- 2014.11.23
森林セラピー 2
今週も引き続き、私たちが森の中で不思議と癒される効果を、医学的に研究して、私たちの生活に生かそうする試み、『森林セラピー』のお話です。
すでに、かなりの部分で、医学的に裏付けが取れていることが先週のお話で分かりましたが、きょうはより具体的な「森の効果」に迫ります。
千葉大学の「環境健康フィールド科学センター」副センター長で、医学博士でもある宮崎良文さんにお話しをうかがいました。

◆森林浴の効果
実験結果の解釈としては生理的にリラックスしているということがわかりました。脳の活動においては前頭前野という部分を計っています。おでこのところですね。この前頭前野というのは非常に高度な価値判断をするところなんですけれども、例えば暗算なんかをすると活動が増えます。人がリラックスするとその活動が沈静化するということなんですが、森にいたときと都市にいたときを比べると、森にいたときの方が都市にいたときよりも脳が沈静化してるということがわかりました。要するに脳もリラックスしているということですね。
それと同時に心拍の揺らぎを計測すると、リラックス状態で高まる副交感神経活動が都市に比べて2倍程度まで高まるということがわかりました。逆にストレス状態で高まる交感神経活動は下がるということもわかったんですね。さらにストレスホルモンの濃度が12%程度下がるんです。
また、NK細胞活性というものを計測しました。NK細胞とはナチュラルキラー細胞といいまして、これが下がってくると癌になる確率が高い、あるいはインフルエンザになる確率が高くなります。これが2泊3日の森林浴、森林セラピーで改善するってこともわかったんですね。
こういう科学的データというのは2種類の取り方がありまして、ひとつはフィールド実験といって実際に森に行って計測する。森に行くと色んな刺激を受けるわけですよね。においもあれば見た目の美しさもあれば、音もあるし、五感を介して影響がある。
もうひとつは室内実験と言いまして、人工気候室と呼ばれる場所で、刺激を変えてやるっていう実験です。部屋の中で森の風景を見るとか、都市の風景を見る。それからフィトンチットとよばれているものを実際に嗅いでみるっていう実験もすることができる。あとは小川のせせらぎ音のようなものを使って音の刺激、聴覚刺激だけを受けるってこともできるんですね。
そういう実験をやってみるとですね、各刺激、ひとつひとつの刺激全て効果がありますし、トータルでのフィールド実験でも効果があるっていうのが、まず大きな結論です。
つまり、森を構成する「要素」それぞれにも、効果があるということなんですね。例えば宮崎さんは、森の中を流れる小川のせせらぎのCDを聴かせる実験もしているのですが、やはりこれも脳をリラックスさせる効果があったそうです。つまり「森の音」を聴くことも、意味があるんです。
そしてさらに!森の木に触ったり、木登りをしたり、もっと言えば、お家の家具や柱の木材に触れることでも、同じ効果があることが分かっているんです。
◆木の触感にも効果がある
木材を触るっていう実験をやりました。人工物のツルツルしたもの、金属、まったく塗装していない無垢の木材、それからあと、ポリウレタン塗装といって、見た目は木材だけどツルツルなもの。そういうもので実験をしました。
そうするとですね、デコボコ感というか木目が残ったものを触ると、人っていうのはリラックスするんですよ。しかし木材でもポリウレタン塗装でツルツルにしてしまうと、金属と変わらない結果になります。これはね、せっかくの木の良さを塗装することによって消しちゃってるんですよね。
目で見る効果、匂いの効果、触って感じる効果。それぞれ、意味があるというお話でしたが、では、どれがいちばん癒しの力を持っているのか。これも聞いてみました。
◆森林浴の効果がいちばん高いのは?
