- 2015.08.16
東松島「森の学校」のいま1
今回は東北・宮城県東松島市で行われている森づくりについてお伝えします。この番組では何度か取材している、東松島の「森の学校」です。

作家で環境活動家 CWニコルさん、そして東松島市が取り組むこのプロジェクトは、子どもたちのために、森をそのまま「学びの場」にしようという計画なのですが、その途中経過をお伝えします。
東日本大震災による津波で、地元の小学校が被災した東松島・野蒜地区。
その高台に、森そのものを学びの場にした学校を作ろうということで、はじまったこのプロジェクト。
2012年に構想が立ち上がって、まる3年。着実に、完成が近づいています。例えば、野蒜地区にある山の中腹には素敵な展望デッキ完成していて、東松島市・成瀬未来中学校1年生の山田ともみさんが案内してくれました。震災直後・小学校3年生の時から、森の学校作りに関わっているそうです。

そして「復興の森」と名付けられたこの森に隣接する高台では、小学校の新しい校舎を建てる土地の造成が進んでいます。

アファンの森財団 事務局長の野口理佐子さんにお話しを伺いました。
◆森と海を大事にする学校
この復興の森の真下が宮野森小学校という森の学校ができる予定の場所です。この大きなもみの木は、まるでマザーツリーのように町と学校を見守ってくれてるように感じます。当初切ってしまう予定もあったのですが、残されて本当に良かった。


今からあと2年、学校が開校される2年までの間にここをきれいにしようと思います。

授業中でも、「今日は気持ちがいいから森で授業をしよう!」って、先生たちと一緒に森に来て授業ができるみたいにしたいですね。
ここの小学校は野蒜小学校と宮戸島にある宮戸小学校が統合されて、宮野森小学校が森の学校になります。だから森の学校といっていますが、宮戸の人たちにとっては海も大事なので、森と海を大事にする学校、地域の自然を丸ごと学校にしようっていう思いでみんなでつくっています。以前は学校が終わってから、夕方海に行ったりしていたのですが、いまは少し遠ざかっています。なるべく早くこの地域の人たちと海とのよりを戻したいなと思っていいます。
この、宮野森小学校の新しい校舎が完成するのは2017年。現在、仮設の校舎に通う小学生たちの中には卒業してしまう子どももいます。
そういった子どもたちのために、完成に先駆けた授業の一環として、地域の自然を学ぶプログラムがスタートしているそうです。
そして今後は、自然の中でしか学べないこととして、「サウンドシェルター」という施設もつくられる予定です。
まだ完成していないので、今回は小さな模型を見せて頂いたのですが、テントを半分に切ったような形で、森の音が反響する仕組みになっています。森の中の、いろんな生き物の音、かすかなささやきを、大きな耳の形のシェルターの中でじっくり聴くことができます。

そしてこのサウンドシェルターは、震災でつらい体験をした子どもたちがみんなで体験を共有する、という目的もあるんです。
この場所を案内してくれた山田ともみさんは、震災当時、避難先だった野蒜小学校の体育館で津波に遭遇しました。体育館の中に濁流のように押し寄せる波の渦に飲まれそうになった時、助けてくれたひとは亡くなってしまったそうです。
「野蒜の人たちは、避難所が野蒜小学校だったので野蒜小学校に行って避難しました。お姉ちゃんはギャラリーの上にいたから、お姉ちゃんは無事だったのですが、わたしのお兄ちゃんと、自分とママは津波に飲まれました。自分が渦の中に入りそうになって、でもママが教えてた子のお母さんが手を引っ張ってくれて、助かりました。そのお母さがんいなかったら、多分今いなかったなとか思って、ママがすごく泣いてありがとうねって言ってました。その押してくれた女の人、亡くなっちゃって、私がいなければとか思ってしまったり…。
でも、話を聞いてくれる人がいると、なんかスッキリして、もやもやが晴れます。1人で溜めこんじゃうとあれだから、バーって話した方がすごいスッキリするから(サウンドシェルターは)いいなって。」
サウンドシェルターは、C.W.ニコルさんが若い頃カナダの北の少数民族と一緒に旅をしてであったものだそうです。じーっと自然の音を聴く楽しみだけでなく、たき火をしながら、会話がしやすい、そんな場所です。人は小さな焚火を見ると穏やかな気持ちになり、心を開いて会話をすることができる、とニコルさんは話していました。
アファンの森財団について興味をもった方はぜひこちらのページもチェックしてみてください。
→C.W.ニコル・アファンの森財団 | Facebook
来週も引き続き森の学校のお話をお届けします。
どうぞお楽しみに!
【番組内でのオンエア曲】
・お二人 Summer / ケツメイシ
・にじいろ / 絢香

作家で環境活動家 CWニコルさん、そして東松島市が取り組むこのプロジェクトは、子どもたちのために、森をそのまま「学びの場」にしようという計画なのですが、その途中経過をお伝えします。
東日本大震災による津波で、地元の小学校が被災した東松島・野蒜地区。
その高台に、森そのものを学びの場にした学校を作ろうということで、はじまったこのプロジェクト。
2012年に構想が立ち上がって、まる3年。着実に、完成が近づいています。例えば、野蒜地区にある山の中腹には素敵な展望デッキ完成していて、東松島市・成瀬未来中学校1年生の山田ともみさんが案内してくれました。震災直後・小学校3年生の時から、森の学校作りに関わっているそうです。

そして「復興の森」と名付けられたこの森に隣接する高台では、小学校の新しい校舎を建てる土地の造成が進んでいます。

アファンの森財団 事務局長の野口理佐子さんにお話しを伺いました。
◆森と海を大事にする学校
この復興の森の真下が宮野森小学校という森の学校ができる予定の場所です。この大きなもみの木は、まるでマザーツリーのように町と学校を見守ってくれてるように感じます。当初切ってしまう予定もあったのですが、残されて本当に良かった。


今からあと2年、学校が開校される2年までの間にここをきれいにしようと思います。

授業中でも、「今日は気持ちがいいから森で授業をしよう!」って、先生たちと一緒に森に来て授業ができるみたいにしたいですね。
ここの小学校は野蒜小学校と宮戸島にある宮戸小学校が統合されて、宮野森小学校が森の学校になります。だから森の学校といっていますが、宮戸の人たちにとっては海も大事なので、森と海を大事にする学校、地域の自然を丸ごと学校にしようっていう思いでみんなでつくっています。以前は学校が終わってから、夕方海に行ったりしていたのですが、いまは少し遠ざかっています。なるべく早くこの地域の人たちと海とのよりを戻したいなと思っていいます。
この、宮野森小学校の新しい校舎が完成するのは2017年。現在、仮設の校舎に通う小学生たちの中には卒業してしまう子どももいます。
そういった子どもたちのために、完成に先駆けた授業の一環として、地域の自然を学ぶプログラムがスタートしているそうです。
そして今後は、自然の中でしか学べないこととして、「サウンドシェルター」という施設もつくられる予定です。
まだ完成していないので、今回は小さな模型を見せて頂いたのですが、テントを半分に切ったような形で、森の音が反響する仕組みになっています。森の中の、いろんな生き物の音、かすかなささやきを、大きな耳の形のシェルターの中でじっくり聴くことができます。

そしてこのサウンドシェルターは、震災でつらい体験をした子どもたちがみんなで体験を共有する、という目的もあるんです。
この場所を案内してくれた山田ともみさんは、震災当時、避難先だった野蒜小学校の体育館で津波に遭遇しました。体育館の中に濁流のように押し寄せる波の渦に飲まれそうになった時、助けてくれたひとは亡くなってしまったそうです。
「野蒜の人たちは、避難所が野蒜小学校だったので野蒜小学校に行って避難しました。お姉ちゃんはギャラリーの上にいたから、お姉ちゃんは無事だったのですが、わたしのお兄ちゃんと、自分とママは津波に飲まれました。自分が渦の中に入りそうになって、でもママが教えてた子のお母さんが手を引っ張ってくれて、助かりました。そのお母さがんいなかったら、多分今いなかったなとか思って、ママがすごく泣いてありがとうねって言ってました。その押してくれた女の人、亡くなっちゃって、私がいなければとか思ってしまったり…。
でも、話を聞いてくれる人がいると、なんかスッキリして、もやもやが晴れます。1人で溜めこんじゃうとあれだから、バーって話した方がすごいスッキリするから(サウンドシェルターは)いいなって。」
サウンドシェルターは、C.W.ニコルさんが若い頃カナダの北の少数民族と一緒に旅をしてであったものだそうです。じーっと自然の音を聴く楽しみだけでなく、たき火をしながら、会話がしやすい、そんな場所です。人は小さな焚火を見ると穏やかな気持ちになり、心を開いて会話をすることができる、とニコルさんは話していました。
アファンの森財団について興味をもった方はぜひこちらのページもチェックしてみてください。
→C.W.ニコル・アファンの森財団 | Facebook
来週も引き続き森の学校のお話をお届けします。
どうぞお楽しみに!
【番組内でのオンエア曲】
・お二人 Summer / ケツメイシ
・にじいろ / 絢香