今週の講師は、千葉大学文学部教授 中川裕(ひろし)さん。
言語学者であり、アイヌ語やアイヌ文化研究の第一人者として知られています。ここ数年は、野田サトルさん作の人気漫画「ゴールデンカムイ」の、アイヌ語監修者としても注目を集めています。今週は、このゴールデンカムイという作品の魅力、そしてこの作品をきっかけに、若い世代からの関心も高まりつつあるアイヌ語・アイヌ文化の現状まで、中川さんに伺っています。
月曜日は、アイヌ語で感謝を意味する言葉「ヒンナ」が、作品中では、「食べ物が美味しい」という誤った意味で使われている、というお話がありました。
そこで今日は、娯楽作品におけるリアリティの問題について研究者・中川さんの考えを伺います。
未来授業2時間目。テーマは「リアリティとエンタテイメント」
中川 裕(なかがわ ひろし)
1955年神奈川県生まれ。千葉大学文学部教授。東京大学大学院人文科学研究科言語学博士課程中退。1995年、『アイヌ語千歳方言辞典』(草風館)を中心としたアイヌ語・アイヌ文化の研究により、金田一京助博士記念賞を受賞。野田サトル氏による漫画「ゴールデンカムイ」では、連載開始時から一貫してアイヌ語監修を務める。著書は『アイヌ語をフィールドワークする』、『アイヌの物語世界』、『語り合うことばの力』など多数。