宮城県南三陸町 コロナ後の、その先へ
全国各地の災害被災地の「今」と、その土地に暮らす人たちの取り組みや、地域の魅力をお伝えしていくプログラム、「Hand in Hand」。
今日のテーマは『宮城県南三陸町 コロナ後の、その先へ』
旅に出てその土地の魅力に触れるという楽しみが、なかなか味わえない日々が続き、それは全国の観光地に大きな影響を及ぼしています。この番組では何度も紹介している宮城県南三陸町も、その一つです。
東日本大震災からの9年。南三陸の人々は、自分たちの土地の魅力をよりよいものにする努力を重ねてきました。そしてここ数年は、震災前をはるかに超える140万人超の観光客が訪れるように
なっていたんですが新型コロナウィルスの影響は避けられず、いまは本当に厳しい状況になっています。
ただ、震災を乗り越えた南三陸の人々は、今回の困難も必ず乗り越えられるという気持ちでいるはず。実際すでに、収束後を見据えた様々なとりくみも進めています。
ということで今日は、Hand in Handスタッフ、そして高橋万里恵が愛してやまない南三陸の人たちの、未来を見据えた取り組みにフォーカスします。そして、まだ旅には行けませんがお取り寄せで応援することはできます!南三陸の美味しいアレのプレゼントもご用意しました。応募方法は記事の一番下です。
写真は昨年の秋の様子です。南三陸の観光コンテンツ「みなチャリ」という、レンタサイクルでリアスの海岸沿いなどのコースをめぐるサイクリングを体験。クルマで通り過ぎるのではなく、ちょうどよいスピードで志津川湾を眺めながらの時間は格別でした。
そして、この場所に「また行きたい」という気持ちを南三陸ではある企画で受け止めてくれています。
それが「未来の交流券」。
https://www.m-kankou.jp/
https://www.m-kankou.jp/archives/235534/
簡単に言えば南三陸の人々との様々な体験、交流イベントを先行予約できるチケットです。南三陸観光協会の阿部悠斗さんに伺いました。
3月以降町内の飲食店やお土産屋さん、宿泊施設などもかなりお客さんが減っているというところもありまして、そういったものの一つの助けになればということで始めのが未来の交流券です。今はまだ南三陸町で県外移動ができない時期ではあるので、券を先に販売して、コロナが落ち着き次第南三陸町に来て楽しんでもらえるようにということで販売しております。宿泊だったりツアープログラムだったりイベントという三つのジャンルで販売をしておりまして、宿泊に関しましては13施設のお宿さんにご協力を頂いているんですけれども、通常価格よりも安く提供しております。その他にもわかめしゃぶしゃぶという新もののわかめを食べていただけるプランなども提供しております。また、2月以降のイベントが全て延期だったり中止になっていたんですが、今後コロナが収束した後に来て楽しんでいただけるようにということで、通常2000円で買える券を未来の交流券は1000円で販売して色々な食だったり、買い物を楽しんで頂けるようにしております。
〜お値段的にもお得ですね
かなりお得ですね。多いものでは半額でツアー参加ができるものだったり、宿泊に関しても5000円引きしているものも多くがありますので、本当にこれから南三陸に行くぞと決めている方にとってはすごくお得な券だと思います。
〜今購入したらいつ頃から使えるんでしょうか
券の販売が6月30日までなんですけれども、7月10日以降使えるという方向で今話を進めております
〜南三陸の状況としては人出とかは増えてきましたか
やはり緊急事態宣言の解除とともに県内での車というのはかなり増えてきておりまして、5月の初めゴールデンウィークなどはさんさん商店街も人がまばらではあったりしたのですが、5月下旬以降土日となるとかなりツーリングで来られるお客さんだったり、ご家族でお越しになるという方々が多かったですね。
〜南三陸町のみなさんは本当に前を向いて乗り越えられてきているパワーがありますね。ますね。
そうですね。皆さん前を向いてコロナが収束したらこういったことをやりたい、こんなことをしようよという話が出てきたりしているので、もう皆さん活気にあふれていて、負けないぞという強い意気込みを感じますね。
