町のともしび 南三陸の魚介を使ったタイ料理レストラン「和sian-cafe aimaki」
今週お送りするのは、宮城県南三陸町歌津地区にあるタイ料理のレストラン「和sian-cafe aimaki」です。
こちらのお店、仙台・宮城のグルメ情報誌で、この年末、「グルメ大賞」にも選ばれたとても評価の高いレストラン。シェフの高橋大吾さん、そして妻・美由紀さんご夫妻で営んでいます。
2011年の津波で、それまで暮らしていた南三陸の自宅が被災。ご家族は無事でしたが、家屋は土台だけを残して津波に流されるという大変な経験をされた高橋さん夫妻。その日からまる6年を経た2017年。南三陸の高台に、このレストランをオープンして現在に至るのですが、そこまでには、様々な葛藤もあったと言います。
「震災の時は岩手県一関市の藤沢町というところで店舗レストランをしていて、自宅が流されたので、そのレストランのわきに仮設を建てて4年くらい住んでいましたが、他県へ移住しようかと思ったんです、原発事故もあって仕事もどうなるか分からないし。それで知り合いから「沖縄に物件がある」という話をもらい、そこでオーベルジュレストランを開けるかも・・・と見に行ったのですが、一緒に行った子どもが「南三陸町に残りたい」というので、僕らも踏ん切りがついて、自宅兼レストランを2017年3月に、新規に南三陸に移転してオープンしました。
地域にすごくおいしいお店が一軒あれば、お客さんもくるし経済効果もあると思う。飲食店は町の灯だと思うし、求心力はあると思うんですね。」
「うちは、南三陸タイ料理とうたっていて、牡蠣が朝むきたてのものだから素材がすごく良い。宮城だとセリ鍋が有名で、名取の美味しいセリの生産者がいて、牡蠣とセリのパッポンカリーは、それはもう旨味のかたまりですね。」
「南三陸タイ料理」。ガパオライスも絶品!
季節の魚介…ホタテや牡蠣、地元のサバ、イカなどがふんだんに入り、ご主人いわく「ダイナミックガパオライス」です。
ちなみに高橋さんご夫妻は、二人とも若い頃はバックパッカーだったということで、旅先のインドで2人は運命的に出会い、結婚したといいます。夫・大吾さんは、ホテルの中華料理の厨房などを経験し、中華の技術を下地にしながら、その後は本場タイで料理を学び、星付きのレストランでも腕を磨いたのだそう。ダイナミックな料理は、中華が下地になっているの、納得です!
今お2人は、主に妻・美由紀さんが中心になって南三陸町歌津地区で新たなプロジェクトをスタートさせています。
「観光客と地元の人たちと、両方が気軽に立ち寄れる場所というイメージで、ちょっとおしゃれな街の洋食レストランと、「おこもり」ができてサブスクで利用できるレンタルルーム、雑貨・お土産コーナー、イベントができるような場所を作って、のちのちは朝市・マルシェができたらいいと思っています。
南三陸は「さんさん商店街」が有名で、そこに行く人はたくさんいるけど、そこから先まで足を延ばす人がいない。それは目的がないから。ならばこっちまで来てもらえる施設を作れたらなと思って。場所が海のすぐそばなので、太平洋が見えて、最近は横にハマーレ広場という公園もできて、子どもにも人気。そこに遊びに来た家族も利用してくれれば相乗効果があるのではないかと期待しています。
あとは町が、ハマーレ広場ができて、子育て中心にしてくれるなら、全天候型の運動場、子どもが遊べる、ボルダリングやロープで遊べるようなところがあれば、ほかにそういうところはないので、30分圏内の地域から、お客さんが来てくれる可能性がある。町が明るくなるように、10年、20年後に、僕らの子供世代が一緒に働いてくれたらいいじゃないですか。うちの子どもは高校三年生で、町に戻ってくるかは分からないけど、戻れる場所は大切に守っていきたいと思うから。
施設の名前は、歌津の「歌」、旅で着てくれる人の「旅人」との交流も含めて「歌旅人-Utabi-」です。」
この「歌旅人(うたび)」は来年2月にオープン予定!
お2人は、「歌旅人」をきっかけに、同じように新しいチャレンジが生まれ、歌津の海沿いが賑わうことを期待していらっしゃいます。
和sian-cafe aimaki