東日本大震災から5か月で復興プランを作り、ほかの被災地とは違って防潮堤で海が隠れない「海がみえるまち」を実現した宮城県女川町。その象徴が「女川駅」からまっすぐ海へ延びる遊歩道・プロムナードです。女川町はこのプロムナードを中心に港町ならではの鮮魚店やレストランが入る大型商業施設、公共施設などを配置して町の機能をコンパクトに集約しています。また女川駅の駅舎は温泉施設と一体になっていたり、プロムナードから海を見ると初日の出が見られる作りになっているなどさまざまな工夫が盛り込まれています。
震災直後から町の復興アドバイザー役を務めた土屋さんによれば、こうした様々なアイデアは
女川の人々が自ら声を上げひとつひとつ形にしたものだと言います。
未来授業3時間目。テーマは「まちづくりの主役」
◆土屋信行(つちやのぶゆき)
工学博士。公益財団法人リバーフロント研究所技術審議役、一般社団法人全日本土地区画整理士会理事、日本河川・流域再生ネットワーク代表理事、水の安全保障戦略機構・水害BCP推進チーム事務局長、ものつくり大学非常勤講師。
1975年東京都入都、道路、橋梁、下水道、まちづくり、河川事業に従事。この間環状7 、 8号線の設計・建設、下水道処理場・ポンプ場の設計・建設、多摩ニュータウン、つくばエクスプレス六丁目土地区画整理事業、秋葉原および汐留再開発事業、江戸川区の「ゼロメートル地帯」安全高台化土地区画整理事業のまちづくりに携わる。ゼロメートル地帯の洪水での安全を図るため2008年に江戸川区土木部長として海抜ゼロメートル世界都市サミットを開催し幅広く災害対策に取り組んでいる。東日本大震災の復興では学識経験者委員として宮城県女川町のまちづくりに取り組んだ。新著に「災害列島の作法」がある。