Instagram

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