今週の講師は、小説家・朝井リョウさん。
2009年「桐島、部活やめるってよ」でデビュー。2013年には「何者」で直木賞を受賞。現在も人気作を書き続ける、平成を代表する作家です。1989年・平成元年生まれの朝井さんは、これまで多くの作品で、同年代・平成の若い世代を描き続け、新刊「死にがいを求めて生きているの」でも、この時代を生きる若者たちのリアルな葛藤・人物像を浮き彫りにしています。
「死にがいを求めて生きているの」。この作品では平成、とくに「ゆとり世代」の若者が、競争や対立が排除された学校の中で、それでも競争や対立に苦悩する若者が描かれています。
そしてその苦悩は、昭和生まれ・平成生まれなど、「世代」の問題ではなく、「時代」の問題なのではないかと、朝井さんは考えているようです。
未来授業2時間目、テーマは『関係性の糸』
朝井リョウ
1989年岐阜県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞受賞。受賞作がベストセラーになり、現役大学生作家として注目される。男子チアリーディングチームを取材した書下ろし長編『チア男子!!』(第3回高校生が選ぶ天竜文学賞受賞)『星やどりの声』『もういちど生まれる』(2012年下半期直木賞候補)、『少女は卒業しない』などの小説を在学中に刊行。2012年春、大学を卒業して就職、大学時代の体験を綴ったエッセイ集『学生時代にやらなくてもいい20のこと』を刊行。2013年1月、『何者』で第148回直木賞を受賞。『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞を受賞。