今週の講師は小説家の金原ひとみさん。ことし5月に出版された金原さんの短編集、『アンソーシャル ディスタンス』の表題作『アンソーシャル ディスタンス』は、昨年春、感染者が増え続け、誰もが不安に駆られる中で書き進められました。
世界中すべての人々に、急激な価値観の転換が求められたあの時期。
新たな生き方を模索する人、反対に、できるだけこれまでの生活を守ろうとする人の間で、さまざまな対立が生まれました。それまでは仲が良かったのに、思わぬ部分で相容れず、心が離れてしまったという人もいたのではないでしょうか?
人の強さと弱さをむき出しにする、コロナ禍が生み出したものに迫ります。
未来授業2時間目、聞き手はTOKYO FM 手島千尋アナウンサーです。
今日のテーマは、『コロナ禍が浮かび上がらせた壁』。
◆金原ひとみ:1983年生れ。
2003年、『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞。2004年、同作で第130回芥川龍之介賞を受賞。2010年、『トリップ・トラップ』で第27回織田作之助賞を受賞。2012年、『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。2020年、『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を受賞。その他の著書に『アッシュベイビー』『AMEBIC』『ハイドラ』『マリアージュ・マリアージュ』『持たざる者』『軽薄』『クラウドガール』『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、最新刊は『アンソーシャル ディスタンス』