信州・長野を旅して応援
台風19号の被害が連日報じられた長野県・長野市。
地域によっては、ようやく復旧作業が本格的に始まったばかりのところもありますが、一方で、浸水の影響は全くなく、秋〜冬の観光を満喫できる場所が数多くあります。
そこでまずはこれからの季節の長野市の観光の基礎知識、そして水害からの復旧状況を、長野市の観光PRを担うながの観光コンベンションビューローの市村久子さんに伺いました。
市村 「被害にあったのは長野市の1カ所、ピンポイントのところで、戸隠や善光寺、中山間地は大丈夫です。新幹線が水没したことで、行くことができないのではという印象を持つ人もいらっしゃるかも知れませんが、いつもの通りに来て観光していただくのが私たちとすればありがたいことですね。」
高橋「秋から冬にかけて、おすすめを教えていただけますか」
市村「長野駅から善光寺まで表参道の散策の“食べ歩きチケット”があります。700円で参加店舗を回って好きなものを食べ、路地裏をリノベしたカフェに寄っていただければなと思います。温泉も国民宿舎松代荘が日帰りで入れます。茶色いお湯で、腰の悪いおばあさんがお風呂に入って出てきたら杖を忘れて帰ったと言われているほどの温泉です」
高橋「長野といえば、やっぱりお蕎麦ですよね!」
市村「善光寺周辺にもお店は多いですし、戸隠は3大蕎麦のひとつです。長野市街から車で30分ぐらいですね。」
高橋「長野ならではのお蕎麦の楽しみ方はありますか」
市村「ならでは、かどうかはわかりませんが、長野では七味唐辛子をもり蕎麦やざる蕎麦に直接かけて食べることがありますね。オススメです」
長野観光net
https://www.nagano-cvb.or.jp/
七味唐辛子を蕎麦に直接かける、または蕎麦つゆに入れるのが長野スタイルの蕎麦の楽しみ方!
そんな豆知識も頭に入れつつ、次に向かったのは長野市のシンボル、善光寺です。
表参道を散策して、山門をくぐり、いざ本堂へ。善光寺のお坊さん・若麻績憲義(わかおみ・けんぎ)さんに伺いました。
若麻績「(被害については)倒木と提灯が壊れた程度の被害でした。ただ、11月は行楽シーズンで参拝客の方が多い時期なんですがかなり減っております。やはり観光で来ていただくことが被災した地域にとって良い方向につながると思います。たくさんの方に来ていただきたいと思っております。」
善光寺は無宗派で庶民信仰のお寺として知られ、キリスト教など海外の宗教も問わず、だれでも受け入れてくださるということで、「そこが一番、善光寺の仏さんの懐の大きさ(若麻績さん)」だといいます。また、善光寺に来ると“亡くなった人に会える”ということも古くから語り継がれていて、やはり先祖のご供養が大切だといいます。
そして、善光寺といえば有名な「お戒壇めぐり」。高橋万里恵も初めて体験。
善光寺のご本尊・阿弥陀如来像は「秘仏」で、1300年前からご住職すら見ることができないそうです。
お戒壇巡りは、御本尊の真下の、一寸先まで真っ暗な地下廊下を通ることで、御本尊に繋がる錠前に触れるできるもの。
高橋万里恵は触れた瞬間「なんか安心した」と、不思議な感覚を覚えたようです。
※善光寺の表参道は11月末からイルミネーションがスタート。さらに来年2月には、善光寺自体のライトアップも行われる予定。
善光寺
https://www.zenkoji.jp/
長野灯明まつり
https://www.nagano-toumyou.com/
ということで長野市のシンボル・善光寺は、水害の影響もなく、きょうも参拝客を受け入れています。
そして被害の大きかった地区も、一歩一歩、復旧へ向けて動いているんです。
長野市長沼地区の自治会・会長の柳見澤宏さんのお話です。
柳見澤 「長沼地区は4つの地区に分かれていて、特に報道されている長野市の穂保と津野地区の近くで堤防が決壊しました。決壊した川の流れの強さで、家屋が津波のあとのような被害状況なんですね。そういう地区もあれば、水があまりつかず、りんごの葉摘みをして赤いリンゴに挑戦してるものもいるんですよ。だから4つの地区でみんな被害状況が違い、復旧に差が出ていることに難しさを感じています」
柳見澤さんのご自宅のある赤沼地区も、深刻な浸水被害を受けていて、柳見澤さんご自身も親戚のお宅に身を寄せながら、地区の復旧復興に奔走しています。
この地区は、全国有数のリンゴの産地として知られ、国道沿いにりんご園が続く風景は「アップルライン」と呼ばれるほど。
ただこのアップルライン沿いの園地も被害を受けたといいます。
柳見澤 「これから一番おいしさを感じてもらえる、“ふじ”が最盛期の時期なんですが残念な時期にこういう被害に遭ってしまった。ただありがたいことに若者たちがリンゴ作りを閉ざしてはいけないという動きを見せていることが頼もしく感じています。」
高橋 「若い人たちにとっても、この地区のリンゴはかけがえのない大事なものなんですね。初めて訪れたところですが山々に囲まれて、東京にはないものがここにはたくさんある感じがします。長沼地区の素敵な風景、魅力ってなんですか」
柳見澤 「長沼地区は調整区といいまして宅地が造成できないんです。この地域はリンゴ栽培する環境を守っていく形になっています。だからリンゴ栽培に想い入れが強いんです。」
長沼地区は、千曲川の氾濫による水害を何度も経験してきた地域。
地域の方の防災意識はとても高く、毎年 綿密な防災訓練も行ってきたといいます。
それだけに、堤防の決壊で被害が出たのは「大変くやしい」ともおっしゃっていました。
ただ、柳見澤さんの言葉にあったように、被害に合わなかった場所では長野の名産りんごを味わうことができます。
そこを訪れてめいっぱい楽しむことが、復興をあと押しします。
ということで最後は、長野市のりんご狩りスポットへお邪魔してきました。
長野インターすぐそば、真向かいにあの川中島古戦場のある「中村農園」。
こちらは被害も無く、しっかり色づいたリンゴを堪能できて、購入できます。
農園の中村敦子さんは、まだ復旧できないリンゴ農家さんを想い取材は遠慮していましたが、長野のリンゴ農園全体の再生に繋がるなら、とお話を聞かせてくれました。
高橋 「今の時期だと何種類ぐらいりんごを販売されているんですか」
中村 「今は8種類ぐらいありますかね。うちのあたりは被害は比較的少なかったんですが、穂保なんかかの話を見ればちょっと悲しい悲惨な状態ですよね。収穫したリンゴまで流れちゃったという話も聞きますので、本当にかわいそうで、うちは取材に出ていいのかなんて本当に思っちゃいます。」
高橋 「なかなか販売が難しい状況のところもありますが、中村農園のように元気でやってらっしゃるところがある。リンゴを楽しんでいいんだ!と観光客としては思います」
中村 「来ていただけるのは、とってもありがたいですよね。」
ただ、中村農園も観光バスによるツアー客が減少傾向にあるそうです。
長野のリンゴづくりの再生には、風評に惑わされずに訪れてくれる観光客が必要です。
最後は高橋万里恵も、中村農園のリンゴ園でりんご狩り体験をさせて頂きました。
今回も番組からの“お土産プレゼント”があります。
「中村農園のりんご詰め合わせ 3キロ」3名です。
ご希望の方は、番組ホームページのメッセージフォームから、「長野のリンゴ希望」と書いて、ご応募ください。
番組への感想など、メッセージもお待ちしています。
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