千葉県鋸南町・南房総市へ遊びに行こう!
全国各地の災害被災地の「今」と、その土地に暮らす人たちの取り組みや、
地域の魅力をお伝えしていくプログラム、「Hand in Hand」。
今週のテーマは・・・
『千葉県鋸南町・南房総市へ遊びに行こう!』
台風15号、そして先日の台風19号と大きな自然災害が続いた千葉県。中でも鋸南町、そして南房総市は建物被害も大きかった地域です。
でも。実際にはすでに営業を再開している飲食店やお宿もたくさんあって、今回取材したお店やお宿の方々も、みなさん口を揃えて、「安心して、遊びに来て欲しい」と、おっしゃっているんです!
ということで、まずおじゃましたのが、東京から東京湾アクアラインを通って、富津館山道路の鋸南保田インターを降りてすぐにある、道の駅です。
2015年にオープンした、新しい「道の駅」なんですが、道の駅には珍しく建物が2階建て。1階はそれぞれ部屋ごとにお店があり、中に入ると・・・
あれ?黒板がある。おや?なんか椅子と机が懐かしい!
そう、この道の駅、名前は・・・「保田小学校」!!道の駅の“駅長”ではなく、肩書は保田小学校の“校長先生”。大塚克也さんに伺いました。
■道の駅「保田小学校」”校長”の大塚克也さん
こちらは廃校となった保田小学校ですね。道の駅にコンバージョンしました。2階がホテルになっているんですよ。教室に泊まるって憧れじゃないですか?それが実現できるんです!
また各教室、例えば理科室を使った中華料理屋3年B組だったり、職員室がカフェ金次郎といって、金次郎像がそこにあってその隣がカフェになっていたりします。
今回、鋸南町も台風15号の影響で、甚大な被害を受け、一時は風評被害でどうしても観光客が減ってしまいました。この保田小学校は、目玉である直売所を抱えているんですよね。体育館がまるまるマルシェ、直売所になっていました。品揃え3000種類位の地元の産品、お土産を揃えていましたが、今ベニヤ板を貼ってある部分が台風で全部飛んでしまいました。でも、下を向いていてもしょうがないので、仮設店舗になっちゃうんですけど、小さいながらも営業を始めています。
やっぱり千葉の野菜とかお土産品を買ってもらうことが復興の近道じゃないかなと考えていまして、スタッフ一同前を向いてまた歩きが出したところですね。「ピンチはチャンスなり」という言葉がありますけれども、これをきっかけに今まで来ていなかった方が鋸南町、保田小学校、房総全域に来てもらうことで、いろんな新しいものが発見できると思います。そういったことがきっかけになって、ファンがまた増えてくれれば嬉しいです。
宿泊施設になっている2Fの廊下には卒業生が寄付したランドセルや黄色い帽子がかけられています。
とてもキレイに改修してありますが、学校の教室の雰囲気はそのまんま!!
そんな雰囲気にはしゃいでいたらお腹が空いてきました。そして次に向かったのが港です。
鋸南町の保田漁港にある、保田漁協直営の「ばんや」です。今回は台風の影響で建物にも被害が出てしまったんですが、一部で営業を再開したということで、今日はおいしいものをいただきにきました!内房・南房総を観光するなら、必ず押さえておかなきゃいけないお店です。
もともとは漁港で働く人達のための食堂だったそうなんですが、一般の方にも開放したところ、大人気となったんです。
今回頂いたのは、カジメとアジのぶっかけ丼、スルメイカの漬け丼、アジフライ、桜えびのかきあげ、なめろう、さんが焼き、カジメ汁、あら汁…食べ過ぎです!
ばんやは「本館」と「新館」があり、私達がご飯を食べたのは、新館のほう。「本館」はいま、復旧へ向けて準備を進めているんですね。12日に営業再開の予定でしたが、台風19号の影響で延期になっています。そして、ばんやには「ばんやの湯」というお風呂と宿泊施設があるんですが、こちらも再開はまだ先だそうです。完全復旧すれば、お風呂に入って一泊して、さらに定置網漁の見学ができて、漁師めしをいっぱい食べる!という丸一日の楽しみができるようになるんですね!
完全な復旧にはもう少しかかりますが、だからこそ、お客さんにたくさん来て欲しい。ばんやの支配人・中村伸一さんはそんなお話をしてくれました。
■ばんや支配人 中村伸一さん
建屋が3つあるんですけれども、3つともかなり損傷がありまして、いちばんひどかったのが本館でした。半分ぐらい屋根が飛んでしまったような状態ですね。現在は例年に比べると50%位の客入りになっています。周りの民家の屋根にはブルーシートが多くて、まだ観光気分じゃないのかなという風には考えちゃうんですよね。でも、周りの観光施設も結構復旧してきていますし、うちも営業していますので、県民の方々を勇気づける意味でもたくさんのお客さんが来てくれるといいですね。
本来ですと今は伊勢エビの時期ですが、今回の台風で大量に損害が出ちゃって、伊勢エビをもう一度仕入れ直すんですけれども、これからまた水槽が復旧しましたら、いけすの中にとれたての伊勢海老を放流して、活け作りをさせていただきたいと思います!
さて、鋸南町・保田漁港をあとに、一路南へ。やってきたのは房総半島の南の本当に先っちょ。南房総・白浜です。
お話伺ったのは、『紋屋』という、創業100年の老舗のお宿。太平洋が大パノラマで見渡せる、素晴らしいロケーションなんですが、台風15号で、屋根の大半を失うという大きな被害を受けました。
ただ、こちらのご主人・高尾憲資さん、本当に前向きに復旧を目指しています!
■紋屋のご主人 高尾憲資さん
旅館の2階の屋根が飛んでしまったので、雨が降ると水浸し。それが1階にも回ってきて1階も水浸しというような状態で大変でしたね。ここがいちばんひどいですね。天井のところをむしりとられたような感じになってしまっています。今度来る台風の備えて、にとりあえずここを塞いでねとお願いしているところです。
向こう側の損傷していないお部屋、離れの露天風呂付きの部屋は11月からスタートします。
最初のうちは報道が少なかったので、南房総地区は大変な被害を受けていますよというのを知ってもらうことも大事だと思うんですけれども、被害がなかった施設、観光施設や宿泊施設もありますので、ぜひ来て使っていただきたいと思います。紋屋は1919年大正8年に館山の駅前で創業しましたが、その4年後の大正12年の関東大震災で本館は全部潰れてしまいました。だけど先々代はそれを乗り越えて立派に復興して、そして昭和32年には別館という形で、先代が新たに進出しました。ですから100年という長い歴史の中ではいろんなエピソードがある。だから101年目に向かって、今回のことを1つのエピソードとして、何十年か後にこんなことがあったよねと笑えるような状況になるように経営を続けていくことが老舗の務めであり誇りであると思っています。
実際、はなれの露天風呂付きのお部屋も、案内していただいたんですが・・・最高!まったく被害は無く、11月に再開するならすぐにでも行きたい!というくらい!
屋根が損壊した建物も、台風15号から1ヶ月を待たず、すでに屋根が復活していて、本当にすごい速さで復旧を進めています。
ちなみにこちら、全国的にも数少ない「赤ちゃんと妊婦さんに優しい宿」として有名です。赤ちゃんの成長に合わせたソファを取り揃え、料理長手作りの離乳食もあり、親子で入れる貸し切りお風呂もあるんですよ。復旧したらぜひ行ってみたいですね!
今回も番組からの“お土産プレゼント”があります。
道の駅保田小学校で購入した「鋸南町の新米とゆかり」のセットを3名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、番組ホームページのメッセージフォームからご応募ください。今日の感想や番組へのメッセージもお待ちしています!