今週の講師は、千葉大学文学部教授 中川裕(ひろし)さん。
アイヌ語やアイヌ文化研究の第一人者として知られる言語学者です。ここ数年は、野田サトルさん作の人気漫画「ゴールデンカムイ」の、アイヌ語監修者としても注目を集めています。日本列島北部、とりわけ北海道の先住民族・アイヌの人々や文化を真正面から取り上げつつ、エンタテイメントに昇華させた作品・ゴールデンカムイ。この作品によって、アイヌ語やアイヌ文化に関心を持つ若い世代が増えた、とも言われています。とはいえ、現実問題として、アイヌ語だけで生活している人はすでに存在せず、その文化継承をめぐる環境は、厳しい状況にあることは否定できません。そこで最後は、アイヌ語・アイヌ文化の現在と未来を考えます。
未来授業4時間目。テーマは「他者の文化を知る意味」
中川 裕(なかがわ ひろし)
1955年神奈川県生まれ。千葉大学文学部教授。東京大学大学院人文科学研究科言語学博士課程中退。1995年、『アイヌ語千歳方言辞典』(草風館)を中心としたアイヌ語・アイヌ文化の研究により、金田一京助博士記念賞を受賞。野田サトル氏による漫画「ゴールデンカムイ」では、連載開始時から一貫してアイヌ語監修を務める。著書は『アイヌ語をフィールドワークする』、『アイヌの物語世界』、『語り合うことばの力』など多数。