カッコいい、稼げる、革新的! 未来のフィッシャーマンを育てる フィッシャーマン・ジャパン
全国各地の災害被災地の「今」と、その土地に暮らす人たちの取り組みや、地域の魅力をお伝えしていくプログラム、「Hand in Hand」。今回のテーマは、
「カッコいい、稼げる、革新的!
未来のフィッシャーマンを育てる フィッシャーマン・ジャパン」
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今日の舞台は、太平洋に面した港町、宮城県石巻市です。
目の前に広がる金華山・三陸沖の漁場は世界三大漁場の一つ。古くから漁師の町として知られてきました。そんな石巻で2014年に活動をスタートしたのが、漁師集団「フィッシャーマン・ジャパン」です!
「カッコ良くて」「稼げて」「革新的」。
そんな“新3K”を実行する漁師のトップランナーを育て、「“日本の漁業”をアップデートする」。
これが「フィッシャーマン・ジャパン」の旗じるしです。立ち上げから7年が経過して、いま少しずつ、その成果が実りつつあります。ヤフー社員で震災後石巻へ移住、フィッシャーマン・ジャパンの事務局長、長谷川琢也さんに話を聞きました。
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日本の漁師の人口は平成の30年間で61%減少して、現在およそ15万人。平均年齢は56.9歳、65歳以上が4割と、減少化・高齢化が加速しています。これは震災前からの漁業全体の課題です。
長谷川さんは東日本大震災をきっかけに宮城県石巻市に関わるようになり、地元の漁師・阿部勝太さんと出会います。
「子供の頃から漁業はキツイし、汚いし、親から継がなくていいから出ていけと言われてきた」
そう語る阿部さんの言葉に長谷川さんは衝撃を受けます。漁師は3K(キツい、汚い、危険)なのか。いや違う!海を愛し、日本の魚食文化を支える漁師は絶対にカッコいい仕事であるはず!後継者不足と流通全体に目配りする人がいない漁業の現状を変えたい!そこで長谷川さんたちは新3K(カッコ良くて、稼げて、革新的)という旗印を掲げて、「フィッシャーマン・ジャパン」を立ち上げます。2014年のことでした。
(フィッシャーマン・ジャパン代表 阿部勝太さん。わかめ漁師でもあります。)
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長谷川さんたちはまず全国の若手漁師に連帯を呼びかけました。隣り合う浜同士なのに不思議と連携がない漁業の現場を変えようと、コミュニケーションを図る取り組みを始めます。また石巻に若手漁師たちのシェアハウスをオープン。さらに漁師のインターンシップで漁業に興味を持つ若い世代にも「海の仕事」をPRしてきました。
「若いのに、じいちゃんと父ちゃんと同じ服で仕事をするのは嫌。カッコいい漁師の仕事服が欲しい。」そんな若手漁師の声から生まれたのが、フィッシャーマン・ジャパンのマリンブルゾンやサロペット。ファッションと漁師を掛け合わせて、漁師のイメージそのものを変える、そんな取り組みも行っています。
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「フィッシャーマン・ジャパン」のもう一つの大きな課題が、漁業を流通とセットで考えること。「魚をとって、それで終わり」ではなく、消費者のニーズに合わせて加工し、販売するところまで、漁業をトータルでとらえて、「六次産業」としての可能性を探ってきました。
具体的には魚を美味しく提供する店舗を展開。2021年5〜10月限定で東京・グランスタ丸の内に「フィッシャーマン・サンドイッチ」をオープン。また漁師と一緒に海産加工品を考案して販売しています。
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「Hand in Hand」、来週は「フィッシャーマン・サンドイッチ」の食レポ、そして海の環境保全と未来を考える「フィッシャーマン・ジャパン」の未来のお話です。プレゼントもあります!若手漁師と作った「石巻雄勝湾産・牡蠣の潮煮」を3名様に。来週もお聴き逃しなく!
フィッシャーマン・ジャパン
https://fishermanjapan.com/