アメリカの音楽史を独自の視点でひもとく大和田俊之さんの新著『アメリカ音楽の新しい地図』。2010年代から20年代初頭に激変してきたアメリカ社会の様相をメインストリームのミュージシャンたちの活動を通して描いた一冊です。その中でひときわ異彩を放つ章が、BTSとエイジアン・インヴェイジョン」。「エイジアン・インヴェイジョン」という言葉を直訳すれば「アジア人の侵略」。1960年代にビートルズやローリング・ストーンズ、ザ・フーなどイギリスのバンド勢がアメリカの音楽チャートを席巻した事象、「ブリティッシュ・インヴェイジョン」が下敷きになった表現です。
ビートルズの再来とも称され、世界中に大きなインパクトを与えたアジアのボーイズグループ、BTS。彼らがアメリカのエンタテインメント業界で受け入れられた理由とは。
未来授業3時間目。テーマは「Asian Invasion ~BTSがアメリカで求められた理由」
◆大和田俊之(おおわだ・としゆき)
慶應義塾大学法学部教授。専門はアメリカ文学、ポピュラー音楽研究。『アメリカ音楽史——ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』(講談社)で第33回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞。長谷川町蔵との共著に『文化系のためのヒップホップ入門』(アルテスパブリッシング)。最新刊は『アメリカ音楽の新しい地図』(筑摩書房)。