一方、観光業の中でも、この状況で最も打撃を受けたひとつが宿泊施設です。東日本大震災のときよりも状況は深刻だという声がでていると言います。ただ、それでも宿泊業のみなさんは前を向いて動き出しています。
https://peraichi.com/landing_pages/view/miyagiokami
続いてお話を伺ったのは県内の旅館・ホテルの女将さんたちによる「みやぎおかみ会」会長で、南三陸の「ホテル観洋」の女将、阿部憲子さんです。
人が動かない方がいいということを言われたり、バイキングが心配と言われましたので次々とキャンセルの電話がそれぞれの旅館に増えていくような状態でございました。私共のホテルだけでも実は今38000人ものキャンセルで5億円弱の損害です。今まで体験したことないような状況です。
〜そんな中で先を見越した取り組みというのが宮城お宿エール券というものだと伺ったんですが
私たちもお客様が来ない状態ではホテルも旅館も立ち直る事が難しい。そこで未来の利用券のような形で、先取りしてお客様には宿の利用券を買っていただいて、そうすると私たちには売上が入ってきますし、その利用権には3割増しのプレミアムをつけています。それは買ってくださった方に対する感謝の気持ちです。その利用券を販売することによって私たちも少し明るい希望が見えてくるんじゃないかなということで、今回は宮城県内の17の旅館さんが参加してくださっています。買った旅館で使える券ですので、直接その旅館を応援するような形になっています。今販売期間終わってしまったんですけれども、すごく旅館の仲間も前向きになりましたし、お客様からも必ず行くからねっていうことで声を頂いているので、本当にいい企画だったなと思っています。使える期間が7月から年末まで約半年間なんですが、1000円の券が13枚ですので、宿泊はもちろんのこと、日帰りの温泉とか売店があるところは売店でも使えたりして、宿泊に特化しないで使えます。
〜反響はいかがでしたか
おかげさまで当館もそうですが、他の旅館さんもやってよかったとすごく前向きな反響がありました。実は最初の目標設定よりも上の目標に修正した旅館さんが非常に多くて、それは私たちもびっくりしていますし、それによって各旅館さんで色々この後のキャンペーンとかも考たり、後にも繋がるようなそんな実感がありました。
〜阿部さんが会長を務めているみやぎおかみ会はどんな思いで立ち上げたんでしょうか。今回のことは日本国中、それから世界中をも揺るがすような国難ですね。我々は今10年目になりますが東日本大震災も国難でございました。やはりこの9年で学んできたことを考えますと、止まっていると立ち上がるのが大変になるということを感じ取って学んできましたから、東日本大震災を乗り越えながら得た知識であったり、そういう思いをこのコロナ克服のためにも是非考えを進めなくちゃいけないなと思っています。ただ私共のホテルだけで取り組むよりも、やはりもう同業者がみんな困っていることなので、みやぎおかみ会の力を生かしてそれでやってみようと思ったのがこの企画でございます。私もとても嬉しかったのは仲間に喜んでもらえたということ。仲間からスタッフが元気になったとか、今までしーんとしていた事務所がどんどん申し込みの電話が入ってきて、大変励まされたとか、みんなが前を向くようになったと言ってくれて、企画して良かったなと手ごたえも感じております。
今日の記事に関する詳しい情報は
●南三陸観光協会サイト
https://www.m-kankou.jp/
●未来の交流券ページ
https://www.m-kankou.jp/archives/235534/
●みやぎおかみ会Facebookページ
https://www.facebook.com/miyagi.okamikai
そして!きょうはプレゼントもご用意しました。
南三陸町観光協会が運営する公式アンテナショップみなみな屋eマルシェが街のおいしいものをあつめた「おうちごはんに+南三陸」こちらを3名の方にプレゼントします!
ほしい方はメッセージフォームからご応募ください。
「Hand in Hand」、来週は熊本地震から4年が経過した、熊本の観光地の「いま」をお伝えします。