開業医だった父の影響で医師になったおおたわ史絵さんは、本当に自分が医師になりたいのか深く考える余地もないまま医師免許を取得。その裏には娘を何が何でも医師にしたかった母の強い望みがありました。母親が満足する子を演じて医師になったおおたわさんは、後に自分は医師になるべきだったのか、という疑問に改めて向き合うことになります。
そんな折、医師の仕事を「天職」だと思えるきっかけとなったのが、法務省矯正局医師、プリズン・ドクターの仕事。塀の中の診察室にはさまざまな理由で法を犯した人々がやってきますが、おおたわさんはそこで改めて自らが医師になった使命を見出すのです。
未来授業3時間目。テーマは「懲役のベテラン~矯正医療を必要とする人々」
◆おおたわ史絵(おおたわふみえ)
総合内科専門医、法務省矯正局医師。東京女子医科大学卒。
大学病院、救命救急センター、地域開業医を経て2018年よりプリズン・ドクターに。医師と並行して、テレビ出演や著作活動も行っている。
近著に、薬物依存だった母親との関係を描いた『母を捨てるということ』など。
最新著書は『プリズン・ドクター』(新潮新書)。