「未来授業」。今週の講師は慶應義塾大学大学院の砂原秀樹教授。サイバーセキュリティ研究センターの所長で、日本におけるインターネットの基盤を作った一人です。
違う大学にいる仲間に、いちいちデータを届ける事が面倒になって、瞬時にデータを送る為に開発した、という日本のインターネットでしたが、瞬く間に「地球を覆う網となって一つになり、the Internetという地球の中の組み込まれた仕組みになった」と砂原教授は言います。やがて90年代に入ると砂原教授たちの新たな挑戦が始まりました。カーナビ、スマホ、カメラ、温度計、湿度計、速度計…、単体でしか使われていないこうしたセンサを無線ネットワークにつないだら…!最初に思いついたのは車でした。動機は「研究費で自動車を買いたかった…!」しかし、ゲリラ豪雨が問題視され始め、砂原教授たちは思わぬ副産物を派生させることになります。
未来授業2時間目、テーマは 『センサネットワークの誕生とビッグデータ』。
砂原秀樹
1983年慶應義塾大学工学部卒業。1985年同工学研究科修士課程修了。1988年同理工学研究科後期博士課程所定単位取得退学。工学博士。2001年奈良先端科学技術大学院大学情報科学センター教授。2005年情報科学研究科教授。2008年より現職。1984年から日本におけるインターネットの構築とその研究に従事。2005年よりインターネットを通じて環境情報を共有するLive E! Projectを開始。インターネット上に分散した人間の行動、ネットワークセンサ、自動車、物が生成する情報から知識を構成することに興味を持つ。またインターネットを基盤とした安心・安全な社会を構築するためのセキュリティ、プライバシーの研究にも従事。プライバシー情報を統括管理する仕組みとしての「情報銀行」プロジェクトを推進。