今週は、北海道・知床の雪深い森にご案内します。
こちらでは今の季節、全てが雪に包まれた森を歩くツアーが実施されています。
フレぺの滝 スノーシューイング
北海道の東の端に突き出た細長い半島・知床半島。
1000メートルを超す山々と、そこから海へ注ぐ70本以上の川とそれを包む森、オホーツク海の流氷がやってくる沿岸部で構成される自然は、2005年、世界自然遺産に登録されています。

そんな知床の冬の森を散策するツアーの一つが、『フレぺの滝 スノーシューイング』。
知床の大自然を満喫するネイチャーツアーを企画・運営する知床ナチュラリスト協会による企画の一つで、「スノーシュー」という、雪の上を自由自在に歩ける西洋風のカンジキを靴に取り付けて散策します。

何メートルも降り積もった雪の上を、すいすいと歩く。雪のない季節には歩けない場所、見られない高さからの景色。それが、スノーシューの雪山散策ならではの魅力です。

ポッドキャストでは、とても楽しいガイドの方がツアーを案内する様子もお届けしています。

フレぺの滝 スノーシューイング~足あとを発見!
この辺にある足あとはキツネが多いんです。よくウロウロしていて、流氷の上も歩きますよ。キタキツネですね。
フレぺの滝 スノーシューイング~足あとを発見!
かわいい足あとはネズミです。穴から出てきて別の穴に入っていったんです。よくキツネが雪をじっと見たあと、舞っていることがありますが、それはジャンプしてネズミに襲い掛かっているんです。フクロウも音を聞いてネズミをとらえます。
足あとは妄想できるから楽しいですね。


このツアーが実施されるのは、毎年12月上旬から3月下旬。
フレペの滝という、垂直に切り立ったおよそ100mの断崖の割れ目から、水が染み出し流れ落ちるという、不思議な滝を目指して歩きます。

知床の森は、山と、川と、海が育む栄養素によって、希少な植物と様々な野生動物が、大きな食物連鎖を形作っています。
だから雪の中を散策すると、そんな森の住民たちと出会うこともしばしばです。

フレぺの滝 スノーシューイング~雄鹿の群れと出会う
鹿の群れ
雄鹿が木の皮をかじっています。鹿は、繁殖期以外はオスとメスは別々に行動します。角でとがらせて木をスクラッチして食べやすくしています。とても頭がいいですね。
鹿に食べられた木
鹿は一列になって、同じ道を歩きます。鹿は足が細いので、同じ道を歩かないと体重がかかって体力を使ってしまうんです。
鹿は悪者にされがちですが、鹿が増えた原因を作ったのは人間なんです。


こんな風にエゾシカに遭遇したりできるほか、ヒグマなど野生動物の痕跡を探したりして、冬の知床の森を、五感を目いっぱい使って満喫できます。

ちなみに、雪のない夏の森と、冬の森ではどんな違いがあるのでしょうか。
知床ナチュラリスト協会の元代表で、稚内北星学園大学講師の藤崎達也さんに伺いました。

藤崎達也さん ~知床の森の夏と冬
 知床の魅力はなんといっても森。北海道でも少なくなっている原生林が広がっています。
夏はそういった森の中を歩いたりできる時期。ただ冬と違って下草がたくさんあるので冬ほど自由には森に入らせてくれません。背丈くらいある笹や、ちょっと触るだけでかぶれてしまう漆などが森にはたくさん下草として生えているんです。意外と冬の方が思うように森歩きができますね。
景色はおだやかですし、7月、8月は気温も日本では一番快適じゃないかと思います。ですが、森の中に入るのは意外と厳しいんです。冬は冬眠している熊も夏は普通に生活していますしね。森を歩いているとふと出会うこともあるんです。でも熊は結構穏やかなので、びっくりはしますが、そのままどこかに逃げてしまうことの方が多いですね。
 個人的に好きなのは冬です。冬といっても北海道では11月くらいから非常に厳しい季節になります。日も短く、三時ごろには暗くなってしまいますが、その冬がとても好きですね。
とくにこの時期は鹿が繁殖期です。ヒグマも冬眠前に一生懸命どんぐりや鮭を食べてまるまる太ったり、鮭が遡上していたり、鷲がわたってきたり。
厳しい自然の中で野生がすごく際立つ時期なんです。この時期が一番好きです。
それに北風が吹き始めるのが11月くらい。サーフィンをやっているのですが、とてもいい波なんです。海外の方もワールドクラスだといいいます。
 自然に打ちのめされている感があるのがこの季節ですね。



『フレぺの滝 スノーシューイング』、とても楽しそうですね。興味のある方は、知床ナチュラリスト協会のサイトをご覧ください。
知床の自然体験ツアー|知床ナチュラリスト協会(シンラ)

そして、知床半島は、オホーツク海からやってくる流氷が着岸する「南の限界点」でもあります。知床ナチュラリスト協会のツアーには、この流氷の上を歩く、流氷ウォーキングという企画もあるんです。

というわけで来週は、その流氷ウォーキング、ご紹介します。
実は流氷って、ただの氷ではないんです。氷の裏側には「あるもの」があって、それが、海と川と森をつないでいる・・・らしいんです。

どういうことなのかは、来週お届けします。
お楽しみに!

【番組内でのオンエア曲】
・スノーマジックファンタジー / SEKAI NO OWARI
・Come Saturday Morning / RUMER

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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