よく質問されることとしては、どの刺激が一番効果があるのかということがあります。匂いなのか、見た目なのかね。そういう質問を受けるんですけれども、これの答えとしては、実際に被験者として測定された人が何に興味があるかとか、何が好きかとか、自分にとって一番気持ちいいものは何かということで変わります。例えば匂いに興味がある人もいれば、音に興味がある人もいるんですね。そういう自分の価値観に応じて変わってきます。ものすごく大きな個人差がありますね。
これからやらなきゃいけない快適性研究っていうのは、個人の好みに応じてどういう効果があるかってことなんですね。森林浴といっても、森林が嫌いな人もいます。スギ花粉症なんで、もうイメージとして森を見るのも嫌だっていう人もいます。あるいは森はどこに行っても気持ちがいいっていう人もいるんですね。もっというと、広葉樹の紅葉が好きな人もいれば、ヒノキとがスギの森がいいっていう人もいます。それから公園のような小さな自然、木のテーブルだとかそういうことを含めた小さな自然までので、色々な好みがあるんですね。
実際に森に行くときには、自分の好きな森がどういう森なのか自分で探すっていうのがいちばん効果的な森林セラピー法なんですね。my favorite 森 だったり、my favorite 公園 だったり、my favorite 家庭菜園だったりね。自分の好きな自然を自分で見つける。それがまず第一ですね。
今週のお話しいかがだったでしょうか。この模様はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。こちらもぜひお聞きください!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Everyday Is A Winding Road / Sheryl Crow
・楓 / スピッツ
すでに、かなりの部分で、医学的に裏付けが取れていることが先週のお話で分かりましたが、きょうはより具体的な「森の効果」に迫ります。
千葉大学の「環境健康フィールド科学センター」副センター長で、医学博士でもある宮崎良文さんにお話しをうかがいました。

◆森林浴の効果
実験結果の解釈としては生理的にリラックスしているということがわかりました。脳の活動においては前頭前野という部分を計っています。おでこのところですね。この前頭前野というのは非常に高度な価値判断をするところなんですけれども、例えば暗算なんかをすると活動が増えます。人がリラックスするとその活動が沈静化するということなんですが、森にいたときと都市にいたときを比べると、森にいたときの方が都市にいたときよりも脳が沈静化してるということがわかりました。要するに脳もリラックスしているということですね。
それと同時に心拍の揺らぎを計測すると、リラックス状態で高まる副交感神経活動が都市に比べて2倍程度まで高まるということがわかりました。逆にストレス状態で高まる交感神経活動は下がるということもわかったんですね。さらにストレスホルモンの濃度が12%程度下がるんです。
また、NK細胞活性というものを計測しました。NK細胞とはナチュラルキラー細胞といいまして、これが下がってくると癌になる確率が高い、あるいはインフルエンザになる確率が高くなります。これが2泊3日の森林浴、森林セラピーで改善するってこともわかったんですね。
こういう科学的データというのは2種類の取り方がありまして、ひとつはフィールド実験といって実際に森に行って計測する。森に行くと色んな刺激を受けるわけですよね。においもあれば見た目の美しさもあれば、音もあるし、五感を介して影響がある。
もうひとつは室内実験と言いまして、人工気候室と呼ばれる場所で、刺激を変えてやるっていう実験です。部屋の中で森の風景を見るとか、都市の風景を見る。それからフィトンチットとよばれているものを実際に嗅いでみるっていう実験もすることができる。あとは小川のせせらぎ音のようなものを使って音の刺激、聴覚刺激だけを受けるってこともできるんですね。
そういう実験をやってみるとですね、各刺激、ひとつひとつの刺激全て効果がありますし、トータルでのフィールド実験でも効果があるっていうのが、まず大きな結論です。
つまり、森を構成する「要素」それぞれにも、効果があるということなんですね。例えば宮崎さんは、森の中を流れる小川のせせらぎのCDを聴かせる実験もしているのですが、やはりこれも脳をリラックスさせる効果があったそうです。つまり「森の音」を聴くことも、意味があるんです。
そしてさらに!森の木に触ったり、木登りをしたり、もっと言えば、お家の家具や柱の木材に触れることでも、同じ効果があることが分かっているんです。
◆木の触感にも効果がある
木材を触るっていう実験をやりました。人工物のツルツルしたもの、金属、まったく塗装していない無垢の木材、それからあと、ポリウレタン塗装といって、見た目は木材だけどツルツルなもの。そういうもので実験をしました。
そうするとですね、デコボコ感というか木目が残ったものを触ると、人っていうのはリラックスするんですよ。しかし木材でもポリウレタン塗装でツルツルにしてしまうと、金属と変わらない結果になります。これはね、せっかくの木の良さを塗装することによって消しちゃってるんですよね。
目で見る効果、匂いの効果、触って感じる効果。それぞれ、意味があるというお話でしたが、では、どれがいちばん癒しの力を持っているのか。これも聞いてみました。
◆森林浴の効果がいちばん高いのは?
よく質問されることとしては、どの刺激が一番効果があるのかということがあります。匂いなのか、見た目なのかね。そういう質問を受けるんですけれども、これの答えとしては、実際に被験者として測定された人が何に興味があるかとか、何が好きかとか、自分にとって一番気持ちいいものは何かということで変わります。例えば匂いに興味がある人もいれば、音に興味がある人もいるんですね。そういう自分の価値観に応じて変わってきます。ものすごく大きな個人差がありますね。
これからやらなきゃいけない快適性研究っていうのは、個人の好みに応じてどういう効果があるかってことなんですね。森林浴といっても、森林が嫌いな人もいます。スギ花粉症なんで、もうイメージとして森を見るのも嫌だっていう人もいます。あるいは森はどこに行っても気持ちがいいっていう人もいるんですね。もっというと、広葉樹の紅葉が好きな人もいれば、ヒノキとがスギの森がいいっていう人もいます。それから公園のような小さな自然、木のテーブルだとかそういうことを含めた小さな自然までので、色々な好みがあるんですね。
実際に森に行くときには、自分の好きな森がどういう森なのか自分で探すっていうのがいちばん効果的な森林セラピー法なんですね。my favorite 森 だったり、my favorite 公園 だったり、my favorite 家庭菜園だったりね。自分の好きな自然を自分で見つける。それがまず第一ですね。
今週のお話しいかがだったでしょうか。この模様はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。こちらもぜひお聞きください!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Everyday Is A Winding Road / Sheryl Crow
・楓 / スピッツ