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23.10.13
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女将、菅野一代さんの思いを形に「つなかんサウナ」オープン!



今週も引き続き、宮城県・北東部に突き出た気仙沼市唐桑半島、「唐桑御殿つなかん」のレポートです。

東日本大震災から2年後、2013年に開業した民宿です。災害ボランティアの人たちに寝床を提供していたことをきっかけに、「ボランティアの若者たちが戻ってこられる場所を作りたい」、という想いで民宿を始めたのが、女将である菅野一代さん。とにかく明るくポジティブで、民宿を訪れる人たちはみな、一代さんに会いたくて通い続けているのだそうです。

ただ、そんな一代さんは、震災から数年後、宿も順調に賑わう中、たいへん辛い経験を乗り越えています。


「今から7年前に海難事故で、私の主人と私の長女と義理の息子が船で仕事に行って、転覆事故で亡くなったんですけれども。で、その事故があってから、海はもう見たくないって思ったんですよ。どうしたって唐桑は半島なので、何をするにも周りが海なんです。右を見ても左を見ても、前も後ろも海。それでも防潮堤ができて海が見えなくなった途端、またそれが悲しくなってきて、私は海に嫁いだんだよな、そして一生懸命子どもを育てて、ここで一生懸命働いたよなっていうのが、なんとなく遮断された気持ちになって。
12年前、津波で大きい家が流されるなかでうちの漁具倉庫がぽつんと残ったんですよ。もちろん津波は倉庫の2〜3倍の高さになっています。それでも残って。

で、なんとなく、頭にふと、海の見えるみんなが楽しめる何かを作りたいって思って、あ、それサウナだな!って思ったんですよね。よし、ここに夕日の見える、海の見えるサウナを作ろうと思って。そしてまたここで、みんなで賑わって「ととのった」と、笑顔の絶えない場所にしたいって思って、ありがたいことにクラウドファンディングで皆さんからもご支援をいただいて、40日で600万集まって。それを元手に7月1日にめでたくオープンして、いま頑張ってます。」


「コンセプトは海の見えるサウナ。夕日の見えるサウナ。もう目の前、5歩くらいで海なので、ドボンと。「たずぼんこ」= 足からドボンって入るやつですね。意外と浅いんでドボンといくと海の底に着地みたいな感じ。着地しちゃうので、どうしてもこの辺は牡蠣の養殖をしているので、牡蠣の赤ちゃんがいっぱい底に付着してるんですよ。それで着地して足を切っちゃったというのも多々あるので、飛び込むときはサンダルとかを履いてねと、そんな対策をひとつひとつやって、日々、壁にぶち当たってますね。それでも、来てくれた人たちが、「最高のプライベートサウナだ」と言ってくれるので。それで、目の前が魚が釣れるスポットなんですよ。だから、釣り竿を垂らしながらサウナに入るっていう人も結構いて、今年はイカが釣れて、入れ食い状態。それをバンバンとって、食卓に出す。カマスやサバやソイを釣ってきたら、しょうがないのでさばいてあげて、塩焼きにしたり唐揚げにしたりとか。だからね、サウナに入りながら釣りしてる人たちは気が気じゃないみたいですよ。」



つなかんで楽しめる唐桑グルメも教えていただきました。

「やっぱり唐桑といったら牡蠣なんですよね。養殖の牡蠣を召し上がっていただきたい。うちは、牡蠣の陶板焼きがちょっとおすすめなんですよ。秘伝の味噌があって、私が誰にも教えない秘密の味噌作りっていうのをやっていて。その味噌を使って、焼きながら牡蠣からできた出たエキスをご飯でキャッチして、牡蠣の焼き飯みたいにしてビビンバ風に、牡蠣を1口に切りながら混ぜ混ぜして食べる。この味噌と牡蠣から出たエキスと隠し味にバターを入れるんですけども、最高。絶妙です。春の牡蠣が本当は一番美味しくて、栄養も一番ある。産卵前の牡蠣はプリっプリで加熱しても縮こまらないのが春の牡蠣。それをいっぱいストックしてるつもりなんですが、もう残り少なくなっちゃいました。陶板焼きはもう少しで終わりかな。」


↑牡蠣の陶板(とうばん)焼き・・・これにご飯を乗せてエキスを吸わせてまぜまぜする。おこげにしても美味しいそう!
ちなみに、つなかん、宿もサウナも土日はすでにかなり予約が埋まっているため、平日が狙い目とのこと。平日だと、一代さんが「一対一、つきっきりでサービスするわよ(笑)」とのことです。






気仙沼市の「唐桑御殿つなかん」、そして「つなかんサウナ」ぜひ一代さんに会いに出かけてみてはいかがでしょうか。

唐桑御殿つなかん
つなかんサウナ